小説を執筆しているとふと立ち止まってしまう瞬間がありませんか?
「あれ、この表現って日本語として正しいのかな」。あるいは「ここのくだり、どう辻褄を合わせよう……」。あるいは「ここはちょっと調べてから書かないと」。
さっきまで軽快にタイピングしていたはずの手は止まり、言葉の切れ端が脳の片隅から零れ落ちていき、気分転換ついでにちょっとだけwikipediaで調べものをしようとしたら、あっという間に二時間が経過。結局今日も全然進まなかった……。
そんな誰にでも訪れる瞬間をどう乗り越えるか。その答えの一端が本作では書かれています。
小説家・豪徳寺招平が担当編集者に送った小説の初稿。しかし、そこには豪徳寺先生の小説執筆に関するとんでもない秘密が隠されていたのです。
その内容は読者を抱腹絶倒に陥れると同時に「小説はこうやって書いてもいいんだ」という確かな勇気を与えてくれます。
今後小説を書いていて手が止まることがあれば、本作のことを思い出してください。
貴方を悩ませている問題が見事解決!
…………するかどうかはわかりませんが、とりあえず小説執筆自体は先に進んでいくはずです!
…………けどミステリー小説でこの書き方はやっぱりダメなんじゃないかな…………。
(小説を書く参考になる作品4選/文=柿崎 憲)