わたしの頭上の

空を

見上げたら

神様が

転がっていた

なるほどね

そんな感想を漏らした

神様は積乱雲に突っ込んで

反対側から出て来た

死にそうな表情だった

げらげらげらっ

それは神様の望んでいることではなかった

風は

そよそよと吹いていた

草も花も

平等に揺らしていた

見上げた空で

神様は

まだ転がっていた

ああ

でもさ………

なんだか微笑ましい光景だとは思わないか?

この星は

今日も回っている

実際にそれを見たわけではないけれど

多分そうだろう

多分この星は今日も回っているのだろう

すごいね

何しろこの星が回っていると誰ひとり知らなかった頃から

この星は回っていたらしいから

歯痒くならなかったのかな?

自分が回っているのにさ

自分が回っているのにさ

まるで自分が回っていないような素振りをしちゃってさ

って

叫びだしたくならなかったのかな?

わたしならそうしちゃうな

………ねえ

今また風が吹いたよ

この星の上で

風が吹いたんだ

それはこの詩が始まる頃に吹いて

ここまで辿り着いたんだ

そうさ

ここは地球っていう星らしいよ

今日も明日も

取り敢えずここは地球っていう星らしいよ


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マシュマロ破壊器 雨矢健太郎 @tkmdajgtma

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