魔王ドヴァリエール「……何があったのかは知らぬが、苦しいのならば吐け、ぜんぶ吐くのじゃ。そうすれば、すこしは楽になろうて」

魔王ドヴァリエール「いったい勇者の身の上に何があったのかのう？　どれ、かって全力で戦った仲じゃ。話をきいてやるとしよう」

賢者（♂）「とくべつに、選ばれた君だけにいい話があるのだ。不老不死の肉体が欲しくはないかね？　欲しいか。そうか（ニヤリ）」

魔王ドヴァリエール「魔王はもう辞めたのじゃ……いまはこうして酒場で過ごすのが日課でのう。なぬ、其方のもっている燻製。ひとつご相伴にあずかるとしよう。もぐもぐ」

魔王ドヴァリエール「いきなり剣を突きつけるとは物騒じゃな。いったい勇者の身に、なにがあったというのか……」

魔王ドヴァリエール「おお、遠慮なさらずに糸乃どのも飲まれよ。果実を漬け込んだ葡萄酒が絶品での。この店は、わらわのお気に入りなのじゃ」

魔王ドヴァリエール「なぬ？　びっち？　……それは其方らの言葉か？　どういう意味なのか教えてくねぬか？」

魔王ドヴァリエール「こんな短期間で人はこうまで荒んでしまうものなのか……。お主の身の上にいったい何があった？　わらわにいうてみい……ふむ、ふむ。……うっわ」

バティスレフィエ「いまのあたしが、本当のあたしゴキュ」

バティスレフィエ「そうだ！　カクヨム最凶の貴方の力を取り込めば勝利は疑いないものになる！『バティスレフィまわり』として生きていきましょう！」

バティスレフィエ「フロランがんばって！　あたし達の敵をとってゴキュ！」

バティスレフィエ「ありがとうございます。あたしはしんじゃったけど絶望勇者。おったのしみにぃー！　ゴキュゴキュ💖（触手でハートをつくりながら」

バティスレフィエ「『オレのいた世界にはこういう言葉がある。能ある鷹は爪を隠す。と』て、キメ顔でタカユキにいわれたゴキュ」

賢者（♂）「答えは『バ』ですね。――バトゥルフ。キプチャク・ハン国のハーンがロック鳥にさらわれた事件のことを示しているのです」

バティスレフィエ「味をしめた賢者（♂）が『バティスサツキ』という魔物の開発に着手したみたい。幸楽ってかかれたエプロンしてるけど……どういう意味なんだろう」

バティスレフィエ「おったのしみにぃー！　ゴキュゴキュ💖（触手でハートをつくりながら」

賢者（♂）「なにをいっているのですかノエル！　レフィエなら先ほどから、あなたの目の前に居るでは、ないですかァアアアアアアア！！」

賢者（♂）「愚昧なる諸王国を打倒し、我が率いる魔法帝国バティストこそが世界を征するのだ！」

賢者（♂）「究極完全魔法生命体にユーリの組織を融合ォ！フハハハハハ！！『ユーリ・バティスレフィエ』の召喚！！」

賢者（♂）「宇部も研究素材……と」

賢者（♂）「糸乃も研究素材にしてやろうかあ！」

賢者（♂）「オマエもォ……、研究素材にしてやろうかああ！」

アントワーヌ「みえる！　我がライトール帝国が世界を征する明るい未来が！」

アントワーヌ「わたしの知っているタカユキは、そんな強スキルはもってなかった……。すこし見ないうちにヤツに何があった？」

タカユキ「目の前でキスされまくって、パイセンの言葉がちっとも入ってこない！」

パイセン「タカユキさん。目の前にあるものだけが全てではない。これから貴方はそのことを知ることになる。でも、そこから目を背けてはいけない。それが勇者としての――むっ。って、ルイユ！　いま大事な事を伝えているので、あとにしてください！」

アントワーヌ「陽野さんとやら、いいこというわね。ほんとわたし以外はゲスばかりで嫌になる。タカユキが辿る先？　――地獄ね」

アントワーヌ「パイセン？　あの老いぼれ、パイセンという名なのね……許さない」

パイセン「タカユキさんは勇者としての心構えがなっていないですね。考えもなしに闇雲に異世界をしていても、成果は望むべくもない」

アントワーヌ「はっ、いやらしい目でわたしを見ている！　あんな陰キャに抱かれるくらいなら死んだ方がマシ」

アントワーヌ「タカユキぃ……このままでは……このままでは、おわらぬぞぉ」

アントワーヌ「おのれ、おのれい！　真田タカユキ！　このままで済まさぬぞ！」

アントワーヌ「ふふふ、ノコノコとわたしの城にやってくるとは……。飛んで火に入る夏の虫とはおまえらのこと。返り討ちよ。討て！　討てい！」

タカユキ「エルフ嫁とのキスなんか……う、うらやましくなんか、ぜんぜんないんだからね！」

タカユキ「ありがとうございます。天使コメに癒やされているオレがいます。次話からついに異世界リベンジで怒濤の展開がまっています。お楽しみください」

パイセン「わりと早く終わる予定なんですけどね。ほんとうは一万文字制限でしたけど、さすがにそれは無理そうです。あとで削るとして一万五千文字か、多くても二万文字以下になります。お付き合いいただき光栄です」

タカユキ「生産性あるけど可愛くないのと、生産性ないけど可愛いの。どちらをとるべきか……それが問題だ」

タカユキ「夢か……。男も女もどうしようもない生き物です。つまりは人間がどうしようもない生き物ということに……」

タカユキ「しねばいいとおもう。このときはそう思っていました」

タカユキ「当物語はストレスフリーを掲げています。次回は姫騎士アントワーヌとの再会から始まるんですが……ですが……」

パイセン「チーレムも無双もない（予定）異世界へようこそ」

パイセン「気長にお付き合いください。具体的には『縁は異なもの味なもの？』ぐらい気長に。カラーレスということは、どんな色にも染まれるということです。可能性がある。そのように考えるのです」

パイセン「人はどん底まで堕ちないと変われないない生き物です。タカユキには変わってもらいます」

パイセン「ヒロインの扱いは治水事業と心がけるが肝要かと。水の流れを変えるようにあつかうのです」

パイセン「また異世界に旅立つことになるとは……やれやれ」