番外☆後は若い人たちで
ジン
ロサンゼルスの高校では
転入を入学時期に合わせてもらったから
思いの外 、すんなり馴染めた。
こっちの同級生はみんな大人っぽくて
なかなか刺激的な高校生活が送れそうだ。
引っ越し、転校、に伴って
もうひとつ変化があった。
僕達の養父が実父になった。
ロサンゼルスに移って少し経った頃
僕とリョウカはリツ兄ちゃんにランチに誘われた。
二人で近所のカフェへ入ると
リツ兄ちゃんはもう座っていた。
「今日は二人に相談があるんだ」
「もう解ってるよ」
「やっぱり?」
「ママにプロポーズするんでしょ?」
「はい、そうです」
「賛成の人」
三人とも手をあげた。
「問題ないね」
僕が眉毛を上げて言う。
「ちびっこチームは大丈夫かな?」
「あんまり意味が分からないんじゃない?」
「もしもの時はサポートよろしく!」
リツ兄ちゃんが両手を合わせる。
「パフェで手を打ちましょうか」
事務的な口調でリョウカが言う。
「どうぞ召し上がってください」
数日後
リツ兄ちゃんが母さんとプールサイドへ行った。
「ジン!いよいよだよ!」
リョウカが興奮して、でも小声で僕に報告に来た。
僕達はリビングの照明を消して毛布をかぶり、窓の端っこから息を殺して見守った。
母さんの背中越しにリツ兄ちゃんの顔が見える。
見つかりませんように…
二人はしばらく何か話していた。
窓が閉まっているから聞こえない。
次の瞬間、二人はキスをした。
「はっ!」
リョウカが両手で口元を押さえた。
「リツ兄ちゃん、泣いてる…」
いつか、僕にもこんな日が来るのだろうか。
涙が出るほどの想い。
隣でリョウカが泣き出した。
ひざまくらの後は ぴおに @piony
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