企画書:「あなたの道を走れ、廃車寸前のバンで」
naka-motoo
ロックンロールは世界を救う
サブタイトルをご覧いただいて、素直に共感してくださる方がどれだけいらっしゃるでしょうか。
わたしは本気で「ロックンロールは世界を救う」と考えています。
そうでなければ、
『あなたの道を走れ、廃車寸前のバンで』
という音楽に賭ける熱い少女たちの小説を本気で書くことはなかったでしょう。
今の時代もロックフェスやバンド少女のアニメやSNSの世界でも様々な企画や活動が繰り広げられ、ロックは盛り上がっていると思います。大ヒットしたアニメも作曲の段階から実在のロックバンドとタイアップしたりということもあります。
そして、冷静で賢明な方はこうも言うでしょう。
「それはエンターテイメントビジネスとしての成功とセットでもある」
と。
作家でもないわたしの出る幕はないのかなと今でも怯んでいます。
けれども、わたしは『あなたの道を走れ、廃車寸前のバンで』はなにがしかわたしの力以外のものが後押ししてキャラたちも意志を持って動き出来上がったものだという思いがあります。
そして、わたしの忘れることのできないシーン。
それはわたしが子供の頃に観た、ライブエイドでのクイーンの演奏。
夕闇の中、紙コップのドリンクが並べられたピアノに向かい、ボヘミアンラプソディーのイントロを奏で始めるフレディ・マーキュリー。
あれは、「ロックンロールが世界を救う」まさしくその瞬間だったと思っています。
あれと同等の本気のロックンロールへの思いを持った少女たち。わたしの愛おしい主人公たちはエモーションという面に限れば、あの時のクイーンと同じような熱い演奏を小説の中でしてくれました。
それをなんとかお届けしたい。
そしてわたしが彼女たちに演奏させたり小説に登場させた実在のバンドたちの美しく素晴らしい楽曲の数々。
その力をも改めてお届けしたい。
そういう思いで身の程もわきまえず、恥も外聞も捨て、嘲笑や冷笑を覚悟の上で「企画書」として書き出してみます。
1 映画を作る
①実写か、アニメか、キャスティング等
女子だけのロックバンドが主人公ですから演奏のリアリティが命の映画です。現実的にはアニメでの映画作成とし、演奏はプロのバンドが担当するという形にしないとどうしても「演技」が先に立ってしまって、演奏の際の汗やシャウトが本気でなくなる可能性があります。
もし実写とするならば、ライブハウスで活動しているインディーズバンドをまるごとキャスティングしてすべて本当の演奏とするしかないでしょう。
②書籍化は?
不要です。
わたしはこの小説を実際の曲を頭の中で鳴らしながら、主人公たちが演奏するシーンを極限のクライマックスとなるように組み立て、それぞれのエピソードもごく短く、映画として成立しやすいように意図して書いていました。
6万字という字数も1時間30分の映画にしっくりくるボリュームのはずです。セリフすらそのまま脚本として使えるような具体性を持たせて書いた、つまり、主人公たちが実際に生きて動いているシーンをまるごと小説に投げ込んだという方が感覚をわかっていただけると思います。
③レーベル間の橋渡しは?
現役・解散・死亡したアーティストを含め複数のバンドの楽曲が奏でられます。けれどもどれ一つとして代わりのきかない美しく重要な楽曲ばかりです。権利関係やレーベル間の利害関係はあるでしょうけれども、そもそもロックンロールは既成概念や物事の垣根を取り払う音楽のはずです。できない、というならそれは既にわたしにとってはロックンロールではありません。
そして、もしこれらの楽曲を一同に集めてサウンドトラックを作れたなら、それはフォレスト・ガンプのサントラに勝るとも劣らない日本のロックを代表するものになると言い切ります。
2 映画を上映する
①映画館の規模
ミニシアターの方が好ましいと思います。できれば名画を上映する、オーナーや運営者が音楽や映画への深い愛情を持っているような映画館が。音響施設も大掛かりなものでなくても生に近いリアルさが伝わり「ステージ」と「客席」の近さを実現できるような。
②上映方法
ライブハウスのような臨場感を持たせられたら素晴らしいと思います。
スタンディングというわけにはいかないかもしれませんが、上映前には楽曲が取り上げられるアーティストの別の作品を流したりするなど、雰囲気を作り出せたら。
③興行の収支は成り立つのか
この部分まではわたしが責任を持って言及することはできません。
ただ、次のことはプラスの要素として述べることはできます。
・小説に楽曲が登場するアーティストはいずれもコアなファン層を持つ
わたしの独断と偏見ではないと思います。もしロックがお好きで小説をお読みいただけたとしたら十分納得していただけると思います。
・キャラの行動にリアリティがある
一応わたしは社会人です。そして主人公たちは商業高校の生徒で、実社会に出て生きていくことも踏まえて様々なイベントを用意しました。そもそも「バン」という設定が実社会をリアルに生きていく主人公たちのたくましさの象徴として据えたつもりです。
・・・・・・・・・・・・・
わたし自身書いていて、これは妄想であり中二病であり、皆様に不快な思いをさせてしまうのではないかという不安が繰り返し胸をかすめます。
それでも、わたしは小説の主人公たちの生きる姿をなんとかしてお届けしたいという気持ちを持ち続けています。
もしこの文章と『あなたの道を走れ、廃車寸前のバンで』をお読みくださり、ひとりでも「ロックンロールは世界を救う」と思ってくださる方が
いたとしたら。
それだけでも本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
企画書:「あなたの道を走れ、廃車寸前のバンで」 naka-motoo @naka-motoo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます