さいわいなことり

大福がちゃ丸。

愛しい彼女

 今日も天気が良い、朝日がまぶしい。

 今日も僕は大好きな彼女のもとへと急ぐ。


 小さな可愛らしいつぶらな瞳、口は少し大きめだけどそれは愛嬌がある範囲だよね。

 何時も居る、キラキラと光る池の水辺で、彼女を見つけた。


「おはよう!」

 僕は元気よく挨拶をする。

 彼女は、少し目を細めうれしそうな笑顔を見せてくれる、優しい笑顔に癒される。

 いつもは、大勢いるのに今日は二人きりだ。


 いつものように、ゆっくりとした時間の中で彼女と過ごせると思っていた。


 ソイツは急に現れた。

 水しぶきを上げ、水音を立て、鎧のような鱗で覆われた体をくねらせ、鋭い牙が並んだ大口を開け、彼女を襲ってきた。


「危ない!」

 僕が叫んで、飛び上がる! 彼女も気配を察して後ろに逃げる、それでもソイツは大口を開けて襲ってくる、よほど腹が減っているんだろうか。


 彼女を守らないと! 僕はソイツの大きな頭に飛び掛かる。

 僕みたいな小さな体じゃ、体当たりしても何ともなさそうだが、まとわりつく僕を、うるさそうに頭を振って追い払おうとしている。


 何度目かの体当たりで、ソイツの目に僕の体が当たった。

 よほど痛かったのか、大暴れしながら水の中に潜っていく。

 やった! なんとか追い払ったぞ。

 彼女は無事かな? 周りを見渡すと、少し離れたところでこちらを見ている、彼女を見つけた。

 僕は彼女のところに飛んでいく。


「あぁ、よかった、怪我はない? 悪い奴は追い払ったよ」

 僕の言葉は、彼女にはわからない。

「ありがとう小鳥さん、守ってくれたのね、でも、あまり危ないことはしないでね」

 彼女の言葉は、僕にはわからない。


 彼女は、いつものように僕の小さな体を、可愛らしい小さな角のある鼻の上に乗せ、大きな体をゆらし、ゆったりと歩き出した。

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