夏はやっぱりプールだね♪

黄昏の夜月(たそがれのナイトムーン)

抜け駆けは良くないから、もうやめようねw

<北条院邸>

「コンコン!失礼します!!」


玲奈付きのSPが言った。



「どうかしまして?」


玲奈がSPに聞いた。



「俊彦様の夏の“動向”を探って参りました」


SPが言った。



「ご苦労様。それで?」


玲奈の声は、弾んでいる。



「はい・・・どうやら、本日はプールに行く予定です」


SPが報告した。



「プール?都内のですの??」

「左様でございます」

「そこは、うちの系列ですの?」


玲奈が考えながら、言った。



「いえ、違うようです」


SPが言った。



「分かりました。下がってよろしいですわ!」


玲奈は、SPに言った。



「失礼しました」


SPが玲奈の部屋から出た。





「こうしちゃ、居られませんわ!ドタドタ・・バタバタ・・」


玲奈は急いで支度した。




           

<君島家>



「お兄ちゃん!早く、早くぅ!!」


沙耶花は兄を急かす。



「何も急がなくてもプールは逃げやしないって!」


俊彦は、ゆっくり支度している。



「だってぇ~!久しぶりなんだもん★」


沙耶花は、心臓が弱いので、スポーツは全面禁止の身体だ。



「あまり、無理してはしゃぎ過ぎるんじゃないぞ?」


俊彦は、心配なので、付いていく。



「分かってるよぉ~!ぶぅ―――!!」


沙耶花は、子ども扱いされて、少しむくれている。



「よし!準備出来たぞ。行くか?」


俊彦は、支度が完了した。




「ピンポ―――――ン!沙耶花~~~居る~~~??」




聞きなれた声がした。



「ん?誰か来たぞ??」


俊彦が沙耶花に言った。



「あっ!亜矢ちゃんだ♪」


沙耶花が言った。



「なんだ?亜矢子も誘ったのか??」




 俊彦は、ゲストに戸惑った。

実は俊彦、亜矢子があまり好きではない

(この理由については、別の作品で分かりますので、あしからず)




「誘ったのは、亜矢ちゃんの方だよ!」


沙耶花は答えた。



「えっ?そうなのか??」


俊彦は、驚いた。



「そうだよ!亜矢ちゃんが、新しく出来たスパーランドの入場券が手に入ったから一緒に行こうって、誘ってくれたんだよ★お兄ちゃん」


沙耶花は、早く行きたくてウズウズしていた。



「そうか」


俊彦は、複雑な顔をしていた。



「沙耶花―――――!!居ないのぉ~?」


亜矢子は、家の外から、沙耶花に呼びかけた。



「あっ!ごめ~~~ん!!亜矢ちゃん、すぐ行くから~」


沙耶花は、亜矢子に家の中から、言った。



「暑いんだから、早くしてねぇ~~~」


亜矢子は、沙耶花に言った。



「はぁ~い★お兄ちゃん、行こ♪」


沙耶花は返事した。






「ああ(亜矢子がね・・・何か嫌な予感するなぁ・・・?)」

       



<麻美宅前>



「ピンポ―――――ン!」


誰かやって来た。



「はぁ~い★どなたぁ?」


麻美の母親が聞いた。



「麻美さん、居ますかぁ?」


どうやら、麻美の友達らしい。



「まぁ!麻美のお友達?ちょっと、待ってねぇ」


麻美の母は、玄関を開けた。



「誰か来たのかな?」


麻美は、自分の部屋で勉強中だった。



「パタパタパタパタ・・・・・・コンコン!」


麻美の母は、麻美の部屋に急いでやって来た。



「はい。どうぞ!」


麻美は、返事した。



「麻美?お友達・・・なの??かしら???」


麻美の母は、首をかしげながら、言った。



「どうしたの?お母さん??」


麻美は、聞き返した。



「い、いえね・・初めて見る娘なんで、ちょっとね(苦笑)」


麻美の母は、初対面の娘に、困惑して言った。



「誰?」


麻美は、聞いた。



「いえね・・・名前は聞かなかったけど・・・ホントに麻美の友達なの?“アレ”」


麻美の母が、アレという人物・・・一体誰なのか?



「どんな人なの?お母さん」


麻美は、聞き返す。



「それがね?髪の毛が・・・真っ赤なのよ!!」


麻美の友達に、”ああいう”のが居るとも思えないので母は不安がっていたようだ。



「えっ?由衣ちゃん??」


麻美は、驚いて言った。



「えっ?や、やっぱり、麻美の友達なの?“アレ”」


麻美の母は、びっくりした。



「お、お母さん!ア、アレって・・・・・(汗)」


麻美は、母に、友達のことを、アレ扱いはやめてって言った。



「だ、だって、貴女の学園、規則が厳しくて有名なんでしょう?」


麻美の母は、正論を言って来た。



「う、うん・・・・まぁ、そうなんだけどぉ」


麻美は、苦笑いしながら、そう言う。




「校則に引っ掛からないの?”あれ”」

「あははは・・・・・(苦笑)」


麻美は、笑って誤魔化す。



「不良・・・とかじゃないでしょうね?麻美!(ギロッ)」


麻美の母は、睨みながら、言う。娘が変な子と知り合いじゃないか不安だった。



「ち、違うよ!!」


麻美は、否定した。



「本当に?」


麻美の母は、まだ疑いの目を向けている。



「本当だよ!お母さん、信じてよ」


麻美は、強く言い切った。



「いいわ!麻美を信じてあげる。でもね?もし、成績が下がったら、“アレ(由衣)”のせいだって思うわよ」


麻美の母は、不安から、そういう言い方をしてきた。



「んもうっ!アレって言わないでよ!!お母さん!!!」


麻美は、少し怒りながら、母親に言った。



「それじゃあ、早く行って来なさい。麻美!」


麻美の母からのお許しが出た。



「はぁ~い!パタパタパタパタ・・・・・」


麻美は、勉強を切り上げ、由衣と出かけることにした。



「オッス!麻美★遅かったねぇ。勉強中だった?」


由衣は言った。



「ううん!違うよ!!今日は、どうしたの?」


何が違うのか、分からないが、あえて、そう言った。



「うん!今日って、暇?」


由衣は、麻美に聞いてみる。



「えっ?あ、うん・・・特に用事とかは、無いけど・・・?」


麻美は、何のお誘いなのかな?と思いつつも、そう返事した。



「じゃあ、さ!プール行かない?」


由衣は、突然、そんなことを言って来た。



「プ、プールに?」


麻美は、いきなり言われて驚いた。



「ほら?都内に新しくオープンしたじゃない??」


由衣は、興味津々で言って来た。



「スパーランド?」


麻美は、情報だけは掴んでいた。



「そうそう!そこの特別優待券が手に入ったの★」


由衣は、得意げに言って来た。



「そうなんだ?へぇ・・・」


麻美は、何が特別なんだろう?って思った。



「ねぇ?一緒に行こうよぉ~~~。麻美ぃ~~~!」


由衣は、どうしても麻美と行きたいようだ。



「う・・・ん。いいけど、瑞希さんも誘っていい?」


麻美は、一番の親友、瑞希も一緒じゃないと行きたくないようだ。



「ゲロゲロ~~~!マ、マジ!?」


由衣と瑞希は、犬猿の仲だ。



「マ、マジ!」


麻美は、言った。



「う、う~~~ん・・・どうしても?」


由衣は、麻美しか誘う気がないから、こっちに来たのだ。



「コクン」


麻美は、黙って頷いた。



「OK!仕方無い・・・誘ってやるか」


由衣が折れた、珍しい。



「ホント?」


麻美は、嬉しそうだ。



「だって、瑞希を誘わないと、麻美行かないって言うんでしょ?」


由衣は、分かってて聞いた。



「う、うん。ご、ご免ね?お、怒った??」


麻美は、由衣に謝った。



「別に怒っちゃいないけどさ~」


由衣は、複雑な顔をしていた。



「うううっ!(泣きそう・・)」


麻美は、人が嫌がることはしたくない。



「ああ~~~!嘘!嘘!!全然、OK!ホントよ★(汗)」


由衣は、ここで麻美がやっぱりやめるとか言いそうだったんで慌てて言い直した。



「(にこ♪)じゃあ、私、準備して来るね?」


麻美は、にっこり笑って、家の中へ入って行った。



「はいは~い★」


由衣は、嬉しそうだ。



「お母さ~~~ん!プール行って来ま~す」


麻美は、母に出かける旨を伝えた。



「あまり、遅くならないようにねぇ~!」


麻美の母は、言った。



「はぁ~い★由衣ちゃん、お待たせ♪行こ!」


麻美は、由衣に言った。


 由衣:「OK!」

      




<瑞希宅前>



「ピンポ―――――ン!」


今回呼び鈴を押したのは麻美。



「はい?(インターホン越し)」


出たのは、母ではなく、瑞希本人だった。




「私」




麻美は、言った。



「ん?麻美なの??ちょっと、待って!ガチャッ・・・」


瑞希は、玄関を開けた。



「こんにちは★瑞希さん(にこ♪)」


麻美は笑顔で挨拶した。



「どうしたの?」


約束はしてないので、瑞希はびっくりして、聞いた。




「はろはろ~★」




ナナメ後ろから、由衣が、瑞希に言った。



「げっ!由衣!!」


瑞希は、つい、本音が出た。


 

「げっ!って何だよ!!こっちこそ、げっ、だよ!」


由衣は、言い返した。


 

「なんだと?こら!」


瑞希と由衣は、顔を合わせるといつもこうだ。



 「ん?麻美??」


麻美は由衣に、ちょっと黙ってて、のポーズを取った。


 「へいへい」


由衣は渋々後ろに下がった。



「一緒にプールへどうかと思って、誘いに来たの」


麻美は、瑞希に用件を伝えた。



「プールぅ?あたしは・・・・・」


瑞希は、人が多いところが好きではなかった。



「そうだよね?行きたくないよね!じゃあ、麻美!!」


由衣は、ラッキィ!って思って、そう瑞希に言った。



「えっ?あ、ちょ、ちょっと!ゆ、由衣ちゃん(汗)」


麻美は、由衣に引っ張られていく。



「行きたくないって言ってる人を無理に誘うのよくないよ!さぁ、麻美、“2人”で行こ♪」


由衣は、一気にたたみかけて麻美に言う。



「で、でも、まだ、はっきりと返事を聞いてな・・・」


麻美は、ずるずると由衣に引っ張られながら、言う。



「瑞希は、あたし達みたいな“ナイスボディ”じゃないから恥ずかしくて、プールに行けないんだって!キャハ★」


由衣が、余計な一言を付け加えて、瑞希を挑発した。



「ピクッ!」


瑞希は、それに反応した。



「じゃあね!瑞希!!」


由衣は、来んな!のポーズを瑞希に向けた。



「ちょっと、待てよ?由衣!」


瑞希は、由衣に向かって言った。



「何か用?」


由衣は、振り向いて言った。



「誰が行かないって、言ったよ!えっ?」


瑞希は、怒っている。



「えっ?ま、まさか・・・行くの??」


由衣は、焦った。



「行っちゃ、悪いのかよ?誘いに来たんだろ!」


瑞希は、食ってかかる。



「あたしは、誘ってないわよ(ボソッ)」


由衣は、本音を漏らす。



「あ?(怒)」


瑞希は、由衣を睨む。



「な、何でもないわよ!い、行くならさっさと準備しちゃってよ!!(汗)」


由衣は、こ、怖わっ!って思って、咄嗟にそう答えた。



「フンッ!」


瑞希は、鼻でそう言った。




「ね、ねぇ?由衣ちゃん??」




たまりかねた麻美は、由衣に言った。



「な、何?麻美」


由衣は、返事した。



「どうして、いつも、いつも、瑞希さんと話すとこうなの?(苦笑)」


麻美は、疑問で仕方がない。



「だから、誘いたくなかったのよねぇ(苦笑)」


由衣は、本心で言った。



「瑞希さんの事、嫌いなの?」


麻美は、真剣に聞いている。



「嫌いって、言うか・・・ソリが合わないって言うか(汗)」


由衣は、麻美の真剣なまなざしにいつもみたいにフザケて答えない。



「いつも言い合いしてるよね?」


麻美は、学園内での言い争いを何度も見ているので、心配して言った。



「何かそうなっちゃうのよ―――!」


由衣は、不可抗力だと言いたいようだ。



「でも、喧嘩するほど仲がいいって言うし・・・」


麻美は、そんなことを言ってみる。





「冗談ヤメテよぉ~~~!“あんなの”と仲良く出来ないわよ――――!!ニンゲンノコトバワカリマスカー?(笑)」





由衣は、麻美に言われて、気持ち悪くて、そう言った。



「ムカッ!バコッ!!(怒)」


いつの間にか準備出来て、由衣の近くに居た瑞希が由衣の後頭部を殴った。



「ぶぎゃっ!(泣)」


由衣は、突然、脳を揺らされる衝撃に、変な声が出た。



「こっちだって、お前みたいな馬鹿、願い下げだ!」


瑞希は、売り言葉に買い言葉で返した。



「痛ったいわねぇ~!何すんのよ!!」


由衣は、涙目になりながら、瑞希に言った。



「あたしは、麻美に誘われて、プールに行くだけよ!」


瑞希は、言う。



「何よ?チケット持ってるのは、あたしなのよ!!」


由衣は、ヒラヒラとチケットをちらつかせて、言った。



「フンッ!どこで、盗んで来たんだか・・・」


瑞希は、本当にそう思ったので、由衣に言った。



「な、何だと!て、てめ・・コ、コノ!!」


由衣は、盗んだのではないので、怒った。



「まぁまぁまぁ!二人とも、お、落ち着いて!!ねっ?(汗)」


麻美は、2人の間に入って止めた。



「麻美・・・」


瑞希は、麻美を見て、動きを止めた。



「麻美・・・」


由衣は、麻美が泣きそうな顔をしているので、動きが止まった。



「仲良くしよ♪」


麻美は、2人の顔を交互に見ながら、そう言った。




「・・・そいつの出方次第よ」


瑞希は、まだ、納得がいかず、由衣を見ながら言った。



「なにお―――――!!」


由衣は、もうやめようと思った矢先に言われて、引くに引けない。



「何よ?」


瑞希は、食ってかかる。



「ちょっと!ちょっと!!もうっ!!!(苦笑)」


麻美は、焦って、また、2人の間に割って強引に止めた。



「(プールで恥かかせてやる!覚えてろ!!ダサイ水着だったら大笑いしてやる!!!)」


由衣は、別の目的に切り替えた。



「(ムッ!?こいつ何かよからぬ事を考えてやがるな?)」


瑞希は、そんな由衣のニヤケ顔を見て、察知した。



「(険悪な2人だな~!大丈夫かなぁ?)」

           ・

           ・

           ・

<スパーランド前・沙耶花&亜矢子&俊彦>



「わぁ♪すっごく大っきい★」


沙耶花は、感動している。



「わぉ♪これはこれは~★」


亜矢子も想像以上に嬉しそうだ。



「凄いな・・・」

俊彦は言った。



「でも、亜矢ちゃん?」


沙耶花は、疑問に思った。



「なぁに?沙耶花」


亜矢子は、返事した。



「どうやって、入手したの?その招待券」


沙耶花は、尋ねた。



「お父さんがね・・・会社でもらって来たのよ」


亜矢子は、沙耶花の質問にそう答えた。



「亜矢ちゃんのお父さんが?」


沙耶花は、不思議な顔をした。



「うん!」


亜矢子は言った。



「でも、あれぇ?」


沙耶花は、頭の上に???が浮かんだ。



「どうしたの?」


亜矢子は、沙耶花が首をかしげているので、聞いてみた。



「何だか、まだ“開いてない”みたいだけど?」


沙耶花は、門が閉まっていることに疑問を持った。



「ああ、それは、“プレオープン”だからよ」


亜矢子は、沙耶花の疑問にそう答えた。




「えっ?そ、そうなの??」


沙耶花は、びっくりした。



「ほら?見てごらん。ココ・・・」


亜矢子は注意書きを見つけた。



「あっ!“本日は、プレオープンの為、特別優待券持参の方に限ります”・・・だって」


沙耶花は、注意書きを読んだ。



「ウフフ★どう?」


亜矢子は、ちょっと、自慢げだ。



「エヘヘ★何か優越感~♪」


沙耶花はニコニコして言った。



「でしょでしょ~♪」


亜矢子は、言った。



「は、早く入ろうよ★」


沙耶花は早く中に入りたがっている。



「そうね★」


亜矢子も同じだ。



「招待券を拝見します!」


門のところに居る係員らしき男性がそう言った。



「はい!」

亜矢子は、チケットを係員に渡した。



「はい!確かに。どうぞ、お入り下さい!!」


係員はそう言って、横の通用門を開けて3人を入場させた。



「じゃあ、お兄ちゃん・・・あたしたち着替えて来るね?」


沙耶花は、女子更衣室へ向かった。



「ああ、また後でな!」


俊彦は、男子更衣室へ向かった。


<女子更衣室>



「しかし・・・相変わらず、沙耶花、未発達ね?(笑)」


亜矢子は、苦笑いしながら、沙耶花に言った。



「えええ~~~!!!そ、そんな事ないよぉ~。少しは大きくなったモン!」


沙耶花は、自信ありげにそう言った。



「どこがよ?プニプニ♪」


亜矢子は、沙耶花の胸を突っついて言った。



「あっ!ヤ、イヤン♪」


沙耶花は、くすぐったいようだ。



「変わってないじゃん!」


亜矢子は言った。



「ひっど―――――い!ぶぅ―――!!(膨れっ面★)」


沙耶花は、膨れた。



「わっ!何?その“ロリ”な水着は(笑)」


亜矢子は、沙耶花の水着見て、”アンタは小学生か”と言いそうになった。



「何?おかしい??」


沙耶花は、自信満々の水着を持参したつもりが、不安になった。



「アンタ・・・見た目がただでさえ、ロリなんだからさ~」


亜矢子は、それ、マジで着るの?っていう目で見ていた。



「いいじゃん!別に~~~。ぷく~~~!(膨れっ面★)」


沙耶花は、ぶんむくれる。



「でも、いつ買ったの?そのフリフリ水着♪」


亜矢子は、あんなの似合うの沙耶花ぐらいね、と思いながら聞いてみた。



「エヘヘ★これね・・・お兄ちゃんとこの前、デートした時に買いに行ったんだよ♪」


沙耶花は、照れながら言った。



「一緒に?(俊彦先輩も災難ね・・・)」


亜矢子は思った。それは、デートじゃないでしょ?お買い物でしょ、と。



「亜矢ちゃんも、ワンピ?」


沙耶花は、亜矢子の水着を見て、言った。



「そうだけど、沙耶花みたいにフリル付いてないわよ?」


亜矢子は、からかいながら沙耶花に言った。



「えええ~~~!可愛いのになぁ~!」


沙耶花は、その水着が心底気に入ってるようだ。



「あたし、ソレ着る勇気無いわ(苦笑)それ着るとき、罰ゲームか何かだわ」


亜矢子は、正直な感想を言う。




「それじゃ、着替えたし、プールサイドでお兄ちゃんが待ってるかもしれないから、早く行こう!」

沙耶花たちは、着替え終わった。



「俊彦先輩に早く見てもらいたいから!の間違いじゃないの?もう、嫌ねぇ。この娘は!(笑)」


亜矢子は意地悪っぽく、言ってみる。



「ち、違うモン!そんな事ないモン♪」


沙耶花は、手をぶんぶん振りながら、否定している。



「アハハハハハハ★」


それを見た亜矢子は、大笑いして走り出した。



「あ~ん♪ま、待ってよぉ~~~」

          ・

          ・

          ・

<再び入り口付近・玲奈>



「いらっしゃいませ。招待券を拝見します!」


係員は言った。



「招待券?ありませんわ!そんなもの」


玲奈は、はっきりと言った。



「それでしたら、本日はお引取りを・・・」


係員は、マニュアル通りの対応をする。



「あなた、わたくしを知らないんですの?」


玲奈は、言った。



「はあ・・・貴女様が、どなた様であろうとも、本日は、特別優待者のみとなっておりましてですね・・・誠に申し訳ないのですが、お引取りを・・・お願いし」

・・・と係員が喋っている途中で、玲奈が質問をしてきた。



「あなた・・・給料は、いかほどで?」


唐突に玲奈はそんなことを言った。



「は?」


係員は面を食らった。



「○○○万円くらい、頂いてるの?」


玲奈は、適当な金額を言った。



「ま、まさか!そんなにもらってたら、もうウハウハ(死語)ですよ!!ハッハッハッ!(乾いた笑い・・)」


係員は、そんなことを言った。



「そう・・・コレは、“チップ”よ。取っておきなさい!」


玲奈は、そう言って、先程の金額を係員に渡した。



「ズシリッ!・・・・・えっ?(驚)」


係員は、手の上のお金を見て硬直した。


 

「“特別優待券”確かに渡しましたわよ?」


玲奈は、係員に言った。



「は、はい!確かに頂戴しました!!どうぞ、お通り下さいませ!!!(元気いっぱい★)」

            ・

            ・

            ・

 <女子更衣室>



「うっわぁ~★凄い美人ねぇ~~~」


女性の1人が玲奈を見てそう言った。



「スタイルいいわ~~~★モデルさんみたい~~~♪」


他の女性客も言った。



「うっとり♪」


別の女性が、玲奈を見て、うっとりしている。



「(ふふふ★皆、わたくしのナイスバディに釘付け♪)」


玲奈は、満足げだ。


 <出入り口付近・由衣&瑞希&麻美>



「ああ、君!今日は、入れないよ!!」


係員が由衣を見て、そう言った。



「カチン!それ・・・今、あたしに言ったの?」


由衣は、カンに障ったようだ。



「そうだよ!今日は、“招待客”だけだからね」


係員は、言い切った。



「それって、“見た目”で判断してない?」


由衣は、ムカついた。



「ああ、“そうだよ”!今日入場出来る、お客さんは、上流階級以上の地位のある方々しか配布してないからね」


係員は、説明しながら、言った。



「ムキー!! ヾ(`Д´*)ノ 」


由衣は、キレている。



「ぷっ!(笑)」

瑞希は、笑った。



「オロオロ(゚ロ゚;))((;゚ロ゚)オロオロ」


麻美は、一触即発状態に、うろたえている。



「分かったら!また、オープンしたら来てねぇ~!!」


係員は、悪意なく言ったつもりだった。



「フンッ!バシッ!!」


由衣は、持っていたチケットを係員の顔面に投げつけた。



「わぶっ!!な、なにする・・・ん?」


係員は、怒って言った。



「特別優待券よ!文句あるの?」


由衣は、言った。



「コレ・・・“本物”?」


係員は、マジマジと券を見ながら、そう言った。



「むっきぃ~~~!!!(怒・怒・怒)」


由衣は、ブチ切れる寸前である。



「ぷっくくくく・・・(笑)」


瑞希は、笑っている。



「み、瑞希さん!」


麻美は、焦る。



「ジロジロジロッ!(チケットを食い入るように見つめる・・)」


係員は、真剣にチケットを見ている。




「ホ・ン・モ・ノ・よ!!」


由衣は、言う。



「うっくっくっくっく・・・・・(笑)」


瑞希は笑いが止まらない。



「・・・ああ、確かに本物ですね!どうぞ!!(汗)」


係員は、他の優待者のチケットと見比べてようやく本物だと気付く。



「そんだけかいっ!!(怒×5)」


由衣は、謝罪の一言もないので、メッチャ怒っている。



「しかし、人は見かけによらないねぇ~!(苦笑)」


係員は、思わず、心の声を漏らす。



「うっぐぐぐぐ!!!ムカツク!ムカツク!チョムカ~!(死語?w)」


由衣は、怒りが収まらない。



「ねぇ?アンタ、どうしてそう思ったの?」


瑞希は、係員にそう尋ねてみる。



「(いや、だって、いかにも“馬鹿”そうだったから・・ね、ヤンキーかと思って)」


係員は、由衣に聴こえないように、瑞希に耳打ちした。



「ぷは―――――はっはっはっはっ!(大笑い★)」


瑞希は、それを聞いて、再び、大笑いした。



「何です?あなたも疑ってたんですか??」


係員は、瑞希にそう言った。



「ま、まぁね。でも、チケットは本物だったんでしょ?」


瑞希は、言った。



「ええ。ちゃんと“発行者の割り印”が入ってますからね!本物”でした”よ」


係員は、言った。



「ああ、コレね」


なるほど、と瑞希は思った。



「み、瑞希さん・・・も、もう、それくらいで(汗)」


麻美は、横でプルプルしてる由衣を見ながら、瑞希にそう言った。



「てめぇ~ら~さっきから、全部聞こえてんぞ!ごらぁ~!!(巻き舌)」


由衣は、怒り狂っている。



「あっ!馬鹿が怒ったわよ!!逃げるわよ?麻美(笑)」


そう言って、瑞希は中へ入り、走り去って行った。



「待て!ごらぁ~~~!!!ドダダダダダダ・・・・・」


由衣は、瑞希を追いかけて、中へと入って行った。



「失礼します」


麻美は係員さんにそう言った。


 

