主人公が過労で倒れたことがきっかけに、故郷に戻ってくるという物語ですが、そこに至るまでの経緯が中々心苦しく感じました。しかし、家族や隣人の青年のお陰で、彼の心と体が段々と回復していく様子が、丁寧に描かれています。反発しながらも、嫌いにはなれない相手と、どうなっていくのかが気になって、ドキドキしながら読み進めました。
過労で倒れた主人公。心配した祖父と叔父の提案で、空き家になる祖父宅に住むことになったのだが……年下なのに偉そうで寒いギャグを飛ばしてくる雄介に反発しながらも、心を開いていく春。誰かに頼ること。それは決して依存することとは違うんだというメッセージが暖かい物語です。