今まで色々読んできたけど過去最高の作品

 なろうで連載していた時から読んでいました。ストレスフリーな作品が増えて些か食傷気味なときにたまたま読んで、度肝を抜かれた覚えがあります。
 この作品は、ほかの小説が一文で済ませてしまう「努力」の過程を、巧みな情景描写と深く入り込めるストーリーで非常に上手く描いているように感じます。一つの目的のために、主人公はその他全てを捨て、殺し、犯し尽くし、最後には塔のように積みあがったカルマが残る。「努力」の安売りをしている昨今の量産小説と一線を画す作品です。
 また、俺TUEEE的な、主人公一強体制ではなく、競い合うライバル、手の届かない強敵、挫折と敗北と屈辱を積み重ねてそれでも足掻く主人公の姿は、非常に傲慢ながらもそれに見合うよう身を削り続ける、読者の胸を打つ格好の良さがあります。
 最近のストレスフリー作品に飽きた方や時間に余裕のある方は是非この小説を一読することをお勧めします。

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カルマの塔