「どうぞ、ごゆっくり~」


係員は、麻美に言った。


<女子更衣室>



「へぇ~★意外ね・・・」


瑞希は、麻美の水着を見てそんなことを言った。



「あ、あまり見ないで!は、恥ずかしい・・・ポッ♪」


麻美は照れた。



「いや、てっきり、麻美はワンピ系かと思ってたからさ」


瑞希が言った。



「ちょっと、大胆過ぎたかな?(汗)」


麻美は、言った。



「いや、そんな事は無いと思うよ。麻美は、スタイルがいいから、ビキニが似合うし★」


瑞希は、似合っていると正直に褒めた。



「瑞希さんのビキニも凄っごく似合う♪」


麻美は、拍手したいくらいの勢いで褒めた。



「ウフ★ありがと♪」


瑞希は、喜んだ。



「どう?このキレコミ♪」


由衣は、自慢している。



「(下品!!)」


瑞希は、そう思った。



「(す、凄い!!もう少しで見えそう・・・汗)」


麻美は、びっくりしている。



「ふっふっふっ・・・二人とも黙ってしまって!あたしの水着の凄さが分かったみたいね♪」


由衣は、バカだ。



「ああ~素敵な人たちねぇ~!!」


女性客の1人がそんなことを言った。



「あたし達を噂してる♪てへ★」


もう1度言う・・・由衣は、バカである。



「・・・・・・」


瑞希は、黙ってことの成り行きを見ていた。



「・・・・・・」


同じく麻美もだ。



「あたしが一番でしょ?ウフ★」


由衣は、正真正銘の、おばかさんです。



「長身のあの2人が、素敵♪」


女性客の1人が言った。



「なぬっ!?」


由衣は、すっとんきょうな声を上げた。



「・・・・・(ぷっ!)」


瑞希は吹き出す。



「ポッ♪」


麻美は、照れた。



「あの凄いキレコミの女は?」


女性客の1人が周囲の友人たちに聞いてみた。




「ワクワクワクワク★(聞き耳を立てる由衣・・)」


由衣は、耳をダンボにして聞いている。



「髪の毛、真っ赤の?」


友人が言う。



「そうそう!」


質問した女性が言う。



「アレは、どう見ても・・・」


他の友人が言う。



「どう見ても?」


質問した友人が言う。




「露出狂よねぇ~!(笑)」

「露出狂よねぇ~!(爆)」



声を揃えて、友人2人が同時に言った。



「やっぱりぃ~!(笑)」


質問した友人が言った。



「( ̄Д ̄;) ガーン(大ショック)」


由衣は、その場で、固まった。



「キャハハハハハハハ★」

「キャハハハハハハハ★」

「キャハハハハハハハ★」


3人の女性客たちは、大笑いしている。



「ぷっくくくくく・・・・(お腹を抱えて笑いを堪える瑞希)」

「(;^_^A アセアセ・・・」


麻美は、ハラハラしている。



「う・・ぐ・ぎぃ~~~~~!!!!!」


由衣の怒りは爆発寸前である。



「や、ヤバイ!麻美、急いでココを出よう!!」


瑞希は、麻美と一緒に更衣室を出て行った。



「え、ええ(汗)」


麻美も同意した。



「ちょっと、アンタ達!!(怒×10)」


由衣は、3人の女性のところに向かった。


「えっ?」

「なにっ?」

「んっ?」


3人の女性は同時に振り向いた。



「よくも・・・よくも・・・コノ・・・・・」

           ・

           ・

           ・

「ご、ごめんなさい・・・ばたっ」

「す、すみません・・・ばたっ」

「も、もう言いません・・・ばたっ」


3人の女性たちは、その場に倒れた。



「はぁはぁはぁ・・・ぜぇぜぇぜぇ・・・お、思い知ったか!」


由衣は、怒りを3人の女性にぶつけた。


           




「さて・・・俊彦さんを探さないと。しかし・・・広いですわねぇ?こんなに広いと探すのは、大変ですわぁ。いや・・そうでしたわ!当然、あの“幼い女”も一緒ですもの!アレを探せば必然的に見つかるわね。キョロキョロ??」


玲奈は、そんなことを言いながら、”ターゲット”を探し始める。

             ・

             ・

             ・

「きゃっ♪きゃっ♪きゃっ♪冷た~~~い★えいっ!」

「あっ!やったな~★コイツぅ~♪バシャバシャ!!」


沙耶花と亜矢子は、プールではしゃいでいる。

              ・

              ・

              ・

「フッ!見つけましたわ~。俊彦さんもいらっしゃるわ★ムッ!?あ、あれは、もしや・・・亜矢子!!そうと決まれば・・・・・ひゅんっ!!」

              ・

              ・

              ・

「コツン!あ痛っ!!くるりっ!うげっ!!あ、あの出で立ちにあの“独特のオーラ”は!!!(み、見なかったことに、し、しよっと・・・む、無視!無視!!こんなところに居るはずがないわ・・・きっと白昼夢か何かだわ(汗)」

              ・

              ・

              ・

「殺気100倍放つ!!!」

              ・

              ・

              ・

「(うううっ!わ、分かったわよぉ~!い、行くわよ!!行きゃいいんでしょ!!)沙耶花~!ちょっと、ご免ね?」


亜矢子は観念して、玲奈のところへ向かうことにする。



「えっ?あ、う、うん・・・どこ行くのかな??亜矢ちゃん」

              ・

              ・

              ・


「どうして、すぐに来ないの?亜矢子(怒)」


玲奈が眉間をぴくぴくさせながら、亜矢子に問う。



「そんな・・・ペットの犬じゃ、あるまいし(汗)」


亜矢子は、言う。



「何かおっしゃって?(怒・怒)」


玲奈は、亜矢子を睨んだ。



「い、いいえ~~~!べ、別に、何も!はい」


亜矢子は、言った。




「しかも、わたくしと分かって、1度、無視しましたわね?」


玲奈は、事実を突きつける。



「い、いえ、し、してないですよ!見間違えかと思ったんですよ!あはは~~~。(苦笑)」


亜矢子は、しどろもどろだ。



「見間違える?このわたくしを??」


玲奈は、どういう意味かと探索する。



「だ、だって、そ、そうですよぉ~!玲奈先輩のお屋敷には、立派なプールがあるんですから、こんな庶民のプールになんか来る筈が無いと!!」


亜矢子は口からでまかせ、なんとか乗り切ろうと言ってみる。



「オホホホ!!γ(▽´ )ツヾ( `▽)ゞオホホホ!!★なるほど♪そういう意味でしたの」


玲奈は、納得したらしい。





「(ホッ!“単純”で助かった・・・)」


亜矢子はホっと胸を撫で下ろした。



「それよりも、亜矢子・・・わたくし、貴女に折り入ってお願いがありますの★」


玲奈は、亜矢子に言う。



「それって、“断れないお願い”ってやつですか?」


亜矢子は、現実を知っている。



「あ?何か文句ありますの??(怒・怒・怒)」


玲奈は、殆ど脅し口調で言う。



「い、いえ!(だったら、わざわざお願いって言うな!!)」


亜矢子は、心の中で愚痴った。



「わたくし、本日は、俊彦さんとラブラブなひとときを過ごすと決めて参りましたの」


玲奈は、自分の要望を亜矢子に突きつける。




「は、はぁ・・・(い、嫌な予感する・・・)」


亜矢子は、この流れは、”やばい”そう思った。



「それには、“アレ”が邪魔ですの!分かりますわね?」


玲奈は、沙耶花を指さして、言った。



「さ、沙耶花を俊彦先輩から引き離せと言うんですかぁ!」


亜矢子は、そんな無茶な!と思って、一応、言ってみる。



「さすがは、亜矢子!よく分かってるじゃないの」


玲奈は、やりなさいと目で言っている。



「む、無理ですよ―――!!!」


亜矢子は、出来ないと拒否する。



「無理?・・・とは、どういう事ですの??」


玲奈は、この世に無理なことなんかないと本気で思っている人種である。



「考えても見て下さいよ―――!どっちも離れようとしない2人なのは、明白じゃないですかぁ!!」


亜矢子は、日々の現実を伝える。



「それで?」


玲奈は、だからなに?って感じである。



「どうやって、引き離せって言うんですかぁ?」


亜矢子は、言うだけ言ってみる。


 

「それを考えるのは、貴女の“仕事”。ほら!早くお行きなさい!!ドンッ!!!」


玲奈は、亜矢子を突き飛ばし、行って来いの合図。



「うわわわわわっ!!!」

        ・

        ・

        ・

「きゃっ♪きゃっ♪きゃっ♪えいっ!えいっ!」

「おっ!やったな~!コイツぅ~!!それっ!それっ!」

「きゃ~ん♪沙耶花、負けないモン★えいっ!えいっ!」


沙耶花と俊彦は楽しそうだ。

         ・

         ・

         ・

「う~~~ん・・・・仲睦まじきは、良いことかな・・」


ほのぼのとした兄妹の光景を温かい目で見守る亜矢子であった。



「バシッ!(亜矢子の頭をはたく)」


玲奈は、イライラしている。



「痛っ!!な、何すんですかぁ?ヒリヒリ・・・」


亜矢子は、涙目になりながら玲奈を見る。



「何を呑気に見てるのよ?」


玲奈は、早くやれと言わんばかりである。



「か、考えてるんですよ―――!!!」


亜矢子は、また口からでまかせで時間を稼ぐ。



「早くなさい!!」


玲奈は、亜矢子を急かす。



「やっぱ、無理!(アッサリ★)」


亜矢子は、考えるフリをやめ、そう言った。



「ああ?(怒)」


玲奈は、キレそうである。



「あたしに“メリット”が無いから、やる気もなし!」


亜矢子は、本音が出た。



「メリットですってぇ~~~!!!(怒・怒・怒)」


玲奈は、見返りを求める亜矢子にブチ切れた。



「危険を冒してまで、やる事じゃないしぃ~~~」


亜矢子の言い分はもっともだが、玲奈も引き下がれない理由があった。



「くっ!わたくしのお役に立てるのが何よりの報酬でしょう!!」


玲奈は、こういう考えの持ち主なので、仕方がないのだが・・・?



「それじゃ、さよなら~~~!」


亜矢子は、足早にその場を去ろうとした。



「お、お待ちなさい!!」


玲奈は、亜矢子を引き止めた。



「何ですかぁ?」


亜矢子は、面倒臭そうに、返事した。



「じ、時給・・・5万円でいかが?」


玲奈は、亜矢子にそんなことを言った。



「ご、ごまんえん~~~!?」


亜矢子は、目が$になった。



「何ですの?安いとでも??(怒)」


玲奈は、怒りながら言った。



「い、いいえ~~~★とんでもない!や、やります♪」


亜矢子は、2つ返事でOKした。



「それじゃあ、最低でも2時間!いいわね?」


玲奈は、亜矢子にお金を渡した。



「はい♪♪♪」


亜矢子は、嬉しそうだ。



「先に払いますわ★その方が手抜きせずに実行するでしょう?あなたも」


玲奈は、亜矢子のヤル気を上げさせるために、そう言った。



「ひぃ・・ふぅ・・みぃ・・よ・・・確かに10万円★」


亜矢子は、お札を数えて言った。



「それじゃあ、早速・・・取り掛かってちょうだい!」


玲奈は、命令した。



「ふぅ~~~。あんまり疲れる事したくないんだけどな~!」


亜矢子は、そんなことを言った。



「どうやら、アイデアが出たようね?」


玲奈は、早速、計画内容を聞いてみることにした。



「あい。ビーチバレー作戦で行きます!」


亜矢子は、計画を玲奈に話す。



「わたくしは、何をすればいいんですの?」


玲奈は、亜矢子に聞いた。



「あたしが2人を疲れさせますから、プールから上がる時に飲み物を2人に差し出して下さい」


亜矢子は、言った。



「そ、それで?」


玲奈は、続きを聞く。



「もう、頭悪いな~!それで、分かるでしょう?」


亜矢子は、うっかり、そんなことを言った。



「バシッ!バシッ!バシッ!(怒)」


玲奈は、思いっきり亜矢子をぶっ叩いた。



「痛い!痛い!!痛い!!!(>_<)」


亜矢子は、その場に蹲った。



「そ・れ・で・!!!(怒・怒・怒)」


玲奈は、怒って言った。



「沙耶花の飲み物の方に、睡眠薬を入れるんですよー!」


亜矢子は、正確に計画の内容を玲奈に伝えた。



「なるほど!それで、沙耶花が眠ったら亜矢子が監視役で俊彦さんから離してしまえばいいわけね?」


玲奈は、計画の内容を把握した。



「あうううっ!そ、そうですぅ~~~T_T」


亜矢子は頭をさすりながら言った。



「よし!早速、GOよ!!」

        ・

        ・

        ・

「ただいま~~~」


亜矢子は、言った。



「あっ!亜矢ちゃん、おかえり♪どこ行ってたの?」


沙耶花は、聞いた。



「ん?ああ、コレを借りに行ってたの」


亜矢子は、ボールを見せた。



「ビーチボール?」


沙耶花は、言った。



「うん!やろ♪」


亜矢子は、沙耶花を誘った。



「あたしは、いいけど・・・お兄ちゃんは・・・?」


沙耶花は、俊彦に聞いてみた。



「俊彦先輩、いいですよね?」


亜矢子も俊彦に聞いてみる。



「あ、ああ・・・別にいいぜ?」


せっかくの遊びに水をさすのも何なので、俊彦は快く承諾した。



「じゃあ、こっちは、ハンデとして2対1で♪」


亜矢子は、俊彦にそう提案した。



「ああ、構わないぜ」


俊彦はOKした。



「じゃあ、あたし、トスするね★」


沙耶花が言った。



「俊彦先輩は、2回でこっちに返さないと、失点ですからね」


亜矢子は、ルールを俊彦に伝えた。



「ああ、分かった」


俊彦はルールを把握した。



「は―――――い★」


沙耶花は綺麗な山形(やまなり)ボールを浮かせた。



「よっし★バシッ!アタ―――――ック!!」


亜矢子は、絶好のボールをアタックした。



「よっと!パシッ!!」


だが、俊彦には通用しなかった。



「あ~~~ん!」


返って来たボールを沙耶花が拾えなかった。



「俊彦先~輩!手加減して下さいよ―――!!」


亜矢子は、俊彦に手加減を求めた。



「ああ、悪ぃ!」


俊彦は素直に謝った。



「そぉ~れ♪」


亜矢子は、サーブを打った。



「ほい!」


俊彦は、ふんわりしたボールで返した。



「それっ♪」


沙耶花は、それを亜矢子にトスした。



「うりゃ!バシッ!!」


亜矢子は渾身のアタックを打ち込んだ。



「おっ?パシッ!」


俊彦は、打ち返した。


        


 <20分後>



「(さて・・・そろそろ・・・)」


やはり、正攻法では勝てないと判断した亜矢子は、第2弾の計画へ移行した。



「亜矢ちゃん、行ったよ―――!」


沙耶花の掛け声が飛ぶ。



「OK!あっ!俊彦さん、後ろ!!人!!!危ない!」


亜矢子が、そんなことを俊彦に言う。



「えっ?くるりっ!」


俊彦は、言われた通り、ぶつかるのを避けようと後ろを振り向くが誰も居ない。



「バシュッ!スキあり♪」


亜矢子は、俊彦が後ろ向いてる隙にアタック。



「あっ!き、汚ぇ~~~!!」


俊彦は、ムっとしている。



「あ、亜矢ちゃん・・・(汗)」


沙耶花は、俊彦の不機嫌が手に取るように分かった。



「そういう事をするか?亜矢子!」


俊彦は、亜矢子に言う。



「(エキサイトして疲れてもらわなきゃね★)エヘヘ♪作戦ですよ~」


亜矢子は、俊彦を挑発した。



「もう手加減なしだぞ!!」


俊彦は、本気でやることにした。



「お、お兄ちゃん!!本気はダメだよ~~~」


沙耶花はそう言ったが、俊彦の目はマジだった。



「そりゃ!」


俊彦のアタックは、早くて、沙耶花では、拾えない。



「きゃん!」


沙耶花の真横にボールが落ちた。



「うおりゃ!」


俊彦は、また、強めにアタックした。



「はい!沙耶花!!」


亜矢子が珍しくトスを上げて、沙耶花にアタックさせる。



「う、うん!」


沙耶花はベストボール目掛けて、ジャンプしようとしたその時・・・・・・?



「俊彦先輩!」


亜矢子がまた、俊彦の注意を引こうと呼びかけた。



「もう、その手には、乗らないぞ!!亜矢子」


俊彦は2度も同じ手に乗るかと言わんばかりに、言い放った。



「コレ!見て!!」


亜矢子は、俊彦に手を見せた。



「ん?」


思わず、俊彦は、亜矢子の手に何かあるのかと覗き込んだ。



「水鉄砲★ピュ―――――♪」


亜矢子は、俊彦が近づいた瞬間に顔に水鉄砲した。



「うわっぷ!」


俊彦が目を閉じたとき、沙耶花のヘナヘナアタックが飛んで来た。



「ポスッ!」


沙耶花の打ったアタックが俊彦の脇に落ちた。



「ああっ!」


俊彦は失点した。



「ニヤリッ★」


亜矢子は、ニヤリと笑った。



「ぐぬぬぬぬっ!!!」


俊彦は、怒りに震えている。



「ちょ、ちょっと!あ、亜矢ちゃん?」


沙耶花は、亜矢子の反則?攻撃に焦る。



「亜矢子・・・そう言う手を使うか?あん??(怒)」


俊彦は、もう許さないぞ、と言わんばかりに怒りを露にする。



「何のことです?ケロッ♪」


亜矢子はとぼけた。



「お、お、お、お兄ちゃん!」


沙耶花は、俊彦に、お、落ち着いて、と言おうとしたが間に合わなかった。




「ふんぬっ!バシュッ!!(激怒アタック)」


渾身のアタックが解き放たれた。凄いボールが亜矢子の顔面目掛け飛んでいく。



「うわっ!サササッ!(沙耶花を盾に♪)」


亜矢子は、沙耶花の陰に隠れた。



「えっ?えっ??ビタ―――――ン!!(顔面直打)」


沙耶花の顔面にボールの跡がくっきり残るような強烈な打撃を受けた。



「あああっ!」


俊彦は、亜矢子を狙ったのに、沙耶花に直撃してしまい、焦る。



「うぇ~~~ん!痛いよぅ~~~(泣)」


沙耶花は、泣いた。




「す、すまん!沙耶花」


俊彦は、素直に謝った。



「ニヤニヤニヤッ★」


亜矢子は、ニヤニヤしながら、俊彦を挑発する。



「ぐっ!コ、コノ・・・」


俊彦は、亜矢子に対しての怒りが増していく。



「そぉ~れっ♪パシッ!」


間髪入れずに、亜矢子が加点を狙う。



「くっ!さ、沙耶花の後ろに・・・卑怯な!!ポスッ!」


俊彦は、亜矢子が沙耶花を盾にしてくるので、強いアタックが打てない。



「へろへろレシーブが来たわよ!沙耶花!!」


亜矢子が言った。



「う、うん・・・パシッ!(トス)」


沙耶花は、亜矢子に綺麗なトスを上げた。



「ニヤッ★」


亜矢子は、不気味に笑った。



「こ、今度は、何をする気だ!?」


俊彦は、亜矢子の挙動が気になって、ボールを見ていない。



「ポロッ!(沙耶花の水着を・・・)」


亜矢子は、沙耶花の水着をポロリさせた。



「きゃ~~~ん♪ポロリッ(72のAカップが・・)」


沙耶花は、胸を咄嗟に隠した。



「おわ~~~!!!(驚)」


俊彦は、その光景に、目を逸らした。



「バシュッ!お色気アタック!!(笑)」


亜矢子は、俊彦の死角にアタックした。



「ああっ!」


俊彦は失点し、負けた。



「イヤ~~~ン♪」


沙耶花は恥ずかしがっている。



「やった~★あたし達の勝ち~~~♪」


亜矢子は、はしゃいだ。



「こ、こら!亜矢子!!」


俊彦は困惑しながら、亜矢子に怒っている。



「亜矢ちゃん、ひどぉ~~~い。グスッ・・(涙目)」


沙耶花は、泣きながら亜矢子に怒っている。



「アハハハハハハハ★バシャ!バシャ!バシャ・・・」


亜矢子は、その場から、泳いで逃げて行った。



「ま、待て!亜矢子!!バシャ!バシャ!バシャ・・・」


俊彦は、それを見て、追いかけて泳ぐ。



「うわっ!は、早っ!!ゴボンッ!(潜った)」


亜矢子は、泳ぐと追いつかれると悟り、慌てて、潜って人混みに紛れた。



「ちっ!ど、どこだ!?くっそ~~~!亜矢子め~!!潜りやがったなぁ?人が多くて、見えやしねぇ」


俊彦は、亜矢子の姿を見失った。



「(プハッ!どうやら、“まいた”みたいね・・・)」


亜矢子は、水中から、顔を出して、きょろきょろする。



「ぜぇぜぇぜぇ・・・さ、沙耶花・・・・・すまん、亜矢子を見失った」


俊彦は言った。



「お、お兄ちゃん・・・ぐすっ・・(泣)」


沙耶花は、メソメソ泣いている。





「もう、泣くな!ちょっと、休憩しよう。な?」


俊彦は、沙耶花を慰めながら言った。



「う、うん」


沙耶花は、軽く頷いた。



「(あっ!どうやら、上がるみたいね)」


亜矢子は遠巻きに俊彦と沙耶花を見ていた。


  ?:「お疲れ様★」

そういって、俊彦の前に現れた人物が居た。



「うん?」


俊彦は水面から上がろうとして見知った顔が視界に飛び込んで来た。



「冷たいお飲み物でもいかが?」


玲奈が言った。



「れ、玲奈!?」


俊彦は驚いた。



「こんにちは★俊彦さん」


玲奈は、挨拶をした。



「き、来てたのか?」


俊彦は、動揺している(俊彦は、玲奈も好きではないのだ、そのお話もいずれ)。



「はい♪タオルですわ★」


玲奈は、俊彦にタオルを渡した。



「あ、ああ、サンキュ!ふぅ~~~!!」


俊彦は、玲奈からのタオルを受け取った。



「沙耶花さんも、はい!」


玲奈は、もう1つのタオルを沙耶花に渡した。



「あ、ありがとうございます・・・」


沙耶花は、おずおずと玲奈からタオルを受け取る。



 「沙耶花さん、ジュースあるわよ?はい★」


玲奈は、沙耶花に睡眠薬入りのジュースを渡した。



「ど、どうも・・・。コクコクコクン・・・・・」


沙耶花は何の疑いもせず、それを受け取り、飲み干した。



「俊彦さんも!はい★どうぞ♪スッ!」


玲奈は、俊彦にも飲み物を渡した。中身は・・・?



「あ、ああ・・・ゴクゴク・・・ゴク・・ン!?」


口に含んだ時の違和感と、喉が焼けるような感覚のものが通過したその時!



「あ、あれぇ~?な、なんだかあたし・・急に眠く・・・コテッ」


沙耶花は、その場にくたってなって倒れた。



「(ニヤリッ★)」


玲奈は、予定通り、と思い、ニヤっとした。



「!!!!!」


俊彦は、グラスを眺めながら、なんだ、これは?って顔をしている!



「どうしました?」


玲奈は、俊彦に尋ねる。



「ぐわ~~~!!!ボォ~~~~~~!(口から炎)」


俊彦は、口から炎を吹いている(笑)。



「あら?少し、強すぎましたかしら??」


玲奈は、おとぼけ感満載で言って見る。



「キシャ―――――!キシャ―――――!」


まるで、怪獣が暴れてるようだ・・・(苦笑)



「ジンウォッカのアルコール度86%は強すぎます?(´∀`*)ウフフ 」


玲奈は、そんな感じで言って見る。



「こ、殺す気かっ!!」


俊彦は、玲奈に言った。




「いえね・・・俊彦さん、お酒強そうだから、“キツめ”のをと、思いまして」


玲奈は言う。



「キ、キツ過ぎるわ!!ああ~~~頭がクラクラするぅ~」


俊彦は視界が歪んで見える。



「大丈夫ですか?俊彦さん!」


玲奈は、俊彦を抱えて言った。



「うううっ!ガクッ・・・」


俊彦は、気を失った。




「俊彦さん?俊彦さん!ユッサ!ユッサ!!」


玲奈は、確認のため、俊彦を揺さぶった。



「・・・・・・・」


俊彦は完全に気絶している。



「ニヤリッ★ススッ!」


玲奈は、ニヤリと笑い、亜矢子に合図を送った。



「あっ!“合図”だ・・・行かなきゃ」


亜矢子は、玲奈のところへ行く。



 「それじゃあ、亜矢子は、沙耶花を連れて行って頂戴」


玲奈は亜矢子に命令した。



「はぁ~い★」


亜矢子は、バイト代を貰っているので、喜んで返事した。



「こっちに戻って来るんじゃ、ありませんわよ?」


玲奈は、亜矢子に対して、釘を刺した。



「分かってますって!玲奈先輩★時給分はね」


亜矢子は、時給分は働きますよ、と言った。



「よろしい★」


玲奈は、満足そうだ。



「よいしょっと!お、重っ!!よろよろ~~~」


亜矢子は、沙耶花をおんぶした。




「・・・・・・・・」


沙耶花は眠っている。




「この子・・・ホントに40Kg無いのかしら?よいしょっと!このへんでいいかな?暇だから、玲奈先輩の様子でも見て来よっと♪」


ああは言われたが、玲奈が何をするのか気になった亜矢子は様子を見に行った。

           ・

           ・

           ・


「2人きりですわ~★」


玲奈は、待ちに待ったこの瞬間をどう堪能しようか申妄想を膨らましていた。



「・・・・・・・」


俊彦は起きない。



「(こっそり・・・と。居た居た♪えっと、確か8mmビデオが・・・・・コレで・・・うっしっしっしっ★)」


亜矢子は、何かあったときのために、ビデオカメラ持参で来ていた。



「愛しの王子様★きゃっ♪」


普段の玲奈とは思えない挙動であった。

学園や家で抑圧されてる分の反動は大きい。



「((ミ´ω`ミ))ジイィィーーー)」


亜矢子はカメラ越しに玲奈を見ていた。



「ああ♪とうとうこの瞬間(とき)がやって来たのですわ~★抱き締めちゃう♪えいっ!むぎゅ~~~」


玲奈は、妄想が現実になり、とても幸せを満喫していた。



「(あ~あ、見られてるとも知らないで・・・・まぁ)」


亜矢子は、玲奈の行動を一部始終撮影している。



「どうです?わたくしの体は??ポッ♪」


玲奈は、俊彦を抱き寄せて、そんなことを言う。



「(うわぁ~!あんなに身体を密着させて・・・沙耶花に見せたら自殺するかも!?)」


亜矢子は、少し戸惑った。



「きょろきょろ?」


玲奈は何やら、挙動不審だ。



「(ん?きょろきょろして、どうしたのかな??)」


亜矢子は、玲奈の動きが妙なので、目を離さず見ていた・・・。



「だ、誰も見てないですわよね?」


玲奈は、独り言を言う。



「(見てますけど・・・w)」

亜矢子は、玲奈を眺めていると・・・・・・・・・・・?




