あかりとマリン

勝利だギューちゃん

第1話

私は星が好きです。

星を見ていると、自分がちっぽけに見えてきます。

・・・て、ありがちですね・・・


でも、夜空にはたくさんの星があります。

その数は、銀河系だけで2000億はあると聞きます。

宇宙全体となると、いくつになるのか・・・

これはもう、はてしないですね・・・


夜空を見るたびに、思います。

もう、みなさん一度は考えた事があると思いますが、

「宇宙人はいるのか?」

ということです。


いろいろな意見がありますが、私は宇宙人の存在は信じています。

でも、地球人と接触することは、未来永劫ないでしょう。

私はそう、思います。


でも、考え方なんて、時代によって変わります。

いつの時代も、人と違った考え方をしていると、孤立するものです。


しかしある日、それを覆す事件が起きました。


さすがに眠くなったので、電気を消して床に入った時、

まばゆい光と共に、ドーンという大きな音がしました。


びっくりして飛び起きました。


あわてて部屋の窓を開けて、下を見ると、庭に大きな穴が開いていて、

その中には、丸い乗り物のような物がありました。


すぐに庭に出て、その丸い物を観察しました。

「何これ?乗り物なの?」

まるで、漫画のような出来事が起こりました。


丸いものを、探っているとボタンみたいな物がありました。

恐る恐る押してみると、ドアらしき物が開きました。


中には、見た事もない生物が乗っていました。

いえ、見た事はあります。

「なにこれ・・・イルカ・・・みたい・・・」

中にいた生物はイルカにそっくりでした。

いえ、正確にはイルカが進化したみたいな感じでした。

でも、イルカにしては小さい・・・50センチくらいでしょうか?

でも、幸い怪我はしていないみたいです。


私は、そのイルカみたいな生物を自分の部屋に抱えて運びました。

自分のベットに寝かせ、その生物をまじまじと見ました。

「不思議だな・・・」


しばらくすると、その生物が目を覚ましました。

「はじめまして。私はあかり。あなたはだれ?どこから来たの」

といかけても、その生物はキョトンとしています。


考えてみたら当たり前ですね。地球の言葉が通じるはずありません。

しばらくすると、その生物は手、というかヒレを私の頭に当てました。


「な・・・なんなの・・・」

驚いている私に、その生物は声をかけてきました。


「これで、この星の言葉は全部覚えました」

「あなた、言葉がわかるの?」

きょとんとしている私に、その生物は続けます。


「あかりさんでしたね。はじめまして、僕はマリンです。」

「マリン・・・くん・・・」

「僕はドルフィン星からやってきました。」

「ドルフィン星?」

驚いている私に、マリンくんは続けます。


「僕たちの星は、この星、地球でしたね。猿が進化したみたいですが、

僕たちの星は、この星でいうイルカが進化したのです。」

「イルカが・・・」

宇宙は広い・・・しみじみそう思います。


「この星にも、イルカがいるというのは、ドルフィン星の科学では調査済みです。

この星で、イルカがどういう生活をしているのかを調査するために、

僕は派遣されて来たのです」

「そうなんだ・・・」

マリンくんの告白に、私はうなずくしかありませんでした。


「あかりさん」

「はい」

「ご迷惑なのはわかっています。この星のイルカについて教えていただけますか?」

「うん、よくわからないけど、私でよければ協力するよ。とりあえずは、ここにいなよ」

「ありがとうございます。あかりさん」

「あかりでいいよ。それと、ため口でいいからね」

「ありがとう。あかり」


こうして、私とマリンくんの生活が始まりました。

マリンくんには、イルカだけでなく、この星のことを、

たくさん教えてあげようと思います。


私のマリンくんの、地球とドルフィン星との友好の懸け橋として・・・

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あかりとマリン 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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