(2)、百鍍(ももと)のまわり







その事実は、先程の違和感からも分かるように、嘘ではなかったようだ。

なんということだ…というより、何故?

これは…何だ?

「い゛っ…!」

引っこ抜こうとすると、壮絶な痛みが眼球から走った。痛い…

引っこ抜くのを諦め、眼帯でどうにか隠す。

誰かに見つかる前に、眼科へ行かないと…

瞬きをすると、痛い。蕾がきっと邪魔なのだろう。








起床早々、疲労に塗れた僕だが、友人が来るのだから、せめて片付けくらいはしておこうと思い、掃除を始める。

いつもこの家には、毎日という訳では無いが誰かが来る。特に、僕の化身、僕の半身である「夜野かえで」は頻度回数期間共々、堂々の1位を何年も保持している。

他にも、近所のおばさんや子供、母の会のお母さん方がやって来たり、引越してきた人達が来たりと、割と1人の時間は少ない。

僕の家の近所は、常に騒がしいのだ。


また、僕の、そしてかえでの友人である冬(なつ)がたまに遊びに来る。

ちなみに名前についてだが、どういう訳かこう読む。面白い名前だ。

きっと今日も…


-ピンポーン-


ほら。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

右眼の百色 菜の花の葉の緑の細胞の中の葉緑体 @Tsukikuro-Yoine

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