「ん―――――――チュッ♪」


玲奈は、俊彦にキスをした。




「ブハッ!!(思わず吹き出す亜矢子)」


亜矢子は、あまりの出来事に、声を出してしまった。




「何をしてらっしゃるの?亜矢子・・・(怒)」


仁王立ちの玲奈が亜矢子の前に居る。



「えっ?・・・・・げっ!!い、いつの間に!?」


亜矢子は、阿修羅顔の玲奈が立っていることにいま、気付いた。



「沙耶花のお守りは、どうなさいましたの?(怒)」


玲奈は、亜矢子に問いかける。



「あ、あははは・・・ちょ、ちょっとトイレに行ってそのついでに、ちょこっと様子見してただけですよ(汗)」


亜矢子は苦しい言い訳をしてみる。



「その手に持ってるのは、何ですの?(怒・怒)」


玲奈は、亜矢子の手にビデオカメラがあるのを発見した。



「えっ?あ、あれ??何で、こんなモノが。さ、さよなら~」


亜矢子は、とぼけながら、その場を立ち去ろうとした。



「お待ちなさい!」


玲奈は亜矢子を呼び止めた。



「びくっ!!」


亜矢子は、びくっと身体を震わせ、恐る恐る振り向いた。



「フィルム置いて行きなさい。亜矢子!」


玲奈は、指で示唆し、よこせ、と言っている。



「うううっ!はい・・・カチャッ。スッ!(ちぇ!)」


亜矢子は、いいのが撮れたのになぁ、と悔しがる。



「よろしい★これはわたくしが預かっておきます、ちゃんと時給分働きなさいね」


玲奈は言った。



「あい。分かりました・・・(涙)」

           ・

           ・

           ・


「ぷっ!(笑)」


瑞希は突然、吹き出した。



「どうしたの?思い出し笑いなんかして??」


麻美は、瑞希に言った。



「だって、さっき、更衣室で」


瑞希が思い出して言った。



「ああ・・・あれね・・・あはは(苦笑)」


麻美も思い出して、笑った。



「もう、おかしくって!!」


瑞希は、笑いが止まらない。



「あっ!出て来たみたい・・・」


麻美は、由衣がこっちに来るのが見えた。



「まだ、怒ってる感じみたいね?」


瑞希は、由衣の動きをみて、そう思った。



「ムスッ!(怒)」


由衣は不機嫌である。



「由衣ちゃん、とっても可愛い♪(すかさずフォロー★)」


麻美は、由衣に言った。



「えっ?ホント!?」


由衣は、単純だ。



「うん!」


麻美は、嘘は言わない。



「あはは★やっぱ、そうだよねぇ♪」


由衣は、単純。



「(単純!)」


瑞希は思った。



「さて・・・と、泳ぐか!」


由衣は、そんなことを言った。



「ねぇ?麻美!競争しない??」


瑞希は、麻美に言った。



「う、うん!いいよ★」


麻美は、答えた。



「ちょ~と!待ったぁ!!」


由衣は、これは、チャンスと思い、2人の間に割って入った。



「な、なに?」


瑞希は、聞いた。



「競争なら、あたしも!」


由衣が言った。




「はぁ?」


瑞希は、なんで?と思った。



「まぁ、いいじゃない★それとも、何?負けるのが嫌だからカンベンして欲しいとか?それならいいけど。フフン!」


由衣は、瑞希を挑発した。



「ムカッ!(怒)そこまで言うなら勝負してやろうじゃない!!」


瑞希は、負けず嫌いだ。



「じゃあ、何か賭けようよ!」


由衣は、自分の計画を実行に移す。



「いいわよ!何を賭けるの?」


瑞希は、由衣に聞いた。



「じゃあ、あの売店の飲み物を!」


由衣は、さっき見つけた売店を指さした。



「OK!麻美・・・ちょっと待っててね?コイツを叩きのめして、すぐに戻って来るから」


瑞希は、自信満々だ。



「う、うん。が、頑張ってね★」


麻美は、瑞希を応援した。



「麻美!号令よろしく★」


由衣が麻美に頼んだ。



「分かった!いい?」


麻美が、2人に言った。



「いつでも、どうぞ!」


瑞希が言った。



「OK!」


由衣も言った。



「よ―――――い!スタート!!」


麻美が号令を切った。



「やりぃ★あたしの勝ちぃ~♪」


由衣が勝った。



「くっ!ば、馬鹿な!!」


瑞希が、負けた。信じられないと言った感じで悔しがった。



「じゃあ、約束通り・・・売店にレッツゴー★」


由衣は、戦利品を貰うために、売店に向かった。



「くっ!ううっ!!し、仕方無い・・・・・」


瑞希は、勝負は、勝負なので、由衣に飲み物を奢る為に由衣に付いていった。



「いらっしゃいませ★何になさいます?本日は、プレオープンメニューとなっておりますのであしからず、ご了承くださいませ!お客様」


店員は、そう言った。



「スペシャルトロピカルドリンク★」


由衣は、なるべく高いのを言った。



「かしこまりました。1500円になります!」


店員は、金額は言った。



「せ、1500円!?」


瑞希は、驚いた。



「早く払ってよ!瑞希~~~★」


由衣は、瑞希に支払いを急かした。



「くっ!普通のドリンクなら500円なのに(怒)」


瑞希は、由衣を睨み付けた。



「お待たせ致しました。コトッ・・・・・」


店員は、由衣の前に飲み物を置いた。



「ゴキュ!ゴキュ!ゴキュ!プッハ~★美味い♪」


由衣は、一気に飲み干した。



「くっ!人の奢りだと思って、ガブガブ飲みやがってぇ!」


瑞希は、由衣の飲み方に腹を立てた。



「ごっちそうさん★美味しかったぁ♪」


由衣は、瑞希にお礼を言った。



「ゆ、由衣!」


瑞希は、このままでは収まりがつかない。



「ん?なぁにぃ??」


由衣は、返事した。



「も、もう1回・・・勝負しろよ?」


瑞希は再戦を申し込んだ。



「えっ?あたしは、別に構わないんだけど・・・ヤメタ方がいいんでないのぉ~?(挑発的♪)」


由衣は、瑞希を挑発した。



「うるさいっ!」


瑞希は、今度こそ、という思いが強かった。



「おお~怖っ!」


由衣は、何故か余裕だ。



「今度は、あたしが勝つ!!」


瑞希は、自信ありげだ。



「当然、次も賭けるわよね?」


由衣は、次の賭けの話をしてきた。



「当たり前だ!取り戻してやる!!」


瑞希は、乗り気だ。



「じゃあ、あたしが勝ったらパフェね★」


由衣は、デザートを希望した。



「麻美・・ごめんね?もう少し、待ってて!」


瑞希は、麻美に一言告げた。



「う、うん・・・いいよ」


麻美は、承諾した。やめればいいのにと思ったが、言う雰囲気ではなかった。



「じゃあ、麻美・・・また、号令よろしく★」


由衣が麻美に向かってお願いした。



「よ―――――い!スタート!!」

          ・

          ・

          ・

「イェ―――――イ★また、勝った~♪」


由衣が勝った。



「なっ!ば、馬鹿な!!ま、また・・負けた」


瑞希は、愕然としている。



「さ!売店にレッツラゴーよ★」


由衣は、意気揚々と売店へと足を運んだ。



「いらっしゃいませ~★何になさいます?」



「ミラクルジャンボパフェください!」


由衣は言った。


「かしこまりました。2800円になります!」


店員が金額を言った。



「に、2800円!?ギロッ!(睨)」


瑞希は、由衣を睨んだ。



「~~♪~~~♪♪(口笛中~)」


由衣は、瑞希と目を合わせない。



「うっぐぐぐ・・・ち、ちくしょぉ~!!」


瑞希は、サイフが軽くなっていくのを感じた。



「お待たせ致しました~★コトッ・・・」


店員が由衣の前に、注文の品を置いた。



「わぁお♪美味しそう~★バクバクバクバクバクバク・・・・・」


由衣は、さっきと同じように、一気に食べる。



「す、凄っ!!は、早い!!!」


冷たいデザートをカレーライスのように食べる由衣を見て麻美はびっくりした。



「こ、こんな筈では・・・・・」


瑞希は、少し半泣きである。



「プッハ~★食った!食ったぁ♪」


由衣は、ものの数分で食べ終えた。



「ゆ、ゆ、由衣・・・・・(声が震えてる・・)」


瑞希は、もう後には引けなくなっていた。



「何?もう、ひと勝負??」


食いしん坊の由衣は、勝負を受ける気満々だった。



「・・・・・ああ」


瑞希は、抑揚のない声で、返事した。



「しょうがないなぁ。いいよ★」


由衣は、OKした。



「よ、よし!こ、今度こそ・・・」


瑞希は、今度こそ、勝つと気合を入れた。



「甘いモノばっかで、今度は、辛いモノが食べたいなぁ~」


由衣がそんなことを言った。



「み、見てろ~~~!!!麻美!号令!!」


瑞希は、麻美に言った。



「は、はい!」


麻美は瑞希の気迫に押されて、返事をした。



「おお~!おお~!張り切っちゃってぇ♪」


由衣は、瑞希を挑発する。



「よ―――――い!スタート!!」

          ・

          ・

          ・

「悪いわねぇ~★また、勝っちゃって♪」


由衣は、大喜びだ。



「・・・・・・・」


瑞希は、黙った。



「いらっしゃいませぇ~★」


店員は、お得意様に満面の笑みで挨拶した。



「“金粉”入り焼きそばくださいな★」


由衣は、意味不明なメニューを注文した。



「ありがとうございまぁ~す★3200円です!」


店員は金額を言った。



「や、焼きそばが・・・さ、3200円!?」


瑞希は、そんなに高いの?っと今度は店員を睨んだ。



「お待たせしました~★ジュ―――!ジュゥ――――――――――!!」


店員は、由衣の前に鉄板の上でジュウジュウ言っているやきそばを置いた。



「キャ~★美味しそう~♪ガツガツガツガツガツガツ・・・」


由衣は、例のごとく、物凄い勢いで食べていく。



「・・・・・・・」


麻美は、熱くないのかしら?と思って無言で見つめていた。



「ううっ!さ、財布が軽くなって行く・・・このままだと、あたし今月・・・(泣)」


瑞希は、泣いている。



「ごっそさん★」


由衣は、満足そうだ。



「ゆ・・・」


瑞希は、名前を言う前に、由衣が食い気味に返事してきた。



「ま、また?あたし、もうお腹が重くて・・・」


由衣は、いったん、演技を入れて言う。



「あ?(怒)」


瑞希は、逃げるな、と言わんばかりに、由衣を睨みつけた。



「分かった!分かったわよ!!やるって!!!(汗)」


由衣は、瑞希の気迫に押されたフリをして返事した。



「(由衣は、かなり食べて動きが鈍くなってる筈!今度こそは、勝てる!そして、1番高いモノを注文してやる!!)」


瑞希は、由衣の策略にハマってることには、まだ気付いていないようだ。



「もう、お腹いっぱいになって来ちゃった。次は・・・」


由衣は、そんなことを言った。



「行くよ!よ―――――い・・・スタート!!」

            ・

            ・

            ・


「あと・・・少しだったのに。くっ!」


瑞希は、タッチの差で負けた。



「悪いわねぇ♪」


由衣が僅差で勝った。



「いらっしゃいませぇ~★」


店員さんは、ニコニコ顔だ。



「ゴージャスステーキ下さ~い★」


由衣は、言った(お腹が重たいんじゃなかったのか?)。



「ありがとうございまぁ~す★5000円です!」


店員は金額を告げた。



「うぐぅ!!さ、財布の中身がぁ~~~」


瑞希は、さすがにこれ以上は、超ヤバイと思った。



「焼き方は、どうされますか?」


店員さんは、由衣に聞いた。



「ミディアムレアで♪」


由衣は、言った。



「かしこまりましたぁ・・・・・はい!どうぞ~★」


店員は、さっと焼いて、さっと、由衣に出した。



「アムアムアムアムアム・・・ムシャムシャムシャムシャ・・」

由衣は、噛んでいるのか飲み込んでいるのか分からない速さで食べる。



「(あの小さい身体の一体どこに入ってるんだろう???)」


麻美は、由衣を見ながら思った。



「(こ、このままじゃ・・・・・お母さんに叱られる><)」


瑞希は、このままじゃ、家に帰れないと思った。



「あああ~~~!!!く、苦しい・・・も、もう入らない」


由衣は、言った。



「オイ!」


瑞希は、由衣に言う。



「えっ?ちょ、ちょっと!冗談でしょ??」


由衣は、演技した。



「やるよな?(怒)」


瑞希は、由衣を睨んでいる。



「うううっ!」


由衣は、演技中だ。



「勝ち逃げは、しないよな?ああん??(怒・怒・怒)」


瑞希は、言った。



「す、する!」


由衣は、逃げる気はないが、そう言ってみた。



「あんだってぇ?(怒・怒・怒)」


瑞希は、怒りを露にした。



「あうっ!あうっ!!」


由衣は、演技している。



「コレが最後だから!今まで使った金額の全額の倍額勝負な?現金の!!!(絶対に取り返す!!!)」


瑞希は、大勝負に出た。



「げ、現金♪や、やる!!」


由衣は、願ってもない瑞希の申し出に飛びついた。



「今まで12500円使ったから、2万5千円の勝負よ!」


瑞希は、金額提示をした。



「うひょ♪(コレは、オイシイわねぇ★うくくく・・・)」


由衣はニヤケ顔が止まらなかった。



「麻美!」


瑞希は、号令を急かした。



「は、はい!よ、よ―――い・・・スタート!!(あ~あ、瑞希さん・・・可哀相に)」

           ・

           ・

           ・

「そ、そんな・・・か、勝ったと思ったのに・・」


