『初めて見せる少年の心と涙』について感想書いてく


(作品URL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884340951

(エピソードURL)

https://kakuyomu.jp/works/1177354054884340951/episodes/1177354054884525895



 傷心のトーマスに優しく寄り添い、語りかける香澄のエピソード。

 彼の心を完全に癒すことはできないが、心に溜まっている埃を払うことはできるのだと感じた。


>「……でも結局僕は香澄お姉ちゃんたちに八つ当たりして、一人で勝手に暴走して困られてしまう。僕はこれ以上……。でもパパとママは僕を置いて、先に天国に行っちゃった。だからもう僕には家族や心を許せる人がいないんだ。ぼ、僕の心のよりどころと安らぎは、天使と一緒に飛んでいっちゃったよ」


 トーマスのこの言葉を皮切りに、彼の辛い気持ちを解きほぐす会話が始まる。

 天使と一緒に飛んでいった、という言葉が、子どもらしく、また切実な響きを帯びる。

 それに対し、香澄はトーマスの心に寄り添うことを心がけ、語りかけるのだ。

『励ます』とはまた違う声かけに注目したい。

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