第56話 東京で用事は済ませた。
女子会メンバーを乗せた車は北赤羽駅界隈を通過。
ある「分かりやすい目印」を探していた。
エリック「ああ、ありました。あのトラス橋ですね。」
橋の突端、左側に「浮間橋」、右側に「うきまはし」のプレート。
荒川支流に掛かる「分かりやすい目印」の浮間橋を渡ってすぐ右折し、荒川本流方面へ向かった。
エリック「すいませんが、車はここまでです。」
車が止められた場所は、芝が植えられている土手につづら折りのある細い舗装道路の突端。 車両通行止めの看板がある低いパイプフェンス。
見た目通り、歩行者と自転車は通行可能だった。
ステラ「エリック、ここで間違いないのね?」
エリック「うん、間違いないよ。」
ステラ「慌しかった感はあったけど、いい仕事だったわよ。今回は認めてあげる。」
エリック「ああー、ありがとう!!」
と、歓喜の声を上げた直後、ハッと気付く。
ミナコ、ティナ「・・・・・・」 熱視線。
エリック「おーまいがあーーっ!! なに見てるんですかーっ!!」
いつの間にかスタスタと上に向かっているステラ。
ミナコ「もう、指輪渡したんですか?」(笑)
エリック「その話はいいですからー! はやく上に行ってー!」
土手の上に待機していたのはヘリコプターではなく、オスプレイ型の第三世代機
だった。 DRAUGと、機体にペイントされている。
ティナ「うわぁ・・・ だいじょーぶ?これ・・・」
第一世代機の悪名は後世にも充分に知れ渡っていた。
ステラ「今はこれしかないそうなの。 さあ、乗って。」
【浮間地区荒川防災ステーション】とある、一階建ての建物に入ろうとしたミナコ。
ミナコ「あ、閉まってる・・・」
エリック「ミナコさん、あいさつなどの後始末はこちらに任せてください。」
ミナコ「何から何まで・・・ありがとうございました。」
こうして女子会メンバー3人は機内の人となった。
下を見れば、土手に連なる草むらの緑の中に灰色の長方形。
白くペイントされた丸印の中に、白いHのアルファベット一文字。
ゴーグル代わりのサングラスをかけたエリックが手を振っている。
ティナ「ステラさん、このまま直行で帰国ってヤツ?」
ステラ「さすがにソレは無理ね。 空港までよ。」
ティナ「茨城空港?」
ステラ「そう、イバ・ラッキー空港!」
ティナ(ああ、そう覚えてたんだ・・・)
疾走する灯台 もりおかねた。 @vespa100
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