瑞希は、あと、ほんの指先1つというところで、負けた。



「ふぅ~!危なかった・・・途中、1回抜かれた時は、焦ったわ。危ない!危ない!!」


由衣は、ちょっと手ぇ抜きすぎたと、焦ったみたいだった。



「うううっ・・・(思わず泣きそうな瑞希・・)」


瑞希は、目に涙を溜めている。



「じゃあ、頂くモンを頂きましょうか♪」


由衣は戦利品の現金をよこせと言う。



「うっ!えっと、由衣・・そ、その・・・」


瑞希は、とても言いにくそうだ。



「なぁ~に?まさか、払わないとは言わないわよねぇ」


由衣は、なんとなく、分かってるのだが、わざとそういう言い方をした。



「は、払うよ!払えばいいんだろ!!た、ただ・・・」


瑞希は、後には引けないので、そう言ったがもうサイフの中身が悲しい状態だ。



「分割は駄目よ!一括ね!!」


由衣は間髪入れずに言う。



「も、もう・・持ち合わせが・・・・・その・・・」


瑞希は正直に由衣に言った。



「ああん?よく聞こえな~~~い★」


由衣は、わざとらしく言った。



「だ、だから・・・お、お金の持ち合わせが・・・」


瑞希は、しどろもどろだ。



「瑞希ってさぁ~嘘つきさんだったのぉ?」


由衣は、嫌な言い方をして、瑞希を追い詰める。



「うううっ・・・」


瑞希は、何も言い返せない。



「明日・・・学校で言いふらしちゃおっかなぁ~♪」


由衣はイタズラっぽくそう言った。



「ううう~~~!!!」


瑞希は、今にも泣き出しそうだ。



「スッ!(そっと瑞希に財布を手渡す・・)」


麻美は、瑞希の手に、そっと、自分のサイフを渡した。



「えっ?(あ、麻美・・・ありがとう)」


瑞希は、麻美に心からのありがとうを言った。



「どうすんの?」


由衣は、けしかける。



「ほら!受け取りな!!25000円!!!」


瑞希は、麻美のサイフから、お金を取り出して、由衣に渡した。



「わぁお♪ラッキー★臨時収入だ~♪ワーイ♪ゝ(▽`*ゝ)(ノ*´▽)ノワーイ♪ 」


由衣は、その場で踊りながら、喜んだ。



「(麻美・・・明日、学校で返すからね?ごめん!)」


瑞希は、麻美のそっと耳元で言った。



「(いいよ!いつでも)」


麻美は、瑞希にそう言った。



「麻美・・・ごめんね?待たせて。さ、泳ごうか!」


瑞希は、気を取り直して、麻美と泳ぐことにした。



「ちょ~と!待ったぁ!!」


由衣は、まだ、何か企んでいるようだ。



「何よ?もう、用は無いんでしょ!!(怒)」


瑞希は不機嫌なので、早く、由衣から離れたかった。



「負け犬にはね★キャハ♪」


由衣は、瑞希に言った。



「な、何だとぅ!?(怒・怒・怒)」


瑞希は、キレる。



「ちょっとぉ~?勝負に負けたからって八つ当たりは、ヤメテよねぇ~!全く・・・」


由衣は、瑞希に言う。



「ぐっ!く、くそ!!じゃあ、何よ?」


瑞希は、言い返せない。



「ねぇ?麻美ぃ~♪」


由衣は、何故か猫撫で声で言う。



「 ? 」


麻美は、足を止める。



「今度は、麻美と競争したいな♪」


由衣は、ターゲットを変えて来た。



「 っ!!! 」


麻美は、びっくりした。



「ねぇ?いいでしょ~♪」


由衣は、ニタニタしている。



「ぷるぷるぷるぷる・・・・・」


麻美は、ぷるぷるて、遠慮しますのゼスチャーをした。



「えええ~~~!!!なんでよぉ~?いいじゃなぁ~い★」


由衣は、食い下がる。



「ぷるぷるぷるぷる・・・・(手をブンブン振って断る)」


麻美は、嫌ですアピールを続ける。



「麻美は、嫌がってるでしょ!!ほら?行こう!麻美」


瑞希は、強引に麻美の手を引いて立ち去ろうとした。



「ちょっと、邪魔しないでよね!」


由衣が、行く手を阻み、そう言って来る。



「邪魔じゃないわよ!麻美が嫌がってるんだから、無理強いはよくないって言ってるのよ!!」


瑞希は、強気で言い返した。



「麻美!こんなの放っておいてさ~!!」


由衣は、麻美の手を引いて、勝負しようと言い張る。



「しつこいわね!あんたも!!大体なんで麻美との勝負を求めるのよ?何かメリットでもあんのか?」


瑞希は、由衣に核心をぶつける。



「(あたしは、さっき見たのよ!麻美が瑞希に財布を手渡す所を!大事な金づるを渡してなるものか!!アノ状態から察するに5万円以上は、入ってる筈!必ずGETしちゃる♪)」


由衣は、欲が深い。後で痛い目を見るとも知らずに・・・・。



「何・・・黙ってんのよ?」


瑞希は、言った。



「麻美は、体育が10だし・・・あたしとはいい勝負になりそうだから、競争してみたいだけよ★」


由衣は、そんなことを言って来た。



「競争だとぉ?」


瑞希は、言った。



「そうよ!何か文句ある?」


由衣は、言った。



「じゃあ、賭けは、無しか?あん??」


瑞希は、核心をつきつけた。



「そんなの賭けるに“決まってる”じゃん★」


由衣は、言った。



「それが“狙い”か!!お前は!!!」


瑞希は、怒りながら言った。



「うるさいわねぇ!負け犬は引っ込んでてよ!!関係無いんだからさ~~~!!!」


由衣は、瑞希に言う。



「くっ!コ、コノヤロ・・・・・」


瑞希は、今にも手が出そうだ。



「ねぇ?麻美~~~!!!」


由衣は、しつこい。



「や、やめとく・・・」


麻美は、はっきり断った。




「ええ?そ、そんな事、言わないでさ~!1回だけ!!ね?」


由衣は、かなり、しつこい。



「い、いやよ・・・」


麻美は、拒否る。



「お願い~~~!!!」


由衣は、マジしつこい。



「(あ~もうっ!しつこい!!)じ、自信無いから・・・」


麻美は、なるべく言葉を選んで拒否った。



「じゃ、じゃあさ~ハンデあげる!ハンデ!!」


由衣は、何が何でも金が欲しいようだ。



「ハンデ?(ふぅ~!少し、痛い目見せないと・・)」


麻美は、埒があかないと思い、こらしめる方向に変更した。



「そうそう!手ぇ抜いてあげるからさ~!!」


由衣が言った。



「どういう風に?(瑞希さんだけにしとけばいいのに・・)」


麻美は、誘導尋問を開始した。



「本気を出さないからさ!」


由衣は、言う。



「へぇ~?それって、さっきみたいなやつのこと??」


麻美は、由衣の策略を暴露し始めた。



「へ?(ドキッ)」


由衣は、咄嗟に瑞希を見た。

 


「えっ?どういう意味!?」


瑞希は、由衣の視線で、食いついた。



「最初は、様子見で力をセーブして泳いで・・・もう少しで勝てそう・・・って思わせておいて、何回も勝負に持ち込ませる。その後、段々と値段の高いモノを賭けさせて、最後は、倍額勝負で、見事、現金GET!狙い通りってわけ」


麻美は、由衣の策略を看破した。



「えっ?ちょ、ちょっと・・・(な、なんで、知ってんのよ?)(汗)」


由衣は、焦って後ずさりした。



「な・・・んだとぉ?(怒り爆発前・・)」


瑞希は、由衣ににじり寄った。



「いかにもお腹がいっぱいで苦しそうな演技をして瑞希さんをその気にさせ、バレないように常に僅差で勝つ!最後は、手ぇ抜き過ぎて本当に負けそうになって焦ってたよね?そんな戦略が私にも通用するとでも、思ったわけ?」


麻美は、言った。



「な、なんのことかなぁ?(脂汗ダラダラ・・)」


由衣は、瑞希との距離を取り始める。



「由衣!て、てめぇ~~~!!!(爆発5秒前・・)」


瑞希は、由衣との距離を縮み始める。



「私にハンデをくれたとして、まだ1度も“本気を出してない”由衣ちゃんに私が勝てる保証がどこにあるの?そんな挑発に乗ってあげるほど、私は、お人よしじゃないわよ?あまり、ナメないでね!由衣ちゃん!!」


麻美は、きっぱりと言った。



「や、やだな~!い、一体何の話なのかぁ~?あはは・・・」


由衣は、おとぼけするが、もはや通用するレベルではない。



「ちょっと、由衣“面貸せ”や!!(キレ)」


瑞希は、由衣に言った。



「あ、あれ?きゅ、急にお腹の調子が!!き、きっと食べ過ぎたのね?ちょっとトイレで出して来まぁ~す」


由衣は、逃げようとしたが、すぐ捕まった。



「がしっ!(由衣を掴む)」


瑞希は、由衣を逃がさない。



「な、何よ?で、出ちゃうじゃない!!(滝汗)」


由衣は、嘘で乗り切ろうとする。



「いい方法があるよ!由衣(邪笑)」


瑞希は、悪魔の笑みを浮かべて、由衣に言った。



「えっ?な、なに??」


由衣は、いい方法に反応した。バカだからね・・・



「ココで出せよ!手伝ってやるから!!うふふふ★」


瑞希は、本気だ。



「な、な、な、何言ってんのよ?冗談はヤメテよ!!こんなトコで出せるわけないし」


由衣は、焦っている。



「全く・・・いい度胸してんな~?由衣!」


瑞希は、由衣に言った。



「ま、待って!」


由衣は、瑞希の目が本気なのが分かって、制止を促す。



「ボキッ!ボキボキッ!(指鳴らし)」


瑞希の指鳴らしが始まると、秒読み開始である。



「お、落ち着いてよ・・・」


由衣は、言う。



「落ち着けだと?ピクピクッ!!(殺意)」


瑞希には、由衣の声は届かない。



「わ、わぁ~!ぼ、暴力反対~~~!!ジタバタ (((o(><;)(;><)o))) ジタバタ」


由衣は、暴れて、瑞希を振りほどこうとしたが無駄だった。




「ふんぬっ!バキッ!ドカッ!ドムッ!ドスッ!ベキッ!」




「しぎゃあああああああああ――――――――!!」


由衣は、悲鳴を上げた。




「フンッ!思い知ったか!!」


瑞希は言った。




「ぴくぴくぴくぴくぴく・・・・・・・」


由衣は、殺虫剤かけられた、ゴキブリのように、ピクピクしていた。





「ところで、麻美・・・」


瑞希は麻美に言う。





「ん?なに??瑞希さん?」


麻美は瑞希に言う。




「“いつから”気づいてたの?」


瑞希は、少し怒っている。




「えっ?あ・・・に、2戦目くらいから・・かな??」


麻美は、正直に話す。




「気づいてたのに、教えてくれなかったの?(にこにこ)」


瑞希は、だいぶ怒っている。




「えっ?あ・・だって・・その・・あの・・言おうとしたけど、言える雰囲気じゃなくて」


麻美は、そのときの気持ちを正直に言う。




「友達だと思ってたんだけど?」


瑞希は、かなり怒っている。




「だ、だから・・・そ、それは・・・麻美、合図!とか言われて、そっち優先っていうか」


麻美は、しどろもどろ・・・。




「面白かったか?あん??(怒)」


瑞希は、怒りが収まらないようだ。




「あうっ!(が、ガラが悪いよ?瑞希さん・・・)」


麻美は、どうやって、いさめようか考えている。




「内心笑ってたんだろ?えっ??(怒・怒・怒)」


瑞希は、麻美を問い詰める。




「(お金取られてアウトローみたいに・・・)」


麻美は、今は何言っても無駄っぽいので、黙ってしまった。




「何とか言えよ?コラ!!(怒)」


瑞希は、怒りの矛先を完全に間違えている。




「(こ、怖い・・)」


麻美は、瑞希が怖かった。




「う・・ううっ・・こ、この・・ゴリラ女め。(ボソッ・・)」


由衣が、意識を取り戻した。



「ピクッ!ちょっと、待っててね?麻美。ツカツカツカ・・」


瑞希は、由衣が言った悪口が聴こえて、トドメを刺しに行った。



「えっ?ちょ・・・うそでしょ???」


由衣は、瑞希の足の裏が見えて、冗談はやめてよ、の顔をした。



「ふんっ!ぎゅむぅ~~~!!!(思いっきり踏んだ)」


瑞希は、由衣の背中目掛けキックした。



「ぐぎゃああああ―――――!!せ、背骨がぁ~!」


由衣は、ゴロゴロと地面を転がる。



「あら?由衣・・・こんなトコに寝てたら、駄目じゃない?気が付かなかったわよ!!クスクスッ★」


瑞希が言った。



「こ、こ、こ、殺す気かぁ~~~ガクッ・・・・・」


由衣は、そう言って気絶した。



「じゃあ、お金は返してもらうわよ!由衣」


瑞希はそう言って、由衣に取られたお金を自分のサイフに戻した。



「・・・・・・・(気絶中・・)」


由衣は、気絶中のままである。





「お待たせ~!麻美・・・?い、居ない・・ちっ!逃げたな・・・そう遠くへはいってないはず!」

            ・

            ・

            ・

「はぁ~!危なかった・・・瑞希さんだって、自分から勝負に乗ったくせに。なんで、私が・・・・・ブツブツブツ・・ん?あ、あれは??もしや・・・・・沙耶花さんと亜矢子さん??何してるんだろ・・・・てくてくてく・・・(2人に近づいていく)」

               ・

               ・

               ・

「zzz~~~zzz・・・・・」


沙耶花は、おねむだ。



「あ~あ・・・たいくつぅ!幸せそうに寝ちゃってまぁ。なんだかあたしまで眠くなって・・・ウトウト・・う~~~ん・・・ムニャムニャ・・zzz・・・・・」

               ・

               ・

               ・

「ね、寝てる・・・みたいだけど?でも、この2人が来てるってことは、もしかして・・俊彦さんも!?きょろきょろ??どこに居るんだろう?この2人の近くに居そうな感じだけど・・・・・一人で泳いでるって事は無いと思うんだけど。ん?んんん??ま、まさか・・・アレ・・・は!タッタッタッタッタッタッ・・・・(麻美は見覚えのある人を見つけて、走った)玲奈さん!!」




