第3話昼間っから

「きゃあ!」

前方で女の人の声が響く

「通り魔よ!」

見ると倒れた女性の肩から血が出ている

犯人はいま走っている男だろう

「夏海、救急車。わたしは犯人捕まえて来るから」

「オッケー、わかった」

わたしは犯人に狙いをつけて走り出す

夏海もヤジをどかしているようだった


犯人は通りを走っている

あれぐらいなら追い付ける


犯人が道を曲がった

いまの犯人との距離は100メートルくらいだろう


わたしは一気に速度をあげる

そして通りを曲がった犯人を見つける距離は20メートルほど

犯人は追い付かれたことに驚き、戦闘態勢になっている

私は一気に距離をつめた

男はナイフを振り回す

それをかいくぐって犯人の二の腕を取り、手首を叩いて凶器を落とす

ナイフを落とされた犯人は殴りかかってくるがそれを平手で受けて押し返し、態勢を崩したところでみぞおちに肘打ちを入れる


犯人が倒れたところを抑え、手錠を取り出す

「午後13時12分、殺人未遂で現行犯逮捕」

素早く手錠をかけると援護を呼ぶ

「通り魔を現行犯逮捕しました、至急、虎ノ門一丁目、23付近まで来てください」

「目印は虎ノ門ヒルズ森タワーです」


約十分後、応援が到着し、犯人は無事逮捕された

犯人もよくこんな白昼堂々警視庁の前で事件なんておこすもんだ



「おえっぷ」

昼飯のすぐあとに走ったせいで気持ち悪い

仕事場に戻った私は机に突っ伏していた

「いやー、楓お手柄だねーって、どうしたの!?」

「昼飯のすぐあとに走ったから気持ち悪い」

「なるほど、ではわたくしが背中を叩いてあげましょう」

「や、め、ろ、!」

ほんとにこんなんでいいんだろうか?

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警視庁捜査一課~一人の女の話~ @hasikure0398

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