「不味そうな食レポ」というタグに惹かれ、読み始めました。
主人公の若者が、彼の空想上の友達(?)である"くらやみももこ"と飲食店に入り、そこでの食事をレポートする内容となっております。
と書きますと、本作はありふれたグルメレポート本の類かと思われますがそうではありません。
主人公は暗い性格であり、また少しどんくさくもあるようです(そこも魅力的なのですが)。彼と食事の席を共にする"くらやみももこ"は主としてツッコミ担当で、主人公とのやりとりは夫婦漫才のようなコミカルさと温かさがあります。2人の会話に明るさがあるため、愚痴の多くなりがちな食レポとの間で絶妙なバランスが保たれています。
私が拝読させていただいた段階では、2章まで公開されております。幸いにもまだ連載中とのことです。
果たして主人公が「おいしい!」と感じる食事とは、どのようなものなのでしょうか?
その点に着目しながら、物語の続きを楽しみに待たせていただきたいと思います。
少しでも気になった方は、是非読んでみてください!
どうしてこの主人公は、某ジャンクフードチェーン店での食事で、ここまで大仰に表現出来るのだろう――半ば呆れつつ、げらげらしつつ、最終的にはちょっぴりしんみりする。まあそれなりに充実していそうな、ある一日。
「くらやみももこ」という美少女(推定)の形をした「心の闇」と会話しながら、主人公は入店、注文、実食とそれぞれのタスクを重々しくこなしていく。そのさまは完全に異能バトル文体のケレン味に満ちていて、なんでこれしきの出来事をここまで大げさに語れるんだ!? と目をみはる。
最初から最後まで、ただ大げさな食レポと言えばそうなのだが、エピローグは少し考えさせられるものがあった。何かを食べたいと思った時、人はいつだって「美味しいもの」に出会いたいのだ――