平成最後の夏。僕はマックの2階から、徒然なるままに、ひぐらし、硯に向かいて。

Rau.@良羽

暑いのに、隣のカップルはさらに熱い。

 わぁい!夏休みだ!

 うるせーよ弟×2。『なつのとも』とでも遊んでろ。まあ、あれって正確に言うと友って言うより敵なんだけどね?あれか、『強敵』って書いて『とも』って読むみたいな?何神拳だっつーの。


 夏だ!海だ!焼き肉だ!

 黙ってろよ、俺牛肉嫌いなんだよ。鶏肉以外は認めない。出来れば唐揚げ推奨。大分の唐揚げは世界一ィィィィィ!


 平成最後の夏、とかなんとか言ってるけど、俺にとっちゃそんなことはあんまり関係ない。だってたった1年またぐだけだし。どーせカウントダウンTVで『いやぁ~、平成も終わりですね~』みたいな会話があるんだろうけど。


 そんなことより、高3だよ?受験生だよ?英語で言うとpreparatory student。ドイツ語で言うとEin student。韓国語で言うと수험생。さっぱり読めねえ。


 学校なんて8月8日まであるし、宿題なんて積み重ねたら天井届きそうなくらいあるし、これ全部写さずきちんとやれとか言うぜあるじ。・・・ラップっぽくまとめてみたかったんだ。だから主って誰とか言わないそこ。


 まあ、とにかく?漢字で書くと『兎に角』?アルミラージじゃあるまいし。ついでに言うと一角獣のホーンを装備したグレムリンでもない。まずウサギなのか奴は。



 夏。英語で言うとサマー。ジャンボが当たるとさぞ嬉しいだろう。もちろんチョコモナカの方じゃない。

 俺は、意識が他界・・・もとい、高いので、最後の晩餐とばかりに遊びに出掛ける友達を尻目にマックで勉強した。できる奴だぜ自分。頑張ってるぜ自分。まあ図書館に行かない辺りどっか甘いんだろうけど。だって遠いもん。チャリで25分だよ?その点マック最高。チャリで5分の距離だし、お腹空いたら1階に降りて食料買えるし、Wi-Fiだってあるし。外国人が多いのとか、会議してる大学生とか、やたらめったらべったり密着してるカップルとかを無視すれば、それなりに快適に過ごせる。

 そんなわけで、この文章はマックのWi-Fiを拝借して書いているわけであります。もちろん隣に人はいません。べ、別に友達がいない訳じゃないんだからねっ!


 では、本題。



『平成最後の夏。僕はマックの2階から、この世の森羅万象を上から見るか、下から見るか?』


 を、お送りします。

 ・・・うん、パクリは良くないね。


『平成最後の夏。僕はマックの2階から、徒然なるままに、ひぐらし、硯に向かいて』


 を、お送りします。

 ・・・やっぱパクリじゃねえか。それに、そろそろ長文タイトルは廃れそうな予感がするんだけどな。でもなんかルビ並みに細かい字でつらつら書かれてるタイトルのラノベって手に取ってしまうから、やっぱり廃れはしないか。




 午前10時。

 2階の窓際の席に座り、コンセントを確保し、まずは持ってきたラノベに目を通す。ブックオフが近くにあるのでチキンクリスプとほぼ同じ値段で今日の本が買える。ラノベったって店員さんに表紙を見せずに渡して、その後ブックカバーかけときゃさして問題はないし。モウマンタイ!



 午前11時。

 少し眠くなってくる。昨日遅くまで起きていたわけではないが、高校生の睡眠欲を舐めてはいけない。三大欲求の中で間違いなく二指に入る。三つの項目の中の二指ってことは一位じゃないよな睡眠欲。もちろん一位は・・・い、いや違う!俺、マックに来てるから!そんな不埒な!まだ何も頼んでねえけどな。全然お腹空かない。ってことは・・・まあお察しくだされ。



