神と舞う、その傍目に
御堂紫音
序章 降り続いた雨はやんだ
轟々と、昨日まで降り続いた雨の影響で目下に広がる川は大きな音を立てていた。
その巨大な川の上に架かる吊り橋。
女はただ一人、曇り空の下その吊橋に佇んでいた。
かつて神が棲んでいるとされた場所。
それは聖なるものか、邪なるものだったか。
しかし、そんな事はどうでもよかった。
そんな事は今の自分にとってはどうでもよいのだ。
今、ここに存在している
ただそれだけでよかった。
女は何かに操られているかのような動作で徐に手を振り上げる。
その意思を持たない動きは操り人形のようであった。
そして、静かに、時に体を投げ出すようにして、吊り橋の上で器用に踊り出す。
–––––– 舞。
それは舞だった。
神へ捧げる、舞踊。
「どぷん」
女は身を川の中へ投げた。
自らをも供物とするかのように–––––
神と舞う、その傍目に 御堂紫音 @kururu123
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