第125話流行に乗るか

 異世界モノのライトノベルが流行ってから、もう何年も経つ。


「めちゃくちゃ流行っているけど、さすがにそろそろブームが去るだろう」

 そう何度も思ったが、未だに新作が発表され続け、そして売れている。

 一過性のブームで終わらず、ひとつのジャンルとして定着したと言っても過言ではない。


 自分でラノベを書いてみていと思っていた僕も、

「異世界モノを書きたけど、今から書いても完成する頃にはブームは去っているだろうなあ。あれ? まだ去ってないな? でも、さすがにそろそろブームが去るだろうけどさ。いや、しかし……」

 などと思って振り回されるばかりだ。


 ブームなど関係なく、自分の好きなものを書けばいいだけだというのに。


 異世界モノの前は学園ラブコメが流行っていた時期があった。

『僕は友達が少ない』や『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。』が大流行していた頃だ。

 当時のラノベも、今のラノベに負けず劣らず面白かったなあ……。


 結局、面白ければ人気が出るのだろう。


 面白いラノベが書きたいなあ。

 ……でも、どうせならブームに乗って大人気にもなりたいなあ。


 そんなヨコシマな気持ちが僕の心を支配している。

 僕は俗物だ。


 最初から人気のことなんて考えても仕方がないのに。


 とにかく、書いていて楽しいものを書くしかない。

 改めてそう思った。

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小説を書きたいと思いつつ書かない人間の独り言 Lakuha @LakuhaP

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