第11話 エピローグ

エピローグ


2年後。

病院。

出入り口から

スーツ姿のパー。

パーと手を繋いで、3歳になったシー。

そしてミー。

ミーの腕の中には赤ん坊がいた。


その4人を捉える、怪しく冷たい眼光が2つ。

初老の老人。

片手にはハンドバック。

中にナイフが忍ばせてある。


「……殺せ。……殺せ。」


頭の中で誰かが囁く。若い男の声。体の自由も奪われていた。


「……殺せ。……殺せ。」


バックの中に手を入れる。


4人と老人の距離はどんどん縮まる。


と、赤子の目が開く。

赤子の瞳は老人を捉える。

老人と赤子は目が合う。

赤子の目が怪しく光る。


「はうあ。」


老人から霧のような、煙のようななにかが出て行った。


「あ、今笑った!」


「いくらなんでも早過ぎるよ。まだ1週間だよ?眩しがってるんだよ。」


「いや、間違いない。絶対笑った。みたもん。」


「はいはい。」


「パパー、ママー。お腹すいたー。」


fin

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妻が二重人格になった結果 泉奈式 @izuminashiki

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