吹奏楽系百合(告白短編集?)

(パート擬人化&レッテル張り&演奏記号の悪用注意)




最近、A.Sax.ちゃんのことが気になる。

A.Sax.ちゃんは吹奏楽の中でも花形の楽器だし、前から憧れてはいたけど最近はちょっと違う。

一緒に居るとぽわぽわしてしまうというか...



Perc 「それは、恋よ!」ビシィッ

Euph 「...恋?」

Cb. 「...。」コクコク


部活を終わって楽器庫の中、私は棚の位置の近いPercちゃんとCb.ちゃんにこのことを相談してみた。


Euph 「え、でも私たち楽器同士だし、何より私もA.Sax.ちゃんも女の子だよ?」

Perc 「だから良いんじゃない!いけない事だと分かっていてもstringendoしてしま    う恋心...。皆から隠れ逢瀬を重ねるごとに背徳感がperdendosiしてferoceな    快感に変わっていく...。そして愛し合う二人はついに一線を越えてしまい、    appassionato...。」

Euph 「待ってPercちゃんが怖い。そんな爛れた関係になりたいとかじゃ無いし。」

Perc  「まあ、そうじゃなくても楽器同士での恋愛は普通にあることだよ。」

Euph 「そうなの?聞いたことないけど。」

Cb. 「...?」キョトン

Perc 「あれ?話してなかったっけ、ここに実例がいるんだけど。」

Euph 「え。」

Cb. 「///」コクコク

Euph 「ええええええぇぇぇぇぇぇぇっ!?」



少女説明中...



Euph 「全然知らなかった...。」

Perc 「ま、ユーちゃんはそーゆーこと全然興味無いもんねー。」

Euph 「うぅ...。」

Perc 「よーし、それじゃあ未熟なユーちゃんのために私達がこの吹奏楽部の恋愛     事情を教えてしんぜよう!」




                    ~Perc×Cb.の場合~


Perc 「お、コンバスおつかれー。今日はどしたの?音悪かったけど。もしかして    松ヤニ塗ってないの?というか、昨日体の乾拭きもしてないんじゃない?」

Cb. 「......。」ツーンッ

Perc 「...ごめんって、昨日の事はあやまるよ。」

Cb. 「......。」ツーンッ

Perc 「いや、なにしろ昨日は大事なリペアがはいっておりまして...。今日も朝から    その点検をしていたといいますか...。」

Cb. 「.........。」ツーンッ

Perc 「たまには自分の体のお手入れを自分でやってほしいといいますか...。」

Cb. 「///」イヤイヤ

Perc 「...私にされるのがいいの?」

Cb. 「///」コクッ

Perc 「ああもう可愛すぎか!大好き!」ダキッ

Cb. 「!! ....................................すき///」ボソッ

Perc 「ん?なんか言った?」

Cb. 「///」ブンブン

Perc 「いーや、なんか言ったでしょ。聞き取れるよ、何年親友やってると思って    んの?」

Cb. 「///」ブンブン

Perc 「コンバスが自主的に喋るなんて貴重なんだから。ほら~、お姉さんに聞か    せてごら~ん?」

Cb. 「..................だから......私も好...き.........///愛してる...///」カアアァァァッ

Perc 「へ...?....................................っ!?」ボンッ

Perc 「え、ちょっと待ってその好きってそーゆー!?かなりマジトーンだったけ    ど!?」

Cb. 「///」コクリ

Perc 「え、えーと私達は!女同士です!」

Perc 「そのうえ!楽器です!無機物です!」

Perc 「それでも!どうしても...です、か?」

Cb. 「.........。」コクリ

Perc 「え、えー///」

Perc 「私もコンバスは親友だし大好きだけどそれは親友だからであって...。」

Perc 「いやまて、親友の定義ってなんだ?わりと私達四六時中一緒に居るけ      ど...。」

Cb. 「...............。」

Perc 「一緒に居るのが恋人か?どこからが親友でどこからが恋人だ?」モンモン...

