第5攻略 初冒険は未知と危険がいっぱいです

シュバルツは防具を揃え‥‥。

これからでも、冒険に行ける準備が整ってる。

防具に関しての、払うお金は無い。

理由としては、初頭の冒険者はギルドからの支援があるから。

これがあるから、初頭の冒険者の死亡率が大幅に減ったらしい。

その為、最近は志願者が増えたらしい。

お金は‥‥。

村の両親から貰ったと言いった。

実際は、ポケットに入ってたんだけど。

多分、転生の支給品であろう。


ポケットには‥‥。いや、異空間収納魔法と言うべきだろうか。

その中には、この世界で必要なものがある程度揃っていた。

服とか、エチケット用品とか。

まぁ、漫画も入っている。ジャ●プとか、マ●ジンとか。

大丈夫か?!この本の名前出しちゃって‥‥‥。

怖ーよ。

「てか、作者。やってるなー。漫画織り交ぜてきちゃったよ。デビューもしてないのに。だいじょぶか?」

と、シュバルツがボヤく。あくまで、心の声であるが。


彼がいるのは街から数キロ離れた森。

『ヌェーバーの森』に来ている。

ここは、下位層ロークラスのモンスターしか出てこないり

彼‥‥。彼らと言うべきだろうか。

シュバルツ、シャルフルーレ。

2人でクエストに来ている。

まぁ、シャルは付き添いだけど。

ピンチになったら助けてもらうため。

なので、心置き無く闘えます。


今回のクエストはー!

下位層、村人を困らせる、害虫!

畑を荒らし、土壌をダメにする。

その名も、『ヴァノヴァル』。

体長70センチ~1メートル。

体重は20キロ程。

見た目は、ネズミとアルマジロを合わせたよ様な感じだ。

体は毛で覆われており、爪は鋭い。

村人も、下手をすると死にかねない。

なので、冒険者ギルドに依頼をしている。

まぁ、鉄の鎧さえあれば守れる。


今回は村ではなく、森なのである。

理由としては、最近森に住み着いてしまった、奴らが村へ出てきては荒らす。

これを繰り返している。

なので、住み着いてる根元から叩く。

これが今回の依頼。


2人はまず、依頼主の元へ行く。

村人から話を聞く。

そして、情報を集めて戦いに望む。


彼らは依頼主に会っていた。


「どうも。冒険者様。ようこそ我が村へ。ささ、お疲れでありましょうから、どうぞ中へ。」

村の入口で1人の老人が迎えてくれた。

彼が依頼主の村長である。

とたとたと家に入り、椅子に座る。

シャルは長距離移動に長けている。シュバルツはどかっと座っている。

そこは、冒険者の経験の差であろう。

シュバルツは背筋を伸ばし、真っ直ぐな瞳で依頼主を見る。

「ど、どうも。冒険者のシュバルツです。」

「同じく、冒険者のシャルです。」

シャルはあくまでも付き添い。

メインはシュバルツだ。

彼は手を組み、机の上へ置いた。

見た目はまるで、商談をしに来た商人のようであった。

「どのような被害が出てますか?状況を教えてください。」


彼は淡々と話を進める。

しかし、彼の内心は冷やりとしている。

事前にシャルの簡単な講習を受けている。

段取りはバッチリ‥‥。

けれども、言葉は自分で伝えなきゃならない。

焦りが出るも、顔に出ない。

スキルの1つ、ポーカーフェイスが発動してるのだ。

それだけには留まらない。

ポジティブスキルの交渉、冷静、コミュニケーションが発動。

その反面、バットスキルも発動している。

高飛車、あがり症。

まぁ、2つとも冷静でカバーしてる所もあれば、己でカバーしてる所もある。


長老のしわくちゃの口元から、声が出る。

「や、奴らは、私たちが作ったものを食っては土を荒らし、食っては土を荒らしを繰り返してる。西の方から出てきてるわい。」

「その時の対処は?」

「するわけがなかろう。死にかねない。無駄死にはいかんよ。」

そう言って、長老は窓の外を見る。

その瞳は、悲愴に包まれているもの、まっすぐな目であった。

シュバルツは、意図を汲み取ったのか、言葉を紡ぐ。

「分かりました。では、行ってまいります。」


彼と彼女は椅子から立ち、家の外に出る。

西の森の入口へと歩みを進める。

「ねー。シャル。ヴァノヴァルの弱点知ってるか?」

「弱点?んー。まずは、鼻。次に、脇。これは、ヴノヴァルだけの弱点だけど、ケツ。」

ケツ?!聞いたことないぞ?!ケツ?!可愛いシャルが言っていいのか?まさか、聞いた俺が間違ってるのか?!

鼻、脇はゲーム内の弱点と一致する。

しかし、そんな弱点あったんだな。

やはり、ゲームと現実じゃ違うか。

「ケツって全面?」

「そーね。ケツはケツよ。」

「まぁ、狙うんだったらケツってこと?」

「そうよ。奴らはノロイ。だから、大丈夫よ。」

「りょーかい。」

なんだか、ケツしか弱点がないみたいだぞ?

