彼が電車に乗る前に。
@hiiragi3737
彼が電車に乗る前に。
今日、彼がこの町からいなくなる。
私にいつも優しくしてくれた彼。
私はいつの間にか彼を好きになっていた。
彼がいなくなると知って私はおかしくなりそうだった…。
確かにここは田舎だけどいい所だってたくさんある。
彼はここが嫌いになってしまったの?
私をおいていってしまうの?
酷いよ…。
私はたくさん泣いた。
泣いて泣いて…。私は思った。
彼に伝えたい。この気持ちだけでも。
電車が発車するまであと5分。
彼のいる駅についた。
彼以外誰もいない無人駅。
セミの鳴き声だけが聞こえる。
私は声をかける。
「あの…お見送りにきました」
彼は優しく微笑む。
「今日は暑いですね!良かったらこれ…
手作りドリンクです…!」
私は作ってきたドリンクを彼に渡す。
彼は嬉しそうに私から受け取るとありがとうといいドリンクを飲んだ。
「どうですか?味の方は?」
彼がちょっと苦いかな?と答える。
「なんでだか知りたいですか?」
彼の顔色が悪くなる。
「大丈夫ですか?」
彼は私をみる。
「そのドリンク…毒が入ってるんです!
悪いのはアナタですよ?
私をおいていこうとするから…」
駅のベンチに座っている彼をみる。
でも、もう彼は動かない。
「良かった…間に合って」
私と彼のいる駅に電車が来る。
「この5分は私にとって最高の時間になった!
だって彼を私のモノに出来たんだから」
私は鼻歌を歌いながら彼の頬にキスをした。
いつまでも一緒だね────。
彼が電車に乗る前に。 @hiiragi3737
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