クリスマス
柳
第1話
カレンダーを見ると今日という日の赤丸が付いていた。12月25日は世界共通でクリスマスと言うことになっている。大多数の人が幸福を感じる日でもあった。家族でパーチ―を開いている人や恋人と乳繰り合ってる人もいる。中にはこの日を恨んでる人や寂しい思いをしている人もいてもおかしくはない。それを可哀想だとは思わん。だって、わし以上に可哀想な老人はわし意外にはいないのだから!
日に日に腰痛が酷くなるし、誰が頼んだか馬鹿でかいプレゼントなんてこの細腕で持てるわけがない。それでもわししかこの仕事は出来んのだから、文句は言わない。でも、言いたい!わしだってクリスマスを楽しみたいんじゃ!この間知り合ったトメさんと一晩の過ちを犯してみたいんじゃ!
じたばたと床で暴れていれば、相棒のトナカイが唸った。早く行くぞってことかいな。
はいはい、行きますとも。わしが行かなければ子供たちが泣いてしまうからの。そうぼやいてサンタクロースのおじさんはそりに乗った。
「さて、今日も世界に幸福と笑顔を配りにいくとしますかの。ほれトナカイよ、わしの相棒よ、今年も頑張ろうではないか」
そうサンタクロースが優しい声で言うと、トナカイは嬉しそうに駆け出して行った。
粉雪が散りばめられる夜空に、腰痛と頭痛持ちのおじいさんの笑い声が響き渡るのでした。
クリスマス 柳 @yanagi0404
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます