結愛みりかと申します。瞬間に物語の塊が飛び込んで来て、★を捧げてしまったので、レビューを書かせて戴きました。
タイトルと物語の偶然を装ったバランスに着目。読み始めて一瞬で「え?」と駆け抜けるこの物語には短いけれど、奥深さがあります。
物語は続いて行くものばかりではありません。
奥深く続くものもあるのだな、と思った次第です。
私の好きな漫画に「短くても駆け抜ける名作があってもいい」という言葉があります。この物語にこの言葉を、思い出しました。
同時に、「転生」の良さを凝縮したような強かさを感じたのは私だけでしょうか?
ともかく、「え? もっと評価されていいのでは?」と正直に感じたので、言葉を贈らせて戴きます。この物語の奥深くを表現するに、オーディオはぴったりですね。面白かった!
短編の参考など、是非ともご覧ください。ありがとうございました。
南雲千歳(なぐも ちとせ)と申します。
僭越ながら、レビューを書かせて頂きます。
この作品のヒロインは、『最終兵器彼女』のヒロイン、或いは『風の谷のナウシカ』に登場する巨神兵のミニ版の様な、決戦兵器として作られた存在です。
容姿は年頃の少女らしいのですが、戦線に投入されるバーサーカー、単なる殺戮の徒です。
彼女は『艦これ』の艦娘とは違って、その戦闘力の強力さとコントロール不能性ゆえに、人間扱いされていません(そもそも人間では無いのですが)。
ゆえに、コントロールする側(主人公)は、時として、兵器である彼女を殺してでもコントロールを遂行し無ければなりません。
この作品においては、そんな戦いの道具として作られた少女、戦争と言う用途以外では無用の存在と、それをコントロールする側との、エッジの利いた悲哀が描かれています。
そして、彼らの至ったラスト──。
この辺りは、化物語シリーズで有名な西尾維新の『刀語』のラストなども彷彿とさせるものでしょう。
超短編の1,200字と言う制限の元では、どうしても何らかの描写を削らねばなりませんので、出会いからラストに至るまでの過程が書かれてい無いのが残念ですが、そんな哀しい出会いの結末をワンシーンで描いたと言う点で、秀逸であると感じました。
※個人的な感想としては、もっとSFチックな世界観の方が受けるのではと思いました。
作者の七咲リンドウさんの次回作に期待しております。