「えっ?あ、麻美!?」


玲奈は、驚いて、麻美を見た。



「こんにちは」


麻美は、玲奈に挨拶をした。



「麻美は、誰と来たの?」


玲奈は、麻美に聞いた。



「瑞希さんと由衣ちゃんです」


麻美は、答えた。



「2人は?ど、どこに??(汗)」


玲奈は、聞いてきた。



「えっ?さ、さっき、はぐれちゃって・・さ、探してるトコ」


麻美は、咄嗟にそう言った。



「呼び出してもらったら?」


玲奈は、そんなことを言う。



「えっ?あ、い、いい!(見つかると怖い・・)」


麻美は、そんなことするほどでもないと玲奈に向かってゼスチャーする。



「そ、それにしても奇遇ですわね?(苦笑)」


玲奈は、とても気まずい。



「あれ?そっちに居るの・・・俊彦さん??」


麻美は、玲奈の脇に居る俊彦を見つけて言った。



「え、ええ・・・(ちっ!見つかった・・)」


玲奈は、なんて言って誤魔化すか考えていた。



「気分でも悪くされたの?何かグッタリしてる・・・」


麻美は、心配そうに俊彦を覗きこむ。



「沙耶花さんたちと遊んで疲れたみたいですわ!」


玲奈は、咄嗟にそんなことを言った。



「あ、それで、沙耶花さんと亜矢子さんは、寝てたのね」


麻美は、見たままを伝えた。



「そうそう!(2人はどうやら寝てるようね・・)」


玲奈は、しめしめ、と思った。



「じっ!(でも、何故玲奈さんと2人きり?)」


麻美は、そこで、疑問に思った。



「(うううっ!じゃ、邪魔よ・・・麻美!!)」


玲奈は、早く、元の2人きりに戻りたかった。



「うっ!こ、この匂いは、もしかして・・・?」


麻美は、お酒のニオイが苦手だ(そのお話はまた別のときに紹介します)。



「この匂い?お酒のこと??」


玲奈は、言った。



「ううっ!こっちに向けないで!!(涙目)」


麻美は、手で自分の口と鼻を押さえる。



「(へぇ~!麻美って、お酒に弱いのか・・・知らなかった)」


玲奈は、邪笑した。




「うううっ!」


麻美は、顔色が悪い。



「(麻美には悪いけど・・・)美味しいですわよ?ほら!」


玲奈は、悪意を持って、麻美にお酒のグラスを傾けた。



 「うううっ!や、やめて!!近づけないでぇ~~~(泣)」


麻美は、目に涙を溜めて、手であっちにやってというゼスチャーをした。



「(もう一息・・)あら?ごめんあそばぜ!バシャ!!」


玲奈は、麻美の身体にグラスのお酒をかけた。



「きゃっ!きゃ~~~~~!!!!!」


麻美は、お酒まみれになった。



「あ、あ・・・だ、大丈夫ですの?」


玲奈は、心配したフリをした。



「ダッタッタッタッタッタッタッ・・・・・・・」


麻美は、ニオイを落とすために、シャワー室へダッシュしていった。



「うふふふ★邪魔者は消えたわ。コレでまた2人きり♪」


玲奈、恐るべし!そこまでやるか?

              


 「バシャバシャバシャ!!!クンクン?ま、まだ匂いが残ってる感じがする・・・うううっ!気持ち悪い・・玲奈さん・・アレは、“わざと”だった!明らかに私に向けてグラスを引っ掛けた!許すまじ“玲奈”!!(何故か呼び捨ての麻美w)絶対に許さない!」


麻美は、怒った。



「しかし・・・どこへ逃げたんだ?麻美のやつ」


瑞希は、麻美を探してウロウロしていた。



「サササッ!(咄嗟に身を隠す)み、瑞希さんだ・・・」


麻美は、瑞希を発見、咄嗟に隠れた。



「荷物はまだあったから・・・外へは出てないと思うけど」


瑞希は、ブツブツ言いながら、麻美を探す。



「(荷物?そ、そう言えば確か・・・さっき・・・亜矢子さんの脇に・・・”アレ”が・・・)」


麻美は、荷物のことを思い出していた。



「他を探すか・・・・・。スタスタスタスタスタ・・・」


瑞希は、別の方角に足を向けて歩き出した。



「ふぅ~!行ったわ。それじゃ、早速・・・・・」

              ・

              ・

              ・

「ムニャムニャ・・・zzz・・・」


亜矢子は、グッスリおねんね中だった。



「あ、あったわ★8mm!・・・アレ?でも、フィルムが入ってないわ?ど、どうしよう??オロオロ?・・・でも、予備のフィルムが・・・どこかに?ゴソゴソゴソ(亜矢子の荷物を物色中・・)あ、あったわ!コレで・・・よし!」


麻美さん・・・ソレって、泥棒なのデハ!? ( →_→)ジロ! と思うのだが?



<再び玲奈は、イチャイチャモード展開中>



「あああ~~~!このまま時が静止して欲しいですわぁ~」



「(・・・・・・・・・・静止ね、“正視”出来ない内容で、制止したいわね)」

           ・

           ・

           ・

「イチャイチャ♪イチャイチャ♪(一人悦に入る玲奈)」


玲奈は、麻美に録画されてるとも知らずに、色々している。


<15分後>



「よし!バッチリ撮れたわ★後は、これを・・・・・」


麻美は、何やら、悪巧みを閃いたらしい。



「むっ!み、見つけた!!」


瑞希が言った。



「あっ!タッタッタッタッタッタッタッ・・・・」


麻美は、わざと瑞希に見つかり、タネを撒く。



「あっ!コラ!!逃げるな~~~!!!」


麻美は、瑞希を玲奈の近くまでおびき寄せる。



「ん?今、瑞希の声が聞こえたような??幻聴ね・・だって、わたくしは、今、とても幸せなんだもの♪うふふ★」


玲奈は、今の幸せの前には、何も聴こえないようだ。



「はぁはぁはぁ・・・・・・このへんでいいかな?」


麻美は、逃げるのをやめた。



「見つけたわよ―――!麻美」


瑞希は、麻美に言った。


 

「えっ?な、何か・・・用なの!?瑞希さん」


麻美は、とぼけてみた。



「惚ける気?」


瑞希は言う。そのとき、由衣の声がした!



「瑞希~~~!!!」


由衣が瑞希の名前を発しながら、走って来る。



「ん?」


瑞希が振り返った。



「見つけたわよ―――!!」


由衣は、瑞希を見つけて、そう言った。



「何よ?」


瑞希は、由衣に言った。



「お金を返しなさいよ―――!!」


由衣は瑞希に言った。



「なんのこと?きょとん??」


瑞希は、とぼけた。



「しらばっくれるな―――!!」


由衣は、激高した。



「何がよ?」


瑞希は、知らぬ存ぜぬでいこうとしている。



「あたしが気絶してる間に金を抜き取っただろ―――!!」


由衣は、言う。



「知らないわよ!他の人が盗ったんじゃないの?」


瑞希は、言う。



「何ぃ―――――!!じゃあ、身体検査するわよ!!!」


由衣は、瑞希を疑っている。



「そんな真似したら、ぶっ飛ばすよ!」


瑞希は、言った。



「じゃあ、返せよ!」


由衣は、言う。



「知らないって言ってるでしょ!!しつこいわねぇ」


瑞希は、言う。押し問答が続く。



「お願い~~~!返してよぉ~~~!!!(涙)」


由衣が突然泣き出した。



「何、マジ泣きしてんのよ?(汗)」


瑞希は、焦った。



「全部持って行かないでぇ~~~!!!(泣)」


由衣は、所持金0円なのです(笑)



「全部?」


瑞希はまだとぼけた。



「勝負の分はちゃんと返すから~~~余分に持って行った分は、返してよぉ~~~!!!(>_<)」


由衣は、瑞希に対して、悪いと認めて、そんなことを言った。



「コソコソコソ・・・・・そろりそろり・・・(ちょっと演技してみる)」


麻美は、瑞希に動きを悟らせた。



「どこへ行く気?麻美・・・(冷ややかな笑み)」


瑞希は、横目でしっかり、麻美を見ていた。



「ギクッ!」


麻美は、見つかった!のポーズをしてみた。



「話がまだ終わってないでしょ!(にこにこ)」


瑞希が言う。



「うううっ!」


麻美は、演技を続ける。



「ん?」


瑞希は、麻美の妙な挙動が気になった。



「サササッ!(後ろに隠す)」


麻美は、注意をそちらに引いてみた。



「今・・・“何を”隠したの?」


瑞希は、麻美に言った。



「ぷるぷるぷるぷる・・・・・」


麻美は、なんでもないよ、のゼスチャーを瑞希に向けた。



「サッ!」


瑞希はそれを見ようとする。



「ひょい!」


麻美は、それを交わす。



「ムッ!」


瑞希は、むっとする。


「ニコッ★」


麻美は、少し挑発してみる。



「ササッ!」


瑞希は、少し本気で踏み込んでみる。



「ひょひょい!」


麻美はそれを交わしてく。



「ムカッ!由衣!!ぴら♪(万札)」



瑞希は、お金をエサに由衣を使って麻美の補足に全力を注いだ。



「がってんでぃ♪がしっ!」


由衣はそう言って、麻美を捕まえた。



「あっ!」


麻美は、由衣に捕まった。



「なに?これ??ひょい!8mmビデオ?」


瑞希は、麻美が隠したものを取り上げて、怪訝そうに見ている。



「あ・あ・あ・・・な、中身、み、見ちゃ駄目~~~!」


わざとらしく、瑞希たちに、見るよう、そう発言した。



「何?何??何が映ってるの???」


由衣は、興味津々だ。



「今、再生してみるわ・・・」


瑞希は、再生ボタンを押した。



「み、見ない方がいいって!!(汗)」


麻美は、念を押すような言い方をした。



「何よ?気になる言い方ねぇ~」


瑞希は、言った。



「(わざとそう言ってるから♪くすくすっ★)」


麻美は、楽しそうだ。



「あっ!出るわよ?」


瑞希は、映像を観た。



「わくわくわく★」


由衣は、わくわくしたが、後に、ムカムカすることとなる。



「(わたし、知~~~らない♪)」


麻美は、この後、起きる惨事が分かっていた。


そこには・・・・・とても正視出来ないないような玲奈と(気絶中の)俊彦と

の痴態?が映し出されていたのであった!!



「ぐっ!な、ナメやがってぇ~~~!!!(怒り心頭)」


瑞希は、キレた!



「ま~た、抜け駆けしやがったな~~~!玲奈め~~~!!(怒)」


由衣は、キレた!





 「ズンズンズンズンズンズンズンズン!」

 「ズンズンズンズンズンズンズンズン!」


瑞希と由衣が、巨人が歩くような足音で玲奈に近づいていった。



「あ、あら?急に暗くなって??夕立かしら???」


玲奈は、瑞希と由衣によって、周囲が暗くなったことに気付いていなかった。



「楽しそうだな・・・え?オイ!(怒)」


瑞希は、玲奈に言った。



「何やってんの?(怒)」


由衣は、玲奈に言った。



「なっ!み、瑞希と由衣!!い、いつの間に???」


玲奈は、超焦った。



「ボキボキッ!(指鳴らし)」


瑞希は、玲奈に臨戦態勢だ。



「な、何か誤解してらっしゃるようですけど・・・」


玲奈は、ことのあらましを知らないであろう2人に適当に言いくるめるつもりだったもだが・・・?



「なにが、誤解だって?」


由衣が言った。



「2人でイヤラシイ事しておいて・・・ピクピク!」


瑞希が言った。



「な、なんのことですの?(汗)」


玲奈は、身に覚えがありすぎて、困った。



「そこで寝ているの、俊彦さんでしょう!!」


由衣が言った。



「ち、違うのよ!こ、これは・・・」


玲奈は、しどろもどろだ。



「いい度胸してるな?玲奈・・・」


瑞希は、メチャクチャ怒っている。



「だ、だから誤解ですわよー!俊彦さんが具合悪いって言うから介抱してあげてたんですわ。決してイヤラシイことなんてしてませんわよ?」


玲奈は、はっきりと言い切った。



「具合が悪いって言う人に胸でパフパフしたり・・・」


由衣が映像のことを言った。



「えっ?(ドキッ)」


玲奈は、なんで?って顔をした。



「キスしたり・・・」


瑞希も映像の一部のことを言った。



「なっ!(なんで知ってますの~~~?)(驚)」


玲奈は、ヤバイ!って思った。



「あんなコトやこんなコトを・・・・・」


とても口では言えないような内容です(自主規制?w)。



「えっ?ええっ??(な、何故、全部、知ってらっしゃるの?)」


玲奈は、パニックだ。



「覚悟は出来た?」


瑞希は、遺言を早く言えと言わんばかりに玲奈に殴りかかる寸前だ。



「抜け駆けは、許せないわよ?前回、言ったよね??玲奈」


由衣は、言った。



「お、お待ちになって・・・・・(涙目で訴える玲奈)」


玲奈は、冷静に話し合いましょうと訴えたが、2人が聞く耳持たなかった。



「問答無用だ!バキッ!ドカッ!ベキッ!ドスッ!」


瑞希は、撲殺する勢いで殴った。



「ガッ!ゴッ!ドスッ!ボスッ!ガスッ!」


由衣も、瑞希に負けじと、殴りまくった。


 

「た、たすけ・・・・て・・・うううっ・・ガクッ」


玲奈は、気絶した。



「フゥー!フゥー!フゥー!」


瑞希は、獣の吐息だ。



「ハァー!ハァー!ハァー!」


由衣も疲れている。



「ふぅ~~~!何か知らないけど“スッキリ”したわ★」


瑞希は、言った。



「あたしも、何かモヤモヤが無くなった♪」


由衣は、バカである。



「じゃあ、帰ろ♪ニコッ★」


麻美は、タイミングを見計らって、言った。



「そうね。ハテ!?何か“忘れてる”ような??」


瑞希は、言った。



「OK!・・・でも、何か“忘れてる”気が。ま、いいか♪」


由衣は、正真正銘のバカです(笑)



