第2話






「どうせ何もできないくせにな」








「雑魚だなぁ」









「夢なんて描いて馬鹿みたい」










思い切り殴られる。

囲まれる。

クラスというのは団体というのは少しでもおかしい異様という存在のことを。

異様なまでに、それこそ異様なまでに毛嫌いして、その存在のことをはじき出す。

毎日いつ壊されるかわからない幸せにすがって、求めて、望んで、

何度も何度もなんで俺がっていつも泣いたり悔やんだり憎んだり、

殺意をむき出しにして、

何回も何回も何回も死にたくなるくらい殺したくなるくらい、

叫んでもがいて喚いて、それでも、無理で、

無駄なことなんてわかってて、不安でしかなくて、

守って欲しいのに守ってくれなくて、

手を伸ばせば届きそうなのにいつも何も掴めなくて、苦しくて仕方ない日々でさ、

毎日、かつての友人に牙を向かれ牙を向いて、信じてたからこそ、

優しかったからこそ、無意識に心傷つきまくって、、

それでも何とかしなくちゃって

血を流す姿も壊れたように笑う姿も苦しむ姿も泣いてる姿も、

たくさん、見てきたよ、

、、もう終わりにしてくれって、何回も願ったよ、

確かに、許されない罪をそれぞれ背負ってるのかもしれない、

当然の報いなのかもしれない、

諦めたように笑うけれどきついものはきつくて。

もうやめてくれ、そう叫べば我に帰る。





後ろにいたハルに笑顔をむければ何もないと偽る。

いつも通りを演じる。


















「またか」











修哉に聞こえぬようにそう呟く。

少し先で僕を待つ修哉に追いつけば

「早く行こ」なんて何もなかったのだとまたあえて偽った。

本当は何かを隠していることに僕は気づいていたのかもしれない。


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My name is a hero 天崎 瀬奈 @amasigure

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