書く人にとっては、「さいわいなことり」のおっちゃんの言葉は、この上なく甘美に聞こえるでしょう。しかし、それに対する主人公の選択とその後に続く言葉は、ただただ胸が熱くなりました。言って欲しいことを、あるいはうまく言葉に出来なかった思いを、言ってくれた主人公に、拍手喝采でした。
コンテスト落選に落ち込む主人公の前に突然現れた、謎のおっさん鳥。願い事を叶えてくれるそうですが……おっさんですが、なんか可愛い鳥が登場。意外な行動に出る主人公もまた面白い。ワイワイした愉快なテンポで進む物語ですが、後半にかけては胸が熱くなってきます。――だから夢は美しい。名言ですね。さぁ、私も頑張ろう! そう、エネルギーが貰える、清々しい短編です。