第3話 犬も固まる合体 前編

花川戸家が所有する山中にある、開けた平原。


そこが本日、犬も食わない夫婦喧嘩なロボット対決の舞台だった。


ルミナとの勝負、彼女の機体はロボット格闘技女子ヘビー級チャンピオン。

その名も、ダイナミックツイスター!!


その姿はパイロットのルミナ自身を巨大化させたような、鋼の地母神であった。


豊満な胸を、ピンク色のブラジャーに似た形のチェストガードで覆いスパッツ

を履いた姿は巨大な白人女性の格闘家、金髪の縦ロールは排熱機構だ。


コックピットの中のルミナも似たような格好である、それをこの後

拳に見られた事で事態は急変する。


ダイナミックツイスターを見た時点での拳の感想は


「・・・・乳がエロい!!」

拳はおっぱい好きだった、正座状態で待機しているサイナックル。


何故か無駄に頭、背中、胸、足と4個ある搭乗口の中で

足首にあるハッチを手動で開閉しイン。


サイナックル内にいる、丸っこい小型のアシストロボ達に私服から

パイロット装備に着替えさせられた。


取りつけられたラダーで、胸部のコクピットに向かうと自動システムで

ヘッドギアとグローブを身に着けられて機体が起動しサイナックルが立ち上がる。

「ハイテクなのかアナログか、わからないロボットだよな。」


拳が自分の機体についてぼやく、サイナックルは操縦システムはハイテクだが

搭乗手段などは手動や人力とアナログであった。


試合開始前、双方のコックピット内のスクリーンにパイロット同士の映像が映る。


試合前に選手達が挨拶と礼をするのが、ロボット格闘技のルールの一つだ。


そして、拳が見たのは豊満な胸と逞しい筋肉と言うギャップの激しい肉体を

ビーチバレーの選手のようなピンク色のビキニタイプ水着に包んだルミナの姿。


「うおっ・・・・・!!」

思春期真っ盛りの拳の下半身の一部がバンプアップし前屈みになる。


それを合図とみなし、ルミナのダイナミックツイスターがタックルを仕掛ける。

「・・・・・な!?やべえっ!!」


ドカンと音を上げて大地に押し倒されるサイナックル、ダイナミック床ドンだ。

ダイナミックツイスターに、マウントポジションを取られたサイナックル。


再び双方のコックピット内のスクリーンが展開、互いの姿が映し出される。

「拳、お覚悟は宜しくて♪」


ルミナは拳を見下ろし勝負を決める構えを見せる。


一方、ルミナを見上げる拳は彼女の山の如き立派な胸をガン見して

しまいもう頭の中身は試合どころではなかった。


拳の頭の中が「ルミナの胸に飛び込みたい!!」「彼女と愛し合いたい!!」

と言う欲望で満ちた時、拳のヘッドギアのサイキックコンバーターが輝き

サイナックルとダイナミックツイスターの隠された機能が発動した!!


・・・・・その機能とは、二機のロボットの変形合体機構である。


サイナックルとダイナミックツイスターは、アームストロング財閥の出資により

開発された機体であった。


それ故に、財閥令嬢のルミナ自身が忘れていた幼い頃の彼女の

リクエストが二つの機体には盛り込まれていた。


そのリクエストとは

「拳と一緒にロボットに乗りたい♪拳のロボットと合体するロボットが欲しい。」

である。


このリクエストは、パイロットの当人達が忘れていても花川戸博士やスタッフ達に

より開発時のコンセプトにきちんと盛り込まれていた。


拳とルミナのどちらかの、合体したいと言う強い意志が引き金となって発動する

合体機構。


拳がルミナへ抱いた情欲が、合体の意思と認識され忘れられた機能は発動した!!




  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る