愛しい彼氏と

 小さな可愛い小鳥さん。

 いつも私の側に居てくれる。

 今日も私の角の上、可愛い声で歌ってる。


 ある日、何時ものように小鳥さんと歩いていると、急に小鳥さんが飛び立った。


「どうしたの? 何かあったの?」


 あいにく私は目が悪い。

 小鳥さんは、風下の遠くの茂みに飛んでいく。

 嫌な予感がする。


 あいにく私は耳が良い。

 嫌な音がした、仲間たちを殺した音だ。

 私は、音がした場所に走り出した。


 もう少し、もう少し、小鳥さん無事で居て。

 私の目でも、見えてきた。

 あいつらだ、火を吹く棒で仲間たちを殺した人間どもがいる。


 許さない! 許さない! 

 私は角を振るい、あいつらの中に飛び込んでいく。

 許さない! 許さない!

 角を突き立て、体当たりを食らわせ、あいつらを蹴散らす。


 火を吹く棒を投げ出して、あいつらは、嫌な臭いを吐き出す四角いモノに乗って逃げだした。

 私は、何度か角を突き立てたが、逃がしてしまった。


 あぁ、小鳥さん、どこにいるの? 

 私は、あいつらの居た茂みを探し回り、ぐったりと地面に倒れている小鳥さんを見つけた。


「小鳥さん! 小鳥さん! 起きて! お願い目を開けて!」


 涙を流しながら、鼻先で小鳥さんの体を懸命に押す。

 小鳥さんは、小さく体を震わせ立ち上がると、小さく羽ばたいて見せる。


 羽根が少し傷ついて、血がにじんでいる、人間どもの火が当たったんだろう、それでも大丈夫だと言うように。


 勇敢で可愛い小鳥さん。

 いつも私の側に居てくれる。

 高くは飛べなくなったけど、今日も私の角の上、可愛い声で歌ってる。

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さいわいなことり 大福がちゃ丸。 @gatyamaru

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