第4話 あなたに逢えて

 そして、やっと。見つけたんだ。今一番愛しているのは「児導隔 悠樹くん、あなたです」。こうして私は私の「一番」をみつけた。愛してるわ。毎朝あなたのためにお弁当を作ってあげる。毎日あなたに最高の笑顔をあげる。あなたも私に優しくしてくれて、助けてくれて。私もあなたを癒して、悩みを聞いてあげて。こういう愛のキャッチボールは大事なんだって思ったよ。どちらか一人だけが与えるだけでも、受け取るだけでもダメなんだって。もしもそんな関係になってしまっているなら、きっとそれはとても不完全な関係。だってね、一方的に与え続けていたらいつか枯れてしまうし、一方的に受け取り続けるだけなら愛はおろか感謝の気持ちさえ育たないから。


 私はちょっぴり不器用だから、いきなり大人数の人と、悠樹くんと同じようなキャッチボールなんてできっこない。今はまだ、彼とのやり取りが精いっぱいな私だけど、悠樹くんの大切にしている_ そう、例えば悠樹君の家族や友達ならきっと、私もいつかちょっとずつ大切に思える日が来るのかもしれない。だって、彼はいままでの人達とは違うもの。ちゃんと私を見てくれる、一人の人として尊重してくれる。背伸びはしないけど、ちょっとずつこの想いを抱く人の数を、この環を広げていって、いつかこの世界全てを美しさで包みたいな。


 「もう二度と、誰一人として欲望のゴミ箱にならないように。」



 そうだ。今度悠樹くんのご家族がどんな人か知るために、おうちに訪ねてみようかな?

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純の華、空虚の天 misâke=jui=Hiyori @Jui_Hiyori_ryuuka

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