勝利だギューちゃん

第1話

父が他界した・・・

もう5年も前になる・・・

「いなくなってからの方が、存在が大きくなる」

よくある話だ。

父もその一人でした。


父が他界してから、いろいろあった。

一番は家のリフォームだろう・・・


そんなある日、家の呼び鈴が鳴った。

ドアを開けると、そこには他界したはずの父がいた。

俺は、茫然とした。


父は開口一番

「近くまで来たので、風呂に入りに来た」と言った。

そして、風呂を沸かした。


風呂も変えたのだが、向こうから見ていたのか・・・

沸かし方を知っていた。


そして、30分ほど湯船につかった後、

「俺がいない間に、いろいろ変わったな」

「また来るからな・・・」といい帰ろうとした。


俺は父に、言わなければならないことがあったので、

それを伝えようとした。


すると父は、

「お前はまだ、こっちに来てはいけない」といい、

雲の上と帰って行った。


父の最後の事は、「(お母さんを)頼む・・・」だった・・・

決して孝行息子ではなかったが、父のその言葉は守っている。

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勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu

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