湖面の雫

月白

第1話

都心から電車で3時間、そこからレンタカーに乗り継ぎ進む事2時間。寡黙でほぼ会話らしい会話をした事がない亡き祖父の別荘。

避暑地に建てられた洋館は、入って直ぐ石垣の庭だった場所があった。名も知らぬ雑草が、我が物顔で占拠している。ガーデニングが趣味の祖母が語っていた庭は、イギリス庭園風の、四季を通して花が絶えず咲く庭。今は面影すら無い。

祖父の7回目の墓参りを兼ねて、こんな僻地まで来てしまった事を礼奈はため息とともに後悔した。

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湖面の雫 月白 @SHIROSUMIRE

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