さいわいなことり
大福がちゃ丸。
愛しい彼女
今日も天気が良い、朝日がまぶしい。
今日も僕は大好きな彼女のもとへと急ぐ。
小さな可愛らしいつぶらな瞳、口は少し大きめだけどそれは愛嬌がある範囲だよね。
何時も居る、キラキラと光る池の水辺で、彼女を見つけた。
「おはよう!」
僕は元気よく挨拶をする。
彼女は、少し目を細めうれしそうな笑顔を見せてくれる、優しい笑顔に癒される。
いつもは、大勢いるのに今日は二人きりだ。
いつものように、ゆっくりとした時間の中で彼女と過ごせると思っていた。
ソイツは急に現れた。
水しぶきを上げ、水音を立て、鎧のような鱗で覆われた体をくねらせ、鋭い牙が並んだ大口を開け、彼女を襲ってきた。
「危ない!」
僕が叫んで、飛び上がる! 彼女も気配を察して後ろに逃げる、それでもソイツは大口を開けて襲ってくる、よほど腹が減っているんだろうか。
彼女を守らないと! 僕はソイツの大きな頭に飛び掛かる。
僕みたいな小さな体じゃ、体当たりしても何ともなさそうだが、まとわりつく僕を、うるさそうに頭を振って追い払おうとしている。
何度目かの体当たりで、ソイツの目に僕の体が当たった。
よほど痛かったのか、大暴れしながら水の中に潜っていく。
やった! なんとか追い払ったぞ。
彼女は無事かな? 周りを見渡すと、少し離れたところでこちらを見ている、彼女を見つけた。
僕は彼女のところに飛んでいく。
「あぁ、よかった、怪我はない? 悪い奴は追い払ったよ」
僕の言葉は、彼女にはわからない。
「ありがとう小鳥さん、守ってくれたのね、でも、あまり危ないことはしないでね」
彼女の言葉は、僕にはわからない。
彼女は、いつものように僕の小さな体を、可愛らしい小さな角のある鼻の上に乗せ、大きな体をゆらし、ゆったりと歩き出した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます