第9話 ハァイ ジョーシィ?


※ジョージじゃないです。



5日間も気を失っていて生きるか死ぬかの瀬戸際にいた僕。

というか、夢の世界で死んだはずでは?

あの時は必死すぎてよく覚えていないが、死んだらまずかったような気がする。


ともかく、生きてるだけでありがたい。

ありがとうオリゴ糖。

僕は夕食を食べた(←ココ重要)後、いつの間にか休日ごと過ぎ去っていった1週間分の学校の復習をしようとしていた。という訳でメアにどこまで進んだのか聞いてみる。


「メア、僕が寝ている間なにした?」


「え、は、はぁ?!な、何言ってんのよ!」


「え?いや、どこまでしたのか教えてよ」


「どこまでなんて言えない…」


うーむ、よく分からん。

しかし、勉強だけは真面目にやってきた僕からしたら復習は絶対やらなければ気が済まない。どんな理由があろうとも意地でも教えてもらう!


「どこまでしたか教えろ」


「な、何もしてないわ…!」


「嘘だね。」


「どうして分かるのよ!」


「正直に答えてくれ、僕だってしたいんだ」


「んなっ!あ、あんた…!」


急に顔を真っ赤にするメア。

身体を守るようにして手をまわし、モジモジしている。

そんなに教えたくないものか?

とにかく教えてくれ、


「勉強どこまで進んだか教えてくれ!」


「ね、寝顔をその見てただけでキスは…!」


「え?」


「は?」


固まるメア。どうやらメアは何かと勘違いしていたらしい。その勘違いとやらはもしかしてアッチの方向の。というか…


「…ラブコメ?」


「ああああぁぁぁああもう!コメディなんて要らないのよ!」


と、メアが僕の台詞をかき消すように叫んだ。その後、部屋の天井を見上げ


「ばか作者ぁ!!」


バリバリドーン!


その瞬間天井がぶち抜かれ、




幼女が落ちてきた。




「くふぅ…!」


その幼女に潰されてうめき声を出すメア。

小学校低学年という見た目でブカブカの白い体操着を着ている。しかも銀髪の美少女。ロリコンの脳内から出てきたような完璧完全無欠のロリ。しかし、手には何故か赤いマーカーペン。


「あっ」


幼女と目が合う。

すると幼女は髪をたなびかせてこちらに向き直り、赤いマーカーで僕を指して


「他に言うことあるでしょ!」


って言ってきた。既視感デジャヴ


「うぐぐ…。空から美少女が落ちてくるこの王道ラブコメ的展開…。リム先ぱくふぅ!」


「よっと」


わざわざ両足で飛び降りる幼女もといリム先輩。厄介なヤツが増えたってことか。


「む、厄介なヤツとは失礼じゃの」


「思考を読むな」


パカンッ


「痛った!何すんだよ!」


コイツ、マーカーで思いっきり殴ってきやがった!


「敬語を使えぃ、敬語を」


「いや、どう見ても年下…痛った!」


「人を見た目で判断するなといわれたろうに」


「…へい、そーすっね」


うーん、合法ロリ宣言。これはかなり歳いってる流れだな。何百、いや、何千歳とか。


「外れじゃ」


「え、まさか本当にロリ…」


「42歳だばかもの!」


「えぇ…。じゃあなんでそんな口調がおばあちゃんなんですか?」


「キャラ作りじゃ!」


「( ゚д゚)ハッ!ちょっと!私を置いて話を進めないでください先輩!」


ぐったりしていたメアが起きた。

先輩って言われてるし、合法ロリだし、やっぱりコイツも夢の世界の住人なんだな。それよりも僕はメアの歳が気になる。幼女の見た目でアラフォーなのだから…


「メアは何歳なの?」


「絶対ババアって思ったでしょ!見た目どうり17歳よ!」


「高一で17歳はババアじゃね」


「もうバカ!先輩も、遅いですよ!」


「いやぁ、すまんすまん」


「んん!えー、こちらがリム先輩です!私の上司に当たる人かな?怒らせると怖いから気を付けてね」


「ん?何か言ったかのぅ?」


「さ、さぁ、先輩!本題に入ってください!」


「むぅ、そうじゃったな…。うむ。



――――覚悟は良いかの」


そう切り出したリム先輩はほわほわした表情を変え、真剣に向き直った。


「わしらは夢の国からの使者じゃ。そしてお主はわしらの世界を救った勇者候補じゃ。」


「勇者候補?」


「いいから黙ってきけい!続きを話すぞい。わしらは大勢の候補者に試練を与えてきた。歳が若くて記憶喪失した期間がある男を対象にな。その中で力を顕現せし者が幾人か出てきてしもうたのじゃ。わしらは勇者のみが使えると思っていたのじゃがな?ポンポン出てきおっての?サルも力を使い始める始末じゃ。もういっそ夢の世界へ連れていこうかと思うて、でも人手が足りんくて…」


「先輩、愚痴になってますよ」


「ありゃ、すまんの。ま、つまりお主は夢の世界を救ったかもしれない皇女様のお婿候補じゃな。」


「飛躍しすぎでしょ!」


「その勇者様に惚れちゃったのよ。皇女様は」


「なんだそれ、それなら試練とか必要なくない?皇女様が直接確認すればいいじゃん」


「………」


「………」


「え、なに」


不味い事でも言った?というか僕だけ特別って訳じゃなかったのか。少し残念だけど、平穏がいいよな。きっと、僕でもサルでもない。美少年がサッとあらわれて幸せになるんだろう。というかその力を使えるサルはもしかして



※ジョージです

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短編 夢オチ リッキー @cronec

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