妹が病気で亡くなった。その後を追うように、姉も死んだ。
ならば語り手である『私』とは、一体誰……?
そんな謎を提起されて始まる、幸せの絶頂であるはず日。
それなのに不穏な単語が要所要所に散りばめられ……中でも『私』の心理描写が巧みで、思わず吸い込まれてしまいます。
やがて迎えるラストシーンでは、『私』の堪え切れない激情がまざまざと描かれ、畳み掛けるように物語が閉じられてしまう。
果たしてこの後、どうなってしまったのでしょうか。
悲しきエゴで終わってしまったのか。
それでも変わらぬ想いが結ばれたのか。
どうか……過去にこだわらず、囚われず。
今を、未来を……共に歩んでいって欲しい。そう、切に願います。