Perc 「ああ!もうわかんなむんnっ!?」

Cb. 「.........ごちゃごちゃ...うるさい...。」

Perc 「.........い、いいいいいいい今のは!その!キキキキk

Cb. 「.........私はPercのこと...好き。Percは?」

Perc 「ええええぇぇぇと...」

Perc 「やっぱ無理いいいいいぃぃぃぃぃぃっ!」ダダダッ




その後三日ぐらい悩んだけど結局OKした。




                   ~Bar.Sax.×B.Cl.の場合~


Bar.Sax.「ねえ、B.Cl.。」

B.Cl. 「どうしたBar.Sax.。」

Bar.Sax.「仮にの話だけど、今私があなたに、愛していると伝えたらどうする?」

B.Cl. 「...ほう。」

Bar.Sax.「いや、PercのやつとCb.がつきあい始めたと聞いたから。」

B.Cl. 「ああ、あのふたり。やっとなのか。」

Bar.Sax.「やっとね。」

B.Cl. 「まだつきあっていなかったのかという感じだが。」

Bar.Sax.「まあそうよね、私も最初聞いたときはそう思ったわ。」

Bar.Sax.「...おそろいね。」ボソッ


B.Cl. 「...。」

B.Cl. 「で、何だったか、お前が私に告白したら、だったか。」

Bar.Sax.「...仮に、よ。」

B.Cl. 「まあ、とくに何も思わないな。」

Bar.Sax.「...まあ、そうよね。」シュン...

Bar.Sax.「で、でも普通告白されて何も感じないってことはないんじゃない?」

B.Cl. 「いや、他の奴ならいざ知らず、お前に告白されてもな。」

Bar.Sax.「っ...。そ、そう......。」グスッ

B.Cl. 「ま、やっとなのか、ぐらいには思うかもな。」

Bar.Sax.「......へ?」

B.Cl. 「ああ、私達まだつきあっていなかったのかって。」

Bar.Sax.「え?え?」

B.Cl. 「お前の愛、わりとわかりやすいし、まあ、好かれてて悪い気はしてなかっ    たから。」

Bar.Sax.「そ、それってどういう...。」

B.Cl. 「...こういうことかな...?」チュッ


Perc 「へ...?....................................っ!?」ボンッ




ばれてた。




                 ~A.Sax.の場合~


B.Cl.告白から一週間程して...



A.Sax.「バリ姉、リード貰ってくるけどバリ姉は何枚...。」ガラッ


(Bar.Sax. B.Cl.接吻中。)


A.Sax.「............腹筋でもしてくるかな.........。」










T.Sax.「お、アルちゃんなしたん、こんなとこで腹筋なんてして。」

A.Sax.「あぁ、テナー姉。いや、疲れてるっぽいから少しストレッチでも、とおもっ    て。」

T.Sax.「いやいやあんた、こんな速度で腹筋できんなら十分元気よ。」

A.Sax.「でもさっきさ...。」



少女説明中...



A.Sax.「二人の仲が良いのは知ってたけどさ、その、キスしてるように見えたんだけ    どさ、なんか、すごくて、やっぱ疲れてんのかな...。」

T.Sax.「ほう...百合の可能性にやっと気づいちゃったかわが妹よ。」

A.Sax.「え、ゆり?なにそれ?...そういうはなしじゃ

Tub. 「アルトサックスさんがこっち側に来たと聞いて!」シュバッ

A.Sax.「うおっTub.さん!?」ビクッ

T.Sax.「おお、Tub.氏ではないか。」

A.Sax.「ビックリした...。」

Tub. 「フフッ、低音パートには神出鬼没のライセンスがデフォルトで備わっている    のですよ。」キラッ


Tub. 「で、アルトサックスさんが目覚めたと聞きましたが。」

A.Sax.「...私は何にも目覚めたつもりはないんだけど。」

T.Sax.「いやTub.氏、わが妹はバリバスに気づいてしまったのだよ、バリバスに。」

Tub. 「バリバスですか!バスクラリネットさんが落ち着いていてなかなか本心を見    せない方ですのでともすると一方的な関係に見えてしまいますが、バリト    ンサックスさんの告白で吹っ切れたのでしょうか、最近はだんだんと好意    が言葉となって漏れ出てくることが多くなってきているように思えます、    やはり夫婦は似るということでしょうか、まだ二人は夫婦ではありません    が、いやもう二人は夫婦ということにしてしまってもいいのd

