第5話【スカイタワーの地下】
レイモンド「もうすぐ着くわよ。」
源蔵達の乗ったリムジンはスカイタワーすぐ近くの地下駐車場へと入っていった。さらに駐車場の奥へと向かう。そこには柵が立っており『立ち入り禁止』と書いてある看板が立っている。柵の前でリムジンは止まった。すると柵は自動で上へとあがり始めた。リムジンはまた動き出し、さらに奥へと進みだす。薄暗い中に明かりが灯っている場所があり、そこには車一台分の駐車スペースが一つだけあった。リムジンはそこに止まった。
源蔵「ここは・・・?」
レイモンド「まぁ黙って見てなさい。」
源蔵は落ち着かないのか窓の外を覗いたり、キョロキョロしている。
-----ピッピッピピッピッピ
リムジンの前方、運転席の方から何か電子機器を操作する音が聞こえた。
-----ガゴン
大きな音とともに少し車が揺れた。
源蔵「な、なにごとじゃ?」
するとエレベーターのようにリムジンごと下へと下がっていく。源蔵とたえは何が何だかわからず、焦るばかりだった。
源蔵「レ、レイモじゃなかった。レイちゃん!こ、これは!?」
レイモンド「フフフッ。ここまで着いてきてくれたこと、改めて感謝するわ。そして今から行くところは『スカイタワー』の地下よ!」
源蔵「地下って、『スカイタワー』の地下には・・・地下鉄が・・・。」
レイモンド「それのさらに地下!そこがあたし達の総本部なの!」
レイモンドは自慢気にドヤ顔で源蔵とたえを見た。
どのくらいの時間が経っただろうか。下に降り始めて約5分。今のところまだ付く気配がない。源蔵とたえは変なところに連れていかれるのではないかとどんどん不安になってきていた。
たえ「私たちどこに連れていかれるのかしら?ちゃんと生きて帰れるわよね?」
源蔵「あぁ・・・。」
レイモンド「いや、それは保証できないわ。たとえ無事に帰れたとしても・・・。」
たえ「え!?ど、どういうことよ!?」
レイモンド「それは・・・。あ、着いたみたい!外を見てごらんなさい!」
2人が外を見るとそこには巨大なスペースが広がっていた。パッと見は巨大な駐車場。色々な種類の車がたくさん止まっていた。源蔵たちが乗っているリムジンはそこへ向けて降りているようだ。リムジンの乗っているエレベーターは壁沿いにあり、似たようなエレベーターがたくさんあった。同じように車を乗せ上から降りてくるものや上へと上がっていくものもあった。
-----ダドン
源蔵たちを乗せたリムジンは下へと着いた。リムジンは少し走るとひと際目立つ巨大な扉の前に止まった。するとリムジンの扉が開いた。リムジンを降りると、家に来ていた黒スーツの男たちが立っていた。
源蔵「あんたらも来ていたのか。」
黒スーツの男たち「・・・・・。」
源蔵「どうやって来たんじゃ?」
黒スーツの男たち「・・・・・。」
源蔵「おぬしらホント似てるな。」
黒スーツの男たち「・・・・・。」
レイモンド「その子たちはよっぽどの事がない限りしゃべらないわよ。そう訓練してきたから。ちなみに似ているのは三つ子だからよ。」
源蔵「三つ子かぁ・・・。」
源蔵がそう言いながら男たちの顔を覗き込み、じっと見ていると少し顔が赤くなったような気がした。
源蔵「それはそうと、この扉でかいな!飛行機でも入りそう。」
たえ「(どっかのSF映画かよ!)」
レイモンド「でしょ~!スター〇ォーズみたいでしょ。ジャンボジェット機も入るとか入らないとか、信じるか信じないかはあなた達次第よ!」
レイモンドはそう言いながらたえの目の前に顔を近づけた。
たえ「(ち、近い・・・。)」
それを引き離すように源蔵が間に割って入った。
源蔵「ところで、レイちゃん・・・。あのスーツの男たちずっとこっちを見ているのだが、何者じゃ?」
レイモンド「えっ?あぁ、いいのよ。気にしないで。あの子たちはあたしの部下なの。常に一緒に行動しなくちゃいけなくてね。」
源蔵「さっき車にはいなかったが?」
レイモンド「あれはト・ク・ベ・ツ!」
そうレイモンドは言いながら源蔵にウィンクをした。
たえ「ねぇ、ねぇ。あのかわいい服着てる子たちは?」
たえの指差す先に制服のように同じ服を着て立ち話をしている女性たちがいた。
レイモンド「やっぱり分かる?あたしもそう思ってて・・・。この組織に入ったらあの制服もらえると思ってたのに、もらえなかったの~!あたしは男だからって・・・。男じゃなくてオカマなのにね~!」
レイモンドは頬を膨らませた。お世辞にも可愛いとは言えない。なんせおっさんなのだから。
たえ「じゃあ私、もらっちゃお!」
レイモンド「えっ!?じゃあ、じゃあ、あたしの分もお願い!ね!お願い!ね!」
そんな話をしていると後ろから声をかけられた。
???「レイモンド!!」
日本今昔伝 ー集結する5つの伝説ー やんぞー @yanzo_
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