 正午。

 眠たさが限界に。よし、こういうときこそヘアピンだ。長い前髪をピンで留める。男ですけどね。誰に見られるわけでもないし、まあいいか。ぶっちゃけ、ちょっと似合ってると思ってる。中性的な顔をしてるので(自称)、そこまで違和感はない(自称)。俺ガイルの戸塚くんやバカテスの木下秀吉と張れるレベ・・・痛った、ちょ、石を投げないで。すね毛濃い分際で調子乗ってすみませんでした。



 午後1時。

 まだ並んでる。降りかけてた階段を引き返す。無理。待つ気しない。降りるときはさすがにヘアピン外していった。そこら辺の分別はつきますよ?ちなみに『男子中学生勘違いファッション三種の神器』はヘアピン、伊達メガネ、ウォレットチェーンだと思う。次点は、長袖の上に半袖。ああいうのはモデルがやるから似合うの。てか、モデルは何やっても似合うの。君たちは菅田将暉じゃないんだから。わきまえようね。



 午後2時。

 やっと空いてきた1階に直行。チーズバーガーとシャカチキを注文。合計280円。勢い余ってシャカチキにチェダーチーズの粉をかける前に点線を破ってしまい、シャカれないままチキンを食べる羽目に。地味に最悪。チーズバーガーのピクルスは昔は抜いてたもらってたけど、今はむしろ必要不可欠。ピクシブが必要不可欠なのと同じようなものだろう。



 午後3時。

 週末の課題はすべて終わらせてしまった。これからは先に出されている夏期休業中の課題に取りかかることになる。でもひとまず今日のノルマは達成したことにより安心してしまう。課題だけが勉強だけじゃないけど、今まで課題を終わらせるだけだったからそれ以上の勉強なんてものがイメージできない。難しいね、受験勉強って。



 午後4時。

 youtubeで春茶さんの歌声に一目惚れする。歌い手さんは鎖那さん一筋と決めていたけど、浮気しちゃうかも。春茶さんのLap tap loveとハートアラモードめっちゃ良い。皆さんも聴いてみてください。何ならURLもここに貼りたいくらい。ちなみに男の人の歌い手さんなら断然メガテラ・ゼロさん。この人みたいな声になりたかった。かっけぇ。



 午後5時。

 窓の外を見ながら、明日からの夏期補習に思いを馳せる。マイナスイメージしか浮かばないけど。窓際の席には傾いた太陽の光が注ぎ込むため、夕方でも暑い。ついでに言うと隣に座っているカップルは熱い。ただでさえ暑いのにでれでれしてくれちゃって、熱いなもう。熱中症にでもなってしまえ。あ、でも熱中症ってゆっくり言ったら「ねぇ、チュー、しよう?」になるみたいだね。くたばれ。



 午後6時。

 さて、帰るか。




 俺は、あんまり学校では喋らない。友達が多いタイプでもない。陽キャと陰キャに大別したときには間違いなく後者だ。でも学校行事が嫌いって訳じゃないし、球技大会は真面目にやる。ガチすぎて女子からヒかれるくらいだ。ソフトボールではヘッドスライディングを決め、サッカーではキーパーを勤め横っ飛びセーブをかました。でもクラスの女の子は「キーパーあれ誰?」「さあ・・・誰だろ」とか言ってたらしい。最終的にはシュートを防ごうと前に飛び出し、地面を滑りながらボールに飛び込んだところに蹴りをくらい、あごを打撲した。次の日顔に湿布を貼って行くと不良疑惑かけられた。ケンカ、シタコトナイヨー。



 あんまり喋らないから、俺は分かってもらえてない。そりゃそうだ、みんなエスパーじゃないんだから、喋らない奴のことを分かるわけがない。

 だけど、頭の中では色々考えてるし、聞かれたら絶え間なく喋ることができる。だからこんな風にどうでも良い話をつらつらと述べることができる。


 教室の中でいつも大人しいアイツは、喋る相手がいないだけで本当は饒舌ってことを、分かってもらえれば幸いだ。





 そんなことを、今日マックの2階から、徒然なるままに、ひぐらし、硯に向かいて考えていた。



 別に、書道道具持ってる訳じゃないけどね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

平成最後の夏。僕はマックの2階から、徒然なるままに、ひぐらし、硯に向かいて。 Rau.@良羽 @Rau-rau

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