変わってしまう君へ

瓢箪独楽

第1話

 両親と手をつなぎ、少し大きめな制服に身を包んだ少女。


 お次は誕生日パーティー。十本のローソクが立ったケーキを前に、満面の笑み。


 お次はその制服をしっかり着こなし、左手に黒い筒を持って両親と並んで立つ。


 他にも一杯、すごく一杯の色とりどりの場面。


 振袖姿も今では懐かしいものだ。


 今しがた君は出て行った。


 あと五分後には役所に着いているだろう。


 この短い間に、何度思い出を眺められただろうか。


 畜生、さみしいなぁ


 寂しいが、娘よ


 どうかどうか幸せになってくれ。


 

 


 

 

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変わってしまう君へ 瓢箪独楽 @hyoutangoma

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