第2話 浮気をする男と極力浮気しない男
ある男の話。
18歳で出会ってから14年間同じ女を愛した。と彼は言った。
彼は、女に飽きるという感覚が分からないって言うの。彼は、高校時代にあるスポーツに出会い熱中して、高校卒業と同時に10年間、現役で選手をしていた人。直観の鋭い彼は、自分がハマるものを見つけるのも上手い。見つけたら、その楽しさを自分の中で見出して、ひたすら努力して極める人なの。
私は、彼に愛されているという稀有で尊い幸せを蔑ろにしていたの。彼の優しさと愛を当たり前のように思ってしまっていた。
こんなにいい男からの寵愛を受けている私は特別だ。なんて思う私は、思い上がっている。自分が心に決めた女を一心不乱に情熱的に愛せる彼が、格別なのに。
私が彼の浮気や嘘を疑わないのは、私には、余裕と自信があるからではない。彼は、私が不安や嫉妬に駆られるのが嫌だからそうさせないよう最善の努力をしているのだ。合コンや女性との出会いの場には、行かない。男友達と飲んでいる時は、私に電話してくれる。そもそも私達は、Barで出会って、彼は、即座に猛アタックしてきた男。彼は、決して草食男子ではない。
世の中には、浮気をする男と極力しない男がいる。浮気をしない。と断言するのは止めておくわ。極力浮気をしない男は、自分で浮気をしないと心に誓っている。だから自分の誓いを破らないの。相手がどうというより、自分の決意の問題。これが大半。
それに加えて、自分の女を唯一無二だと感じていて、失いたくない!俺の人生にこいつは必要だ!って思っている限り男は、浮気なんてしないもの。「極力」ね。
浮気は、バレなければいい。なんて言う人がいるけれど、お天道様は、騙せない。お天道様って自分のことよ。都合の良いように解釈して、自分が相手を裏切っていると、相手も同じような仕打ちをしているって錯覚するものなの。
自分を騙すのは、無理。だから誤魔化す。
大人ぶって、浮気は、バレないようにしてよ。なんて言う人がいるけれど、それ以前に、相手の浮気に全く気づかないような鈍い人は、あまり魅力がないんじゃないかしら。
対極ロマン @kodachinohanepen
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