見え方と理由

@kemusi

第1話

7.8 2258

職場での出来事だ。要領の悪い人。悪く見えてしまう人がいる。この人は思いつきで部下に指示を出し、目に付く物から動かし、1度手を付けた物を中途半端で終わらしてしまう。そして、結局全部誰かに助けて貰うか、締切ギリギリになりやっと仕事を終わらす事が出来るのである。

私はこの人に指示を出され動かされる事が非常に嫌いだ。

でも、部下として手助けをしない訳にはいかない。この人を助ける事を仕事とし、それに対して給料が発生しているのだから。そして、よくよく考えて見る。

この人の「思いつきで動く」は「臨機応変に」。

「目に付く物から動かす」は「1番必要な物から」。

「1度手を付けたものを中途半端」も「臨機応変に必要なものから」こなしているようにも考えられない事はない。

この仕事場で私は、休み時間に同期としりとりをして遊んでいた。この時に生産性悪いよなー。なんて話をしていると通りかかった上司から生産性を求める仕事場じゃないから。と。考え方を変えられた。

実際に、要領悪くやっていても結局誰かが助けてくれるのである。期限内に。そしてその仕事を期限いっぱいにやっていれば他の大きな仕事から逃れられ、いかにも仕事がありますよ。とアピールできてしまう。そしてその仕事は効率を考え、早く仕事の終わった人にその仕事が回っている。

私は仕事を早く終わらせる事が良い事だと思って、早くこなしていた事がある。皆んなより多く汗をかき、手を動かしていた。自分で効率を考え、次の動きイメージで捉え、それをするのにやり易い場を作る。そこから私が得たものは、次の仕事。皆んなより早く終わった分、休憩。ではなく皆んなの仕事を手伝い、「協力」して。とよく言われた。

私は違うと思う。

協力。お互いを助け合う事だと思う。個としての能力にほとんど差がなく、向かう先が同じもの同士が助け合い前に進む事が協力。例えば1人で持てない重い木材を同じ目的地に運ぶから2人で協力しよう。これは間違いなく協力だと思う。

協調。向きは違うが、個の能力にもほとんど差がないがお互いがお互いに合わせる事だと思う。例えば1人で持てない重い木材を違う目的地に運ぶとする。あっちまで運ぶの手伝うから運び終わったら次こっちまで運ぶ手伝って。向きが違うが運ぶという目的が同じ時、運ぶ事を優先して考えお互いが合わせた結果が協調。

これらのどちらにも仕事を早く終わらせ、まだ終わっていない人を手伝う事は当てはまらないと考える。完全に一方的な援助だ。私は、何ヶ月か見守り、周りの人が私に協力してくれるのを待ってみた。その日はまだ来ていない。理由は簡単だと思う。私が協力しているからだ。誰かが助けてくれる。と思ってるんだろう。誰かが効率を教えてくれると思ってるんだろう。自分で考える事すらも他人任せにしてるんだろう。嘘つき。出来ないフリをして助けてくれるのを待ってるんだろう。本当に困ってる人はそんな顔してない。

クモがチョウチョに部屋に遊びにこない?って。そこで仲良く遊ぶのが理想だよ。でも、クモは部屋で待ってて、入ってきたチョウチョを食べるのが目的だろう?言葉を変えて目的をはぐらかすのはもうやめて。協力じゃない協力はしたくない。気分が悪い。ずるい。だから、下より使えない上がいい気になりそこに残るんだろう。そこに残れた上は大した考えもなく下を動かせるからまとまりが無くなるんだろ。まとまれないまとまりをまとめようとする。その動きが協力と思ってるんならもうかける言葉はない。1人で。1人で考えて前へ。ここを辞める時が来るかもしれない。それに備えて自分のスキルを上げる為に、もっと嘘つきが言う協力に協力してやろう。7.8 2338

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