第9話 悲嘆
◇◇◇◇◇
桔梗が消えてからの直比呂は、魂が抜けたような日々を過ごしていた。
『例え
という事実を、受け止めきれずにいたのだ。
「
瀕死の桔梗を胸に
「何故、こんな事になってしまったのだろう……」
直比呂に、波のように繰り返し押し寄せる「後悔の念」。
幾度も幾度も思い起こす血にまみれた
◇◇◇◇◇
清明が訪ねて来たと聞き、やっと床から
以前と同じ部屋に通されたはずなのだが、迎えてくれた直比呂のその変わりように言葉を失う清明であった。
(まだ三日程しか経っていないというのに、このお
清明は、心の動揺をぐっと飲みこんで静かに直比呂に声を掛けた。
「御加減はいかがですか? ちゃんとお休みになっておられますか?」
直比呂はその問いには答えずに、顔をゆがめながら
「清明様、桔梗は…… 桔梗は見つかりましたでしょうか?」
――
はんとら 立花佳奈 @kanat
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