おまけ:ぼくのわたしの 傷持ち大図鑑
本編中に出た能力、出せなかった能力をそれっぽく大解説するコーナー!!
これでみんなも女子高生と思春期の傷痕博士だ!!!
* * *
《危険度について》
耀太郎と明彦が後付で考えた、傷持ちの異能に対するランク付け。
本編ではサラッとしか触れていませんが、二人は捕縛した傷持ちの異能について、分かる範囲内のことを全て文章化して報告する義務があります。
A:超危険(耀太郎と明彦が切り札の使用も視野に入れるレベル)
B:危険(耀太郎が持ちうる道具、技術を総動員する必要があるレベル)
C:普通(道具などがあれば問題無く対処可能なレベル)
D:余裕(パチンコのことを考えながらでも対処可能なレベル)
E:超余裕(素手で充分対応可能な上にパチスロのことを考えながらでも対処可能なレベル)
* * *
~主人公ズの異能~
能力名:《切るやつ》
所持者:《御子柴 凛乃》
能力:相手に『切断』を発生させる。
危険度:A(能力自体)→C(凛乃本人の実力込み)
・表主人公である凛乃が持つ異能。便宜上耀太郎がそう呼んでいるだけで、中二的な能力名はない。(本人も気にしていない)
関西のおばちゃんみたいな、耀太郎の雑なネーミングセンスが光る。
誰かを傷付けたい強い攻撃衝動と、誰よりも許せないのは己であるという強い自傷観念により発現したと考えられる。
・自身の視界に映る人、モノに対し問答無用で『切断』する。対象との距離は関係なく、見えていれば発動可能。威力の減衰もない。
望遠鏡などで遠くのモノを見た場合でも発動可能。視力に強く依存する能力。
・ただし、発動の鍵となるのは凛乃自身の認識であり、よく見えていても凛乃が上手く認識出来ないもの(壁、天井など)には発動出来ない。
逆に、雑に見えていても(カッターの表面に映った相手など)相手が誰かハッキリ認識している場合は発動可能。
・一度に複数のモノを切断したり、その威力を調整することも可能。ただし、短時間で連続使用すると眼球の痛みに襲われる。
相手の防御力を無視出来る上に、当たればほぼ一撃、しかも回避不能なので非常に強力な異能なのだが、その分弱点もハッキリしている。
(凛乃の目が見えない状態、或いは相手が目で追えない状態、障害物や遮蔽物が多い状況など)
耀太郎は初手でそれを見抜き、あっさりと凛乃相手に勝利した。いわゆる初見殺し的な側面がある能力。
・凛乃は未熟なので、カッターナイフを用いた暗示により出力の調整を行っている。
カッターナイフが無い場合、かなり雑な調整になってしまう為、危険。
そのため、凛乃はカッターナイフをお守り代わりに常に持ち歩くようになった。あぶねえな……。
・何かが実際に対象を『切断』しているのではなく、その結果のみを対象に発生させることから、実は因果律操作に関連する能力。
相手を切っているのではなく、相手を切ったという状態に強制的に現実を書き換えているのである。
その為、使い手の凛乃が成長すれば、それこそ手が付けられない程に強力な異能として成長する可能性があった。
が、耀太郎の方針が能力のダウングレードであり、本人もそこまで考えていないので、あってないような設定。
※余談だが、初期設定では凛乃はひたすらリストカットを繰り返す超メンヘラ女子高生だった。
一回リスカすれば一回発動可能……的な、DTBの契約者かお前という感じだったのだが、耀太郎のキャラとそぐわないので、今みたいな真面目系バカ女子高生になったぞ!