いくつかの畑、家を越える。

そこには、はしゃぎ遊び回ってる子供たちや、農作業をしてる大人達。

平穏に見える村。笑顔が絶えない村。

しかし、その裏には苦労が山ほどあるのだろう。

「平穏に見えるな。」シュバルツがボヤく。

「ねー。ほんとにいるの?って感じだよね。」

シャルが少しクスッと笑う。

「この村の人達は苦労もしてるんだな。」

「私たち冒険者と違うけど、人々は苦労するもの。私だって苦労することはあるんだよ?」

「うそつけー」

「なにー?私を疑ってるの?」

シャルが怒ったふりをする。

「ごめんてば、ごめん。」

オドつきながら、謝る。

「可愛いからゆるす!」

「なんだよー。それー。」

くだらない会話をし、楽しんでいる。

彼女は彼の顔を覗いたり、後ろで手を組んで、ぴょこっと彼の通り道に立ったりする。

走行しているうちに、村の西側の森の入口に差し掛かる。

「ここか。あの、じぃーさんの言ってた場所は。」

「そうね。気をはっていくよ。」

2人の目付きは、視線で何かを殺めそうなキリッとした眼差しに変わっていた。

カサカサと音がする。いくつかの音がする。

近ずいて見ると、奴らはいた。

群れを為している。

その中に、2匹違う色のがいる。

黒と白。白と言っても、白い模様であるが。

「あれがヴノヴァル。黒のがボス。白のは‥‥。亜種ね。珍しい。」

「亜種はそうそういねぇーのか?」

「そうだね。そうそういるもんじゃない。」

草むらの隙間から覗き込んでいる。

数は10匹、ボスは1メートル弱。と、シャルがしゅはシュバルツに伝える。

「叩くよ。準備は出来てる?」シャルが腰につけている、大剣を取り出す。

シュバルツも、おうと返事をし剣を抜く。

「私の合図で、飛び出して片っ端からね。爪が顔に当たらないように気おつけて。危険になったら助ける。」

これは気が抜けない。女の子に守ってもらうなんて。

いや、待てよ。怪力だぞ?余計、きがぬけないじゃないか。

「いち、にの‥‥。さ‥‥。待って!」

彼が1歩目を踏み出そうと瞬間、彼女の指示が飛んだ。

「何か来る。大きいのが。」

「大きいの?」

彼女は何かを察知したのか、奥の茂みをみる。

その瞳を見ると、先程の緊張感が倍になってしまう。

すると奥の茂みから、ドス黒い塊が出てきた。ヴァノヴァルにしては、一回り大きい。

「なんで?!こんな所にいるの?!」

彼女は目を見開き、声を漏らす。

「なんだ?ありゃ。でかいぞ?」

彼は状況を把握するので手一杯だ。

「いるはずないのに。あれは‥‥。あれは‥‥。ヴァノーギアルト!!」


ヴァノーギアルト。

彼は名前を聞いた瞬間、目を見開く。

名前はヴァノヴァルと少し似ているが、全く別物。

奴は下位層では無い。中位層である。中の上と言ったところか。

いま、2人がいるのは、下位層しか出ない森。

だからこそ、近くに農村があるのだが。

しかし、中位層が下位層の森にいる。


奴はヴァノヴァルの前に来ると、ヴァノーギアルトは叫んだ。

うぉぉぉっと野太く低く唸る鳴き声が、体の芯まで響いてくる。

それに、反応したヴァノヴァルが、雄叫びかえす。

「まさか。取り込んだの?!ヴァノヴァルの群れ‥‥を‥‥。」

「まさかと思ったが‥‥。また、厄介事が増えたなー。」

彼は、奴らのことは多分、シャルよりも知ってる。

しかし、中位層のモンスターが下位層のモンスターを従えることは少なくはない。

それには条件がある。

進化‥‥。いわゆる、下位層のモンスターが中位層のモンスターに脱皮やサナギになることで、ランクアップする。

それか、特殊交配。たまたま、下位層と中位層が子を産み、育てること。


しかし、奴らには進化も、子を産むこともない。

これは、あってはならない、従え。

「これは‥‥。まずいんじゃねぇーか?」

「そうね。シュバルツの言うとうり。」

「ここで殺らないと、村が潰れるな。」

「そう。でも、私たちじゃ戦力として足りるかどうか。私だって、中位層は倒せるけど、ヴァノーギアルト奴とはやったことが無い。」

彼女は不安ながらも、好奇心を抑えられない。

瞳が言っていた。輝いて見えたのだ。

「よっしゃ。やってやるぜ。初任務にしちゃー、大きいけどよ!」

シュバルツが気合いを入れる。

2人は剣を握り直して、強く持つ。

そして、茂みから飛び出した。

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最強プロゲーマーが異世界を攻略するみたいです。 狭雲 まくも @semakumomakumo

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