「(そのまま忘れてて♪)」


麻美は、心の中で、2人に対してそう思った。



瑞希は暴れてスッキリ★由衣も暴れてモヤモヤしたモノが無くなり、瑞希に全

財産取られたことなどスッカリ忘れていたとさ!(笑)

瑞希は自宅に帰った時、財布の中身が増えていたことに初めて気付く。

もちろん翌日、由衣には黙っていた・・・・・。




「ふわ~~~わ!ん?俺・・・どうしたんだっけ!?確か・・・玲奈に強烈な酒を飲まされて・・・よく覚えてねぇな~!ちょっと聞いて見るか!!オイ!玲奈!玲奈?ちっ!何だ?玲奈のやつ“白目剥いて”呑気に寝てやがる!!!」



俊彦くん・・・それは、“気絶”しているデハ!?(苦笑)

             ・

             ・

             ・

「ん―――ん?あっ!し、しまった!!あたしもウトウトしちゃって・・・寝ちゃったんだわ。ちら?もうすぐ2時間過ぎちゃう!!沙耶花は・・・・・って、まだ寝てる。一体、どんな睡眠薬を?ペチペチ!ほら?沙耶花!起きて!!ペチペチペチ!!!」



「う、う~~~ん・・・・・」


沙耶花は、中々起きない。



「お兄ちゃんが呼んでるよぉ~♪」


亜矢子は、言う。



「えっ?お、お兄ちゃん!?寝ぼけ~~~ぼぉ―――」


沙耶花がまだ寝ぼけてるようだ。




「お兄ちゃんのキスはいかが?」


亜矢子が言う。



「お、お兄ちゃんの!キ、キス!!パチクリ★(目覚める沙耶花・・)」


やっと、起きたわね。



「起きた?(やれやれ・・)」

「あ、あれ?亜矢ちゃん・・・あたし、何してたんだっけ?」


「覚えてない?」

「う~~~ん・・・・・・わかんない」


「ビーチバレーした後に沙耶花は、疲れて寝ちゃったんだよ!思い出した?」

「ああ!思い出した―――!!亜矢ちゃん!!!」


沙耶花が急に怒り出した。



「えっ?なに怒ってんの??沙耶花」


亜矢子は、聞いた。



「亜矢ちゃん、酷い!お兄ちゃんに見られちゃったじゃないか―――――!!うぇ~~~ん(泣)」

「ああ・・・“アレ”ね」


亜矢子は、思い出した。



「アレとは、何よ―――!!うわぁ~~~ん。バカバカバカァ~!ポカポカポカポカポカポカ!!!!!」


「イタタタタタタタ・・・・・痛いって!わ、わかったって、沙耶花、ごめんって!!」





「もう、お兄ちゃんに嫌われちゃったらどうすんのぉ?えぐっ・・えぐっ・・ぐすっ・・(泣)」


「嫌うわけないじゃん★ますます好きになってるわよ♪」


亜矢子は、フォローする。


「どぉしてぇ?ウルウル・・・(涙目)」

「だって、すごく嬉しそうだったじゃない!」


「えっ?ほ、本当??」

「(嘘★)うん!」



「(〃 ̄ω ̄〃ゞ エヘヘ」


亜矢子は、思った。単純な子は扱いやすいな、と・・・。


「さて・・・起きたんなら俊彦先輩と合流しよ★」

「う、うん・・・でも、何で沙耶花たち、お兄ちゃんと離れてるの?」


「そ、それは、俊彦先輩がそう言ったからよ?(汗)」

「えっ?そ、そうなの??なんで???」


「ま、まぁ、いいじゃない!ね?」

「えっ?う、うん・・・??」

           ・

           ・

           ・

「沙耶花たちは、どこへ行ったんだ?きょろきょろ??」


俊彦は、沙耶花の行方を探している。



「お兄ちゃ~~~ん!!!」

「さ、沙耶花!ど、どこに行ってたんだ?」



「あっちで寝てただけだよ?お兄ちゃんがそうしろって・・」

「そうそう!俊彦先輩が気分が悪いから、あっちへ行ってくれって!!だから、あたしたち2人向こうで休んでたんです!!!(汗)」



「そ、そうだった・・・か?」


俊彦は、首をかしげた。



「そうですよ―――!」



「ふーむ・・・」


俊彦は考え込む。



「と、ところで、き、気分はどうです?」

「あ、ああ・・・少し、頭が痛い」


「お兄ちゃん、大丈夫ぅ!?」

「あ、ああ・・・家に帰って寝れば治るだろ」


「そう・・・良かった」


「しかし・・・何か体に“気だるさ”が・・・・・」


俊彦はそんなことを言った。



「そう言えば沙耶花も寝てた割には・・・・?なんか、倦怠感があるよ~?」



「(沙耶花はともかく、俊彦先輩のグラスにも睡眠薬が盛られてたってこと?気だるさって、そういう事よね・・・?たぶん???)」



「どうしたの?亜矢ちゃん??」

「えっ?い、いやぁ~プールって、いつもこう・・・泳いだ後に気だるさが残るって言うか。あははは~~~!」


亜矢子は、そういって誤魔化した。



「そっか!そう言えばそうだね。そのせいかな~!?」

「まぁ、いい!そろそろ帰るか」


「うん!そうだね。亜矢ちゃん、今日はありがとね★」

「ううん!いいのよ★臨時収入も入ったし♪」



「りんじしゅうにゅう?って・・・なぁに??」

「あややや!な、何でもない!!こっちのこと(汗)」


「ふ~~~ん」

「じゃあ、帰ろう!・・・ん?アレ??ゴソゴソゴソ・・・」


「どうしたの?」

「8mmビデオが無いわ!」


「えええ~~~!!!ホントなの?亜矢ちゃん!」

「あたし、ちょっと探して来るね!アレお父さんのやつだから無くしたらシャレにならない!!」


「あたしも一緒に探すよ!」

「いいわよ!先に着替えて待ってて!!それじゃ!」


「あっ!亜矢ちゃん・・・」

「言われた通り、着替えて出入り口付近で待っていようぜ」

「う、うん。分かった!」




「おっかしいなぁ~?確かにバッグにしまってあったはずなんだけど・・・??あっ!そう言えば、玲奈先輩はどうしたのかな???きょろきょろ?で、でも、あまり近づきたくないので、やっぱヤメておこっと!あっ!あった!!あたしの8mm。でも、何で・・・こんなトコに?まぁ、いいや。あ、あれ?フ、フィルムが入ってる!?な、なんで?」


「亜矢ちゃ~~~ん!!!見つかったぁ?」

「あっ!さ、沙耶花・・・ま、まだ、着替えてなかったの?」


「う、うん。だって・・心配で」

「うん!フィルムも無事で」


「良かったねぇ~~~♪じゃあ、着替えて帰ろ★」

「そうね」



<着替え中>



「今日は、いっぱい遊んだね★」

「ええ」



「また、来ようね♪」

「そうね」


      

<出入り口付近>


「お待たせ~~~★お兄ちゃん」

「遅いぞ!沙耶花!!」


「ごめんなさ~い★」

「亜矢子!見つかったのか?」


「あっ!はい、ありました。えへ★」

「じゃあ、帰るか。」


「でも・・・」

「なんだ?どうした??」


「どうしたの?亜矢ちゃん??」

「確かに“誰かに持ち出された形跡”があるのよ!8mm」


「えっ?ど、どうして??」

「あたし、1回目に使用した時・・・フィルム“落としちゃって(玲奈先輩に没収されて・・)”無くしたのよ?でも、それ以降使用してないのに、さっき見つけた時にフィルムが“入ってた”のよ?おかしいと思わない?」


「お、おかしいよね?」

「ゴクリッ!み、見てみようかな?(ドキドキッ)」


「えっ?な、何か映ってるの??」

「分からないけど・・・た、多分」


「あたしも見ていい?」

「えっ?い、いいけど・・・まず、あたしが見てからね」


「えっ?一緒に見ちゃ駄目なの??」

「だって、何が映ってるか分からないでしょ?」

「う、うん・・・で、でも気になるし」

「見せないって言ってるわけじゃないから!ねっ?」



「う、うん・・・分かった」

「それじゃあ、巻き戻して・・・再生!っと。どれどれ・・?」


「ど、どう?何か映ってる??」







「ブッハアアアアアアアアアアアア~~~~~~~~!!!!!!!!」







「ど、ど、ど、そうしたの?亜矢ちゃん!?」

「あやややや!な、な、な、何でも無いわよ!!(滝汗)」


「じゃあ、沙耶花も見ていい?」

「駄目!駄目!駄目!駄目!駄目!駄目!」


「えええ~~~???な、何でよ―――!!」

「絶対駄目!!」


「さっき、見せてくれるって言ったのに~~~!!!」

「み、見ない方が身の為なのよ!沙耶花にとっては!!」


「どういうコト?それは??」

「とにかく、駄目よ!仕舞い・・仕舞い・・」


亜矢子は、バッグに仕舞おうとする。


「ちょっと!亜矢ちゃんだけ、ズルイ!!見せて!!!」

「あっ!ちょ、ちょっと!!駄目だってば~~~」


沙耶花は、バッグから強引に取り出そうとする。


「見るったら見るの~~~!!!」

「あ~ちょっと、もぎ取らないでよ―――――!!」


「えいっ!」

「あ、あああ・・・だ、駄目だって!ちょ、ちょっと!!」


とうとう、沙耶花は、亜矢子からビデオカメラを手にした。







「じぃぃぃぃぃぃ・・・・・・・えっ!?」








「あ~あ・・・・・・」



「うっ!うううっ・・・(涙)」



「だ、だから・・・言ったのに(汗)」



「うわぁ~~~~~ん!!!(泣)」

 


「ど、どうしたんだ?沙耶花!がしっ!!」


俊彦は、沙耶花の両肩に手を置いて言う。



「イヤ~!バシッ!!」


沙耶花は、俊彦の両手をはねのけた。



「えっ?(驚)」


俊彦は、なんで手が弾かれたか分からなかった。



「お兄ちゃんなんか不潔!!!」

「なっ!どういうことだよ?」



「具合悪いなんて嘘付いて、沙耶花たちを遠ざけてた理由が“コレ”だったんだね。お兄ちゃんの馬鹿ぁ!!!うわ~~~ん!タッタッタッタッタッタッ・・・・・・」



「オ、オイ!ま、待てよ?」

「あああ~~~!!!」



「オ、オイ!亜矢子!!一体何が映ってたんだ?」

「い、いや・・そ、そのぉ~~~!(苦笑)」



「いいから教えろ!!」

「で、ですから~~~(汗)」



「は、早く!沙耶花が行っちまう!!」

「俊彦先輩と玲奈先輩の“痴態”と申しましょうか・・・」



「んなっ!なにぃ~~~?」

「それを見た沙耶花がショックを受けたかと・・・」



「本当なんだな?」

「ビデオ見る限りでは・・・」


亜矢子は、俊彦にかいつまんで説明をした。



「くっ!明日、玲奈に問いただしてやる!!とにかく沙耶花を追い掛けなくては!!!沙耶花~~~!!!!!ダッダッダッダッダッダッダッダッ・・・・・(走り去っていく)」







「ん?・・・・・いや、待ってよ?明日、俊彦先輩が玲奈先輩に問いただす→先輩はきっと、亜矢子にそそのかされたと嘘を言う→原因は亜矢子になると俊彦先輩を言い包める→ターゲットが亜矢子に変更となる→俊彦先輩の怒りの矛先は亜矢子になる・・・・・ゾゾゾゾゾゾォ~~~~~!!!!!(恐怖)ま、ま、ま、待ってぇ~~~!!!さ、沙耶花~~~!!!!!(ダッシュで追いかける)」






その後・・・自分の“保身の為”に何とか、無事に沙耶花を言い包めた亜矢子。


そして、8mmの後ろの方には、玲奈が瑞希と由衣にボコられてるシーンが映っており、それを肴に亜矢子はその日、大笑いしながら過ごしたのは言うまでもない(笑)



<夜>


「あああ~~~何度見ても、夜のプールは不気味過ぎる~早く切り上げて一杯やりたいぜ~~~!!!」


夜に見回りをする警備員がそんなことを言った。




「うううっ・・・ううっ・・」




「な、なんだ??い、今・・・何か聞こえたような?(汗)」




「うっ・・ううっ・・」




「な、なんだ?このうめき声みたいな声は・・・?(恐怖)」




「あ~~~う~~~ガバッ!」




「ぎゃあああああ―――――!!で、出た~~~!ダッダッダッダッダッダッ・・・・・・(逃)」


警備員は、慌てて、逃げていった。

瑞希と由衣にボコられて顔中が腫れてしまったお岩さんみたいな顔になった

玲奈が警備員の前に、ドアップで現れたので、警備員はオバケと思ったようだ。




「ま、待って・・・・・い、いかないでぇ・・・た、たすけてぇ・・・・・」




深夜の夜に蠢く物体の正体は・・・・パラソルの下で引っくり返って蹲って

いた玲奈だった。人の気配を感じて、玲奈は助け起こして貰おうとしたが、殴られすぎて、上手く喋れず、呻き声みたいになってしまっていた。




抜け駆けをした玲奈の末路であった。おしまい♪(笑)

                        完








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夏はやっぱりプールだね♪ 黄昏の夜月(たそがれのナイトムーン) @night-moon-crisis

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