第2話 懐かしい街とおにぎりの味

「ん・・・」

目覚めるとそこは畑の多い田舎?だった。

車に揺られいつしか心地よくなり寝ていたみたいだ。

田舎といってもここは東京。神奈川県との県境に位置する『町田市』は元々は神奈川県の街だった。

自由民権運動が活発化すると同時に活発化を抑えるため明治政府は多摩地域を東京都として編入した。今でも自由民権資料館など、活発だったころの残りが多く残っている。

「久しぶりだな。ここに来るのも」

なぜ俺がこの町田に来たのかというと祖母がこの町に住んでいるというのが一番の理由。もっと詳しくいくと祖母に手伝いを頼まれたため父親とともに向かっていた。

「にしても手伝いって何なの?」

運転している父親に後ろから話しかける。

「ん?あぁ。なんかおじいちゃんの遺品を整理してほしいみたいだよ」

祖父は去年亡くなった。急性心不全だと俺は聞いている。

「そっかー。整理...ねえ」

俺は表面上は納得し、詮索は避けた。

 それからしばらく車に揺られていると、ウィンカーを切り交番の近くのコンビニの駐車場に進入する。バックで駐車するとエンジンを切り後ろを振り返る。

「なんか買っていくか」

その言葉を聞くや否や俺はシートベルトを外しながら答える。

「うん!」

 買い物をすまし、また車に乗り込むと手早くビニール袋からおにぎりとお茶を取り出し助手席にビニール袋を置く。そしてシートベルトを付けレッツゴー。

「うん。おいしいな」

いつも食べるおにぎりの味は変わりなく、とてもおいしい。

このころの俺はとても吞気だった。この後の片づけがどのぐらい大変なのかも知らずに・・・

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夜もすがら君想ふ 皐月泰汰 @yamadakanata

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