音を楽しみ、快く愉しむ。
ツイッターでも打っているが、私には『色』が無い。
後天性の症状らしく、保険証を発行されない私には医者にかかる金が惜しい。
白黒の世界になり、初めて見える景色がある。
『音』
視覚情報が少なくなると、耳や鼻、そして舌が敏感になる。絶対音感にはならないが、耳から入る情報の大切さが少し分かるようになった。
喧騒も交響曲も「想像できる光景」が違う。求めている景色が、想像した光景と同じだった時の感動は筆舌に尽くし難い。
今の若者は演歌や民謡、牧歌などを聞かないだろう。少し耳で選んでみても良いかもしれない……妻のように。
白黒の世界になっても変わらないモノがある。
『印字』
作者の工夫や思いが綴られた物。世界観を、人物を、そして『色』を知った。とても興味深い反面、拙いモノの多さから憤る事もある。
読み終えた時に一息つく。
思い出しながら楽しむも良し、もう一度読みたい部分を読む事も良いだろう。快い時間となる。先人の言う余韻の楽しみ方とは違うかもしれないが、私には残された貴重な時間である。
皆は、愉しんでいるだろうか。
短編集 『迹』 あるまたく @arumataku
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