火花を刹那散らせ

作者 秘句推(ぴくすぃ)

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★★★ Excellent!!!

包丁鍛冶の父とそれを店で売る子が言葉を交わす、ひとときを映したショートストーリー。
会話で表わされるのは刀ではなく包丁やハサミを打つお父さんの信条と、それを受けたお子さんの心情ですが……これで1477字ですか!? 濃密なんですよ、それはもう驚くほどに!

お子さんに刀を打たないのかと訊かれたお父さんの答には、読んでいるこちらの背中が伸びちゃうくらいの強い思いがあって、お父さんを誰より尊敬して、愛しているからこそのお子さんの思いがあって。正直、オチには震えましたね。

それは、これだけの文量にきっちり説明まで交えてドラマを成立させられる構成力があってこそ。著者さんは大阪の刃物屋さんで取材されたとのことですが、その成果がリアルの重みをしっかり作品に与えられているのもすばらしい!

読み手の方はもちろんですが、ぜひとも書き手の方に読んでいただきたいです!

(夏はサクサク! 短い4選!/文=髙橋 剛)

★★★ Excellent!!!

現代ではほとんど使われなくなった日本刀。それに変わるものとして作られているのが包丁なのだろう。

日本刀を作らずに包丁を作り続ける父親の背中にはひとすじの信念があった。その信念はこの先もずっと、曲がることも錆びることもなく受け継がれていくのだろう。少なくともその話を聞く娘の胸には残り続けるだろう。

こんな信念が垣間見えるからこそ、職人さんてカッコイイと思ってしまうのかもしれない。