第2話
中学校までは地元の仲間が多かった。小学校も同じような子ばっかりで安心した。私の学校は小規模だったこともあり、学年に話したことのない人などいなかった。私は学年でも明るいタイプで行事などにも積極的に参加していた。楽しかった。目立つことも率先してやっていたし、今思えば私は相当な目立ちたがりやだ。とても充実してたと思う。
だから思いもしなかった。
高校で自分が人見知りだと気づくなんて…。
周りに知り合いは誰一人いなかった。自分から話しかけに行かなければ誰も話してくれない。友達を作ることがこんなに大変だとは思わなかった。
「自分が思っているほど他人は自分のことを気にしていない」
そんなことは分かっていた。でも、どうしても気になってしまう。自分のことを何か言っているんじゃないかと考えてしまう。そんなはずないのに。
そうして悩まなくていいことで悩んで、答えもないのに答えを出して安心しようとしている。答えが見つからないものだからやがてストレスを溜めてしまう。きっとそれが五月病に繋がってしまうのかなと思った。
私だけがつまらないことで悩んでいるのかと思ったら、そうでは無かった。同じような理由で悩んでいる人はたくさんいた。みんな口に出さず、顔に出さないようにしているだけだった。
「自分だけが悲劇のヒロインではない」
みんな、どんな理由にしろ苦しさや悩み、悲しみを抱えている。でもそれを必死に隠している。隠して隠して隠して、今日も一生懸命生きているんじゃないか。そんな頑張ってる自分に気づいてほしいし、そんな自分を助けてほしいと思っている。
だから人間は仲間を見つけると安心する。共感されると心を許したくなるのはそのせいだと思う。人はいつだって一人じゃないことを願い、探している。
高校生のワタシ~1日1日過ぎていく~ @sadana
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。高校生のワタシ~1日1日過ぎていく~の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます