第ニ節 魔法は自滅する元になる

「……うわあ」


 夜刀神は驚く。まあ、そりゃこの国は魔法が盛だしな。当然か。

 人目のつく場所っていうと一番最初はこの国だということが千里眼でわかったので、俺はこの国にある魔法高校を尋ね、夜刀神の魔法を習うことにした。


「まずは魔法の危険性について」


 PVが初心者用だけど、この際、気にしない方が良いかも。俺は夜刀神に魔法の事について聞くことにした。


「……徨?魔法ってどういう風に覚えることになった?」


「えっ……と、神官に教わっただけ?」


 火の鎧を作りましょうとかいって焼身死体になった魔術師を映し出す。

 ……俺は言葉を出せず、夜刀神は「馬鹿なの……?」とか呟く。


「……鎧は、力量が高くないと自滅するのでオススメは……って神官が言った意味がわかる気がする」


「……やべぇ、仙術よりもムズイかも……」


 俺が呟くと夜刀神は苦笑し、PVを見続ける。恐らく、夜刀神は他の魔法体系も習得する様にしたいのか笑顔だった。夜刀神曰く、自然を味方にしようとすると摂理をまなぶ必要があるので、焼身死体になった魔術師はまずまなぶ必要があったとのこと。


 かくして、俺は夜刀神の魔法の教育を受けることになったのだが、


「理論体系とかわかるか!!」


 もう序盤にて限界を感じる。

 すると、夜刀神は俺へしどろもどろしつつ聞いた。


「……仙術はど、どう習ったの?」


「どうって……テキトーに修行し、習得したものだ!なので、理論体系とかじゃなくサトリ!サトリのせい!」


 夜刀神はスッと指を立て、俺へゆっくりとサトリを開くように言った。


「あ……、じゃあ、まずは神来社君の手に灯があるとします」


 ふむふむ。


「そのまま……熱を帯びます」


 火が……熱を帯びる。


「……ソレが手に浮かびます」


 俺は手を出す。するとボッと熱を帯びる火が浮かび、俺の周囲を照らす。


「……さっきの焼身死体の魔法使いは纏うだったでしょ?浮かぶ火なら鎧の代わりにすることもできるし、これなら火傷する心配も……ないでしょ?」


 な、なるほど……。俺は数時間の努力の末、浮かぶ火の鎧を習得することに成功したのだった。

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