T.Sax.「はいはい落ち着けTub.氏~、一言でまとめると?」

Tub. 「滾ります!」ビシィッ

A.Sax.「待ってTub.さんが怖い。」


数分後


Tub. 「すみません、少しお見苦しい所を。」

A.Sax.「私の中のTub.さんのイメージが完全に崩れ去ったんだけど。」

Tub. 「これが本来の私ですよ。」

A.Sax.「えぇ...。」

T.Sax.「いやーでもですね、姉としてはアルちゃんがこっちに来てくれて嬉しい限り    なんだよ。」

A.Sax.「いや、そっちに行く気も行く勇気もないよ。」

T.Sax.「えーなんだよー。来いよー。」ウリウリ

A.Sax.「うわっ、テナー姉やめろ!」

Tub. 「こら、テナーサックスさん、百合とは強制されるものではなく、感じるもの    です。本人にその気が無いのなら無理強いはいけません。」

T.Sax.「むー、まあTub.氏がそう言うなら。」

A.Sax.「良かった、Tub.さんは変態でもTub.さんだった...。」

Tub. 「む、変態とはなんですか変態とは。」

A.Sax.「あ、すいません...。」

Tub. 「趣味の押しつけもいけませんが、趣味の否定はもっと駄目です。」ゴゴゴ

A.Sax.「え...あ、はい。」

Tub. 「百合好きは変態ではありません!」

T.Sax.「おーいいぞ言ってやれー。」

Tub. 「決めました、なんとしてでもアルトサックスさんをこっち側に堕としま      す。」

A.Sax.「...え、えーと、趣味の押しつけはいけないんじゃ...。」

Tub. 「それは本人にその気が無い場合です。今から私のとっておきの百合エピソー    ドでアルトサックスさんをその気にさせます。」

A.Sax.「...え、えー......。」




                   ~Trp.×Picc.の場合~


Picc.「あ!Trp.だ!おーい!こっちこっち!」トテテテテ

Trp. 「おー、Picc.ちゃーん!こっちと言いつつ駆け寄ってきちゃうPicc.ちゃんかわ   いいぜー。」ダキアゲッ

Picc.「だってだって、私はTrp.と一緒にいなきゃ死んじゃう病なんだもん。」

Trp. 「おうおう変な病気を作るんじゃなーい。」

Picc.「Trp.は私と一緒にいる義務があるからね!Trp.はわたしの“よめ”だから!」

Trp. 「おっと誰だPicc.ちゃんに変な知識吹き込んだ奴はー。」

Picc.「んーと、えーと、Tub.に教えてもらった!」

Trp. 「そっかー、じゃあ後でTub.にはたっぷり御礼、しとっこか...!」

Picc.「Trp....?目が笑ってないよ...?Tub.がTrp.に“よめ”って言ったら喜んでくれ    るって言ってたから言ったんだけど...。怒らせちゃった...?」シュン...

Trp. 「っ...!!」ズキューン


(鳴り響くシャッター音)


Trp. 「おうっPicc.さんその顔は反則っすわ。ピッコロリ先輩の涙目は思春期のウチ   にはこうかばつぐんっすわ。」

Picc.「Trp.......? もう、怒ってない.........?」

Trp. 「はい!貴重な涙目、頂いて怒りも吹っ飛びました!」ツヤツヤ

Picc.「そっか...!よかった!」パアアアァァァ

Trp. 「あ、やっぱPicc.ちゃんは笑顔だわ。」


(鳴り響くシャッター音)





Picc.先輩の容姿が完全に犯罪なうえに難聴ぎみなので進展なし。




                   ~Tub.×T.Sax.の場合~


A.Sax.「......熱く語ってるけどテナー姉達はどうなの。」

Tub. 「え、いや、あの、その、わたしたちは、、、」

T.Sax.「いやー親友も親友よ、ていうか同志って感じかなー?」

Tub. 「そ、そう、です...。」シュン...


A.Sax.(あーなるほど...。)




T.Sax.が鈍感なようで進展なし。




                   ~A.Sax.×Euphの場合~


練習終了後


A.Sax.「恋愛かー、正直周りにあそこまで同性愛者がいるとは思わなかったな...。」

A.Sax.「......私にも、そういう相手いるんだろうか。」

A.Sax.「最近仲良いっていったら...Euphかな?」

A.Sax.「友達のこと、そんなふうに見たことないしな...。」

A.Sax.「...と、Euphか、どうしたのこんな時間に。」

Euph 「えーと、あとででいいから、視聴覚準備室まで来て欲しいんだけど...。」

A.Sax.「ん、ああわかった。」

Euph 「じゃあ、待ってるから。」







おわり

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百合る。 鳴響 杏 @3160

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