最終選択

 少年の声がその方法を語り終えるとボイスレコーダーは酷いを上げて停止した。

 私は呆然としていた。

 少年が語った内容は、代わりの誰かを用意する。

 用意した代わりの誰かに同じ様に10秒前を繰り返させる事だった。

 あんな事を私にもしろと?でなければ抜け出せないと?

 私は悩んだ。

 悩んで、悩んで、悩み続けても答えは出なかった。

 出なかったが、それでも親しい者を差し出す訳ではないという答えに至った。

 行き付いてしまった。

 私は椅子に座りマウスを操作する。

 すると画面に何人かの顔写真が表示される。

 私と同年代の者から高校生ぐらいの者まで、私は親しい者がいない確認した。

 そしていない事が分かると適当にマウスをクリックして選ぶ。

 すると「タイム・リープ、10秒前!」という文字が現れる。

 タイトルの横には次のエピソードの執筆と書かれたアイコンがあった。

 それを押すとワードの様な画面が現れる。

 そうか、ここに内容を書けばいいのか。

 私は目を瞑る。

 そしてキーボードを操作して入力して行く。

 少年の様に残酷な死に方を強要はしないが、そうだ。

 私の人生の様に唐突に、これと言って前触れの無い不幸を用意しよう。

 私は誓う。

 必ずこれを書き上げて抜け出すのだ。

 これが、このタイムリープから抜け出す為に私が選んだ最後の選択だ。

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タイム・リープ、10秒前!<If>【Person who wrote.D.K】 以星 大悟(旧・咖喱家) @karixiotoko

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