カッターナイフが彼女の象徴であり重要アイテムなのはその名残です。
能力名:《
所持者:《四ツ葉 明彦》
能力:あらゆる異能の創造。また、異能そのものをデータ的に取り扱える。
危険度:S(測定不能)
・ヒロインなのか何なのかよく分からない、TS系相方である明彦が持っている異能。ウロボロスそのもの。
本当はもっと長くてカッコイイ異能名があったが、今では恥ずかしいので封印した。
また、作中ではもっぱら耀太郎が《アレ》だの《切り札》だの呼ぶので、実際はそっちで通っている。
この世に深く絶望した上で、何もかもに復讐してやろうと思った結果発現したと考えられる。
・文字通り「何でもあり」。まさに思うがまま全てを手にすることが可能。
全盛期の明彦と耀太郎はこの異能を使い、ウロボロスとして大暴れしていた。
時止めとか分身とかワープとか……まあつまり、一般的なクソ強能力を振り回していたのである。
・《痣持ち》と呼ばれる明彦は、二十歳を超えても異能が消失していない唯一の例外。
ただし加齢により劣化はしているようで、全盛期は10個以上異能を同時に扱えたが、現在は同時に3つが限界。
また、身体にかかる負担も尋常ではなく、今では3つ使うことすら稀。
発動自体が明彦の身体を蝕む諸刃の剣の為、滅多なことでは耀太郎は使わせない。
・過去に一度創った能力は、すぐにもう一度創ることが可能。能力内容によっては創るのに時間が掛かる。
また、セットしている能力を入れ替えることにより、実質的に無限の異能を保有しているに等しい。
そもそも、異能を同時に二つ以上使うこと自体、ウロボロスにしか出来ない特権である。
劣化したとは言うが、それでも本気で明彦が戦った場合、勝てる相手はほぼ存在しないと思われる。
・対傷持ち戦でも反則級の能力を持つ。相手の能力を「コピー」「ペースト」「カット」「デリート」が可能。
もっぱら使われるのはデリートのみであるが、相手の異能を根本から瞬時に消すというのは、ウロボロスにしか出来ない。
が、これも現在では身体の負担が大きい為、危険度Aの能力者にしか使用しない。
因みに、コピーした異能をペースト出来る相手は耀太郎のみ。0から異能を創るのが面倒なあなたに……。
・長時間の発動が出来ないのと、明彦自身はそこまで戦闘のセンスがないのが弱点らしい弱点。
能力名:《
所持者:《伊庭 耀太郎》(便宜上・実質的には四ツ葉 明彦のもの)
能力:『子機』。『親機』である明彦が《身喰らう蛇》を発動した際、特殊な段階を踏むことで同様の能力を劣化行使可能。
危険度:E~A(『親機』のセット能力により変動)
・裏主人公である耀太郎が持つ切り札。命名者は明彦。自発的に使用出来ず、完全に明彦に依存する、異能に満たない『亜能』。
幼少期から精神的にクッソ頑強な耀太郎は傷持ちにならなかった。
ただし、蛇の使いとして与えられたこの能力で、全盛期はウロボロスの手駒として大暴れしていた。
・文字通り「何でもあり」その2。明彦が現在使える能力を、そのまま劣化した状態で使用可能。
ただし劣化とあるが、耀太郎の天才的なセンスと単純な暗示の掛かりやすさにより、強制的に出力を上げている。
結果として、本体である明彦よりも上手く立ち回れるようだ。
・発動には明彦と同調する必要がある。精神世界で同調を行うか、或いは実際に肉体を触れ合わせるかの二択。
前者は相手に任せ、後者は互いの親指を口に含み、擬似的な円環を形成することによって発動する。変態やんけ!
物理的に二人の距離が離れていても、前者の方法で発動可能なのだが、あくまで明彦側からしか呼び掛けが出来ない。
どう足掻いても、耀太郎から明彦に精神的なアクセスを行うことは出来ないようである。
・本編では能力を「容れる」とあったが、実際は既に耀太郎へ容れている能力のフラグを明彦がオンにする、という認識が正しい。
(新規で何か創った場合は、文字通り容れる必要がある)
つまるところ、耀太郎の中には無数の異能が眠っているのだが、それらを一切合切自分では扱えない状態なのである。
・使える能力は、現在明彦が発動している能力であるため、明彦が能力を入れ替えた場合、耀太郎のも入れ替わることになる。
二人で別々の異能を使う……ということは不可能。
また、何もかもを明彦に依存している為、彼女が意識を失っている場合や、能力を使えない状態にある場合、耀太郎も一切の能力行使が出来なくなる。
・因みに、能力の創造、コピーやデリートなど、《身喰らう蛇》に備わっているオリジナルの能力だけは使えない。当たり前だね!
* * *
~作中に登場した異能~
能力名:《
所持者:《飯間 春》
能力:自身の動きに追従する影を喚び出す。影に破壊力はない。
危険度:D
・やさぐれ元ボクサー、飯間が持つ異能。本編未登場!!!
殴り合いで優位に立ちたいという本能的な欲求の結果発現したと考えられる。
・一見すると弱い能力だが、飯間自身の戦闘力が高いので、総合的に見ると割と強め。
が、本人が異能の消滅を選び、耀太郎とまともに戦わなかったので日の目を見ることはなかった。
能力名:《
所持者:《櫛名田 氷雨》
能力:周囲の気温を下げ、冷気や氷を操ることが出来る。
危険度:C
・やさぐれ女子高生、櫛名田が持つ異能。名称は本編未登場!!!
あらゆる人、物事に無関心・無感情・冷血にあろうとした結果発現したと考えられる。
・異能名については、本人が自己申告しない限り耀太郎達に知る術がないので、出て来ないことが多いです。
異能バトルを小説で書く場合の命題かもしれないですね……。
最終的に本作は地の文がペラペラと喋り出すという意味不明スタイルとなりました。全然スタイリッシュじゃないですね。
・能力自体はシンプルながら応用性に富み、氷柱を飛ばす遠距離攻撃や氷の剣による近接格闘、薄氷の壁による防御、相手の足元を凍結させる補助……と、実に様々な使い方が可能。
また、単純に気温を下げて相手の体力を奪うことも出来るので、普通に考えればかなり強い。
が、相手が異能慣れしたチンピラであり、全く歯が立たなかった。残念!
・発動時は髪の毛の色が白色になり、時間経過と共に元の色へと戻る。(=発動時間が限られる)
また、ある程度は保護されるものの、自身も冷気に蝕まれる為、長時間使うと危険。
・櫛名田は何やら事情を抱えており、色々背景がありそうだったが、「そんなん関係ねえわ」が本作のテーマの一つなので、まるで意に介さず捕縛されてしまった。どんなテーマなんだ……。
能力名:《
所持者:《山田 大路》
能力:自身に好意を持つ異性の異能を完全にコピーする。コピー数に上限はないが、発動は一つずつに限られる。
危険度:E(将来的には測定不能)
・ハーレムラノベ主人公系高校生、山田が持つ異能。名称・能力内容共に本編未登場!!!
何かよく分かんないけどすごい都合が良い感じに発現したと考えられる。
・本編では櫛名田の能力をコピーしたように見えたが、実際は櫛名田限定ではなく、条件付きで様々な異能をコピー可能な、非常に強力な異能。
見方によれば《身喰らう蛇》に迫ることも可能なのだが、芽が出てすぐに摘まれてしまった。
もし傷持ち百人から好意を持たれれば、百人分の能力をコピー出来る。更に能力は一切劣化せずにコピーする。
ただし相手の好意が薄れた場合、コピーしていても失われてしまう。コピー先がもし死亡した場合、死後の想念によって左右される。
・コピー出来る条件は
①山田が相手の好意に気付いていない・応えていない
②山田が自分の異能について完全に理解が及んでいない
③山田が相手の異能について知っている(実際に見たことがある)
④山田が特定の相手へ気持ちが傾いていない
⑤山田が童貞である
……という条件をクリアすれば(無意識的に)行われる。一つでも条件を違えた場合、一切発動が出来ない。何だこの能力!?
因みに相手が表面上好意を持っていなくても、心の内で持っていればコピーされる。櫛名田はこのパターンだった。
・非常にユニークで草が生えそうな異能であるが、生憎と山田は端役なので活躍する機会はなかった。
後に耀太郎が、今まで見た異能の中で一番キライな異能だと語ったという……。
能力名:《
所持者:《黒澤 暁留》
能力:無能力者を意のままに操る。
危険度:A
・本編上のラスボス? である黒澤が持つ異能。
常に他者への支配欲があり、更に差別心の塊であったが為に発現したと考えられる。
・耀太郎と明彦は、記憶や感情などを操作する能力を特に危険と定めており、それに則って危険度は最高ランクとなっている。
黒澤自身の戦闘力は大したことがなく、また能力が傷持ちには一切効かないのが最大の弱点。
本編では傷持ちである凛乃、そして亜能力者である耀太郎には通用せず、後者は特に敗北の糸口となった。
・操作する条件は
①黒澤が操作したい相手の視界に十秒以上入る
②黒澤が操作したい相手と会話する
③黒澤が操作したい相手に直接触れる
以上のどれかを満たせば可能。無能力者は黒澤と遭遇した時点で操作されると考えていいだろう。(効果が出るまで若干の個人差はある)
因みに、操作された側はその実感が薄く、何となく自分の意識で動いているようでいて、実態は黒澤の都合良く動かされている。
黒澤が操作強度を上げた場合は、夢心地のまま操られることになる。
なお行動だけではなく、会話も操ることが可能。
・操作出来る人数に上限は無いが、同時操作の人数が多すぎると、別個簡単な操作しか出来なくなる。
また、条件を満たしても必ず操作されるわけではなく、いわゆる「スイッチ」を黒澤が入れた場合、操作状態に入る。
そういうわけで黒澤はとにかくその辺の人間すら操作待機状態にしておき、警察や消防など重要な組織に対してはすぐに手を打っていたようである。
操った人間は絶対に黒澤に逆らえない。並びに、黒澤の命令を可能な限り絶対遵守させられる。
つまり操って死ねと言ったら相手は死ぬ。ギアスかな?
能力名:《
所持者:《林田 伊八》
能力:触れた人物の五感のいずれかを奪う。
危険度:B
・黒澤とゆかいな仲間たち、その1。
幼い頃に難病で五感がいずれも薄れていた結果、鬱屈した考えを抱き発現したと考えられる。
・五感、即ち視覚、嗅覚、聴覚、味覚、触覚。これらのいずれかを発動一回につき一つ奪う。
どれを奪うのかは指定できないが、何を奪ったのかはその都度判別可能。
一度触れれば一回発動なので、五回触れれば相手を完全に無力化することが出来る。
突然五感を奪われた相手は、そのショックにより発狂するというが、実質ゴリラの耀太郎には通用しなかった。
とはいえ、見たまんま強力な能力である。初手で視覚を奪えた場合、ほぼ勝ちが確定する。
・弱点は一人にしか発動出来ないという点と、相手に直接触れなければならないという点。
また、味覚や触覚を初手で奪ってもほぼ意味が無いという点。
相手が複数人居るチームの場合や、敵の戦闘力が高く触れるのが難しい場合、ある程度運頼みであるこの能力はややリスキーである。
能力名:《
所持者:《岡本 克郎》
能力:自身の身体を硬質化させる。
危険度:D
・黒澤とゆかいな仲間たち、その2。
どうであれ己の考えを一切変えないという強固な意志で部分から発現したと考えられる。
・自身の身体を硬くする、ただそれだけの能力。硬度はある程度自分でコントロール可能。
全身のどこでも硬くすることが出来る……って言うとなんだか卑猥だ!
単純に攻防に優れるが、あまり汎用性に富まない。
ただ普通に戦うと強いと思われる。相手が悪かったね!
能力名:《
所持者:《島田 幹平》
能力:手を翳した相手へ加重を与える。相手との距離が近いとより強力になる。
危険度:C
・黒澤とゆかいな仲間たち、その3。
他者からの抑圧とその解放に腐心した結果発現したと考えられる。
・相手に対し加重を与える……つまり何か上からプレスされる感覚。
威力はある程度コントロール可能であるが、最大威力を出す為には相手へ接近しなければならない。
最大威力だと軽トラもぺっちゃんこになるらしい。耀太郎以外だと死んでたね!
能力名:《
所持者:《菊池 大》
能力:平面上にフルネームで指名した人物のリアルタイム映像を映し出す。
危険度:E
・黒澤とゆかいな仲間たち、その4。
相手のプライバシーへの過剰な関心が爆発した結果発現したと考えられる。
・平面上、つまりは鏡や壁やスマホなど、何でもいいのでそこに指定した人物の映像を映し出す能力。
相手のフルネームは漢字まで把握する必要がある。
同姓同名がいる場合は全員分表示されるので、その場合は相手の顔も知っておかねばならない。
・単体では一切の戦闘力を持たないが、表示した相手に対し他のメンバーの異能を発動可能。
この組み合わせにより、凛乃の両親を間接的に殺害した。
・いやらしい(直球)
能力名:《
所持者:《片山 九子》
能力:風を自在に操る。
危険度:C
・黒澤とゆかいな仲間たち、その5。
家族との折り合いが悪く常にフラフラしていた結果発現したと考えられる。
・風を自由自在に操るという、シンプルながら応用性に富む能力。
相手を吹き飛ばす、風に乗って高速移動、風の刃で不可視の攻撃を与えるなど、中々に便利。
特に風の刃は高威力であり、非常に危険。ただ相手が悪かった。
・能力の性質上、風の通りがいい場所だと威力が向上する。
屋内だとそれなりに能力が制限されるようである。
能力名:《
所持者:《久蔵 奈那》
能力:対象の傷の治りを爆発的に高める。
危険度:E
・黒澤とゆかいな仲間たち、その6。
他者を傷付けたくないという思いと、相手が悶える姿を見たいという相反するものを抱えた結果発現したと考えられる。
・相手の怪我を治す、いわゆるヒーラー。対象に直接触れていると発動。
ただし、本人が怪我とは思えないものについては治らない。(切られた髪の毛など)
また、治癒している最中は相手が強い掻痒感に襲われる。これは本人の隠れた嗜虐性の表れである。
・危険度は低いが、相手を癒す力というのは傷持ちの発現事由からすると起こりづらく、地味にレアな能力。
女子高生と思春期の傷痕 有象利路 @toshmichi_uzo
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