KJ(クソ上司)杯 『ヒステリック珍選手』

中田祐三

一話『ヒステリック珍』

 はい! 社蓄の皆様おはようございます。


 第23回KJ(クソ上司)杯決定戦の始まりでございます。


 解説は私、社蓄一筋30年、仕事のためなら女房と子供よりも優先……してましたがあっさりリストラになり家族にも見放されて絶賛後悔中の社蓄一郎(シャチクイチロウ)と


 はい、パワハラとサービス残業で精神破壊されていまだ投薬通院中、明日の今頃は死んでるかもしれない自己 責任(ジコ セキトウ)がお送りします。



「社畜」 自己さん、今回のkJ杯も凄い選手達があふれ返っていますね。 チームの中心のKJ選手達を一人一人紹介していきたと思います。


「社畜」 なお今回紹介されている選手達は実際の人物また団体とは一切関係無いことをここにあらかじめ明言させてもらいたいと思います。

 

「自己」 素晴らしき危機管理(笑)ですね。 これ以上は『空気が読めない』と思われるかもしれないので選手紹介を始めていきたいと思います。


「社蓄」 さてまずは今回のチームは名門○○ですが、元チームは戦前から続く長い歴史を誇ります。 おそらくこの国で知らない人は間違いなく存在しないと言い切れるほどの名門チームですね。


「自己」 はい、長い歴史を誇るだけあって日本魂(笑)を十分に蓄積させたチームです。


「社畜」 そう言っているうちに選手入場です。 まずトップを飾るは若きエース珍元です。


「自己」 この選手は素早い責任転嫁と逆切れに定評のある選手ですね。 おや?見てください、ちょうどこの選手の特徴を早速見れそうですよ。 


「社畜」 これはトラブルについて連絡を受けているようですね。 どうやら時間責任者のようなので判断を求められているようですが?


「自己」 見てください。 ここから凄いですよ


「社畜」 おっと~、電話してくるなって言ってるんでしょうか? しかも確認してくれという言葉にも逆ギレで反撃して即効で電話切ってますよ


「自己」 素晴らしい頭脳プレイでしょ? ここで下手に判断して何かあったら自分の責任になりますからね。しかもここからが凄いですよ?


「社畜」 これは現場近くにいた平社員に文句を言ってます。 なんとそちらにも電話してくるなと言ってますね。 これにはさすがに平社員も反論してますが……おっと即効でカウンターだ! 俺は判断出来ないんだから電話してきてもそうだね問題ありますねとしか言えねえんだ~~~!だから俺に持ってくるんじゃねえ~~!!!(裏声)と。素晴らしくキレのあるカウンター(詭弁)と高音でしたね。


「自己」 先ほども言いましたが彼はこの時間の責任者ですので、何かしらの指令を出さなければいけないのですが、激ギレとヒステリックな罵倒で見事こいつに何を行っても無駄だと思わせるのが上手いんですよ。 これで動いてくれないからと報告しなかったらその場の人間の責任になりますし、僕は何も知りませんでしたと言い張れますからね。 この選手はこういう高速の逆ギレとヒステリックなワークスタイルによってヒステリック珍という異名があります。


「社畜」 おや~? 今度はトラブル発生して電話で報告しているところですね。現在進行形で不良品が発生しているという状況ですがどんな判断を下すのか~? 

ここは流石に現場にすぐに走りこむというところですかね? 自己さん


「自己」 いや~甘いですね。 そんな普通の判断をする選手ではないですよ?

ほら見てください、常識外れなプレイに現場の新人も呆然としてます。


「社畜」 なんと「俺にはどうしようも出来ないからさ、行ってもしょうがないでしょ?」という信じられない一言が出ましたよ。 これはどういったプレイなんでしょうか? 


「自己」 まあとにかく関わりたくない。 下手に判断すると責任生じて自分が対応考えないといけないから上司の立場を利用して責任放棄ってところですかね。 思っていても普通はやれないプレイですよ。 いや~信じられないスーパープレイですね。


「社蓄」 しかし流石に放りっぱなしというわけには行かなかったようです。 ほら一応現場の方にやって来ましたよ?


「自己」 いや~機嫌悪いですね。 上手く逃げられなくて八つ当たりする気満々の顔ですね。


「社蓄」 なんと現場の下っ端にどうするのかを問いただしてますね。 それを考えるのはお前だろと言いたげな下っ端の顔が辛い。


「自己」 はい、散々考えさせた後に全て却下して『だからお前は駄目なんだよね~、ああ本当駄目だね~」と嫌味だけ言って指示を一方的に言ってさっさと帰っていきましたね。


「社蓄」 腐っても上司ですね。 最初はともかく流石の判断といったところでしょうか?


「自己」 いえいえ(笑) 実はこれは隠れた名プレイなんですよ。 他の下っ端に文句言われて彼が考えたことをさも自分が考えたように指示してただけなんです。これが出来る恥知らずはそうそういません。


「社蓄」 おっと~(笑) それは驚きましたね。 そんな人間がこの社会に実在してなおかつ企業に所属しているとは~……。


「自己」 社畜さん、アレですよアレ!


「社畜」 おっと失礼しました。ここであらためて提示させて頂きますが、ここで紹介されている選手は実際の人物また企業の一員とは一切関係無いということをもう一度明言します。 どうか皆さん『読み違い』をなさらないように重ねて申し上げます。


「自己」 素晴らしきジャップ精神(笑)ですね。


「社蓄」 まだまだ素晴らしいプレイがありましたが今宵はここまで。 自己さんありがとうございました。 


「自己」 はい、来週は『コンプライアンスの破壊神』という異名を持つ選手を紹介したいと思います。 私が今までに出逢った人間で間違いなく最高峰のkj選手ですよ。


「社蓄」 それは楽しみですね。 解説は社蓄一郎と。


「自己」 自己責任でした~。 



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 KJ(クソ上司)杯 『ヒステリック珍選手』 中田祐三 @syousetugaki123456

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