夢見た星を目指して

@Molce

第1話 夢から覚めて

それはひとつの夢から始まった。

誰もが見る夢、でもこの夢は今まで見た夢とは違った

人類の全員ではないが 数多くの人が同時にその夢を見た

そしてその夢を見た人達は、ごく普通の日常から脱線していく事となる。


_____



キーンコーンカーンコーン

チャイムの音がする 1クラス30人程の教室 

一番後ろの窓際の席でその音を聞いている俺は、やっと授業が終わったと思いながら仮眠をしようとする


「凌空(りく)!」


俺の前の席にいる幼馴染の詩音(しおん)が声をかけてきた

詩音は席を立ち、俺の隣で立っている

そんな詩音を横目に自分の机に自身の頬をべたっとくっつけるような体制になる


「ちょっと!!!聞こえてるなら返事してよね!」


詩音は机と密着していない側の俺の頬をぺちぺちと叩いて起こそうとしてくる

このまま聞かぬフリというのも悪い気がしたため、その重たい顔をゆっくりと上げ

詩音の方を振り向く


「なんだ?なんかあったのか?」


「なんかあったのか? じゃない! 今日は早く帰るんじゃなかったの!?!?」


「あっ...やべ」


そうだ、今日はバイトの子が一人体調不良とかなんとかで 早めに出勤するんだった...授業中仮眠をとったこともあってか忘れてしまったようだ


「も~!だらしないな~...」


「助かったよ詩音」


「っ..別に..起こしただけだから...」


「そっか、とりま今日は帰るよ」


相変わらずである詩音を横目に教室を出、家へと向かう

そしてバイト先に早めに出勤し、10時まで勤務をした後

バイト先の先輩や店長などと少し喋り

10時30程に家についた



「さて、今日も一日疲れたな...飯も軽く済ませたし、明日の支度を済ませて今日はもう寝るか...」


凌空はいつもより長い勤務で疲れた体を休めるため、いつもより早く眠りにつく。



______


凌空は綺麗な夢を見た

天に輝く無数の星の輝き そして 見る者すべてを飲み込んでしまいそうな

大きな星 惑星とも見えるその星は 丸い形をしており、中には別の宇宙が広がっている、そんな風にも見えた


【君たちは選ばれた】

【彼の星を夢に見た者たちよ】


響き渡る声、その声は遥か彼方まで透き通るような声であった 人というよりかは自然が生み出した波長のような 



【いつかそう遠くない日に彼の星へと至ってほしい】


その言葉を最後に声は聞こえなくなった

そしてその声が指し示しているであろう大きなその星の中心から大きな光が漏れる



気づくと凌空は目を開けていた、その大きな光は窓から差し込む太陽の光だった


「もう朝か...さっき寝たばっかな気がするな...」


凌空はベッドから起き上がりいつも通りに学校に行く準備を始める

しかし、凌空は見てしまった、自身の体にある変化を



凌空は鏡の前で服を着替える最中、自身の右肩当たりに見覚えのