エピローグ

「ちょっと待ってくれ!」

 急いでその女性を引き止めた。彼女は何の用なんだろうと少し引き気味だった。

「アンタ……狩村裕也の……彼女だったんだろ……」

 だが彼女は首を傾げてもしかして人違いなんじゃないかと不安がよぎった。

「狩村……?」

 そして耳を疑うような言葉を彼女は言ったのだ。






「碇裕也じゃなくて?」






「え…………碇裕也……?」

「もしかして……碇くんの友達の……くん?」

「ああ……」

 俺は何も考える事が出来なくなった。彼女はそんな俺を見て心配そうに見つめるが、俺はそれを振り払い人混みの中に逃げるように走り出した。

 そして電化製品屋のテレビにあるニュースが映って吐き気を覚えた。








『今朝七時頃、○○○河川敷で行方不明だった碇裕也さんの遺体が発見されました』







 俺は震えながら、昨日届いたメールを覗いた。

 内容は『最期の後始末』とだけ書かれてあった。

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絶版サイト 6でなしヒーロー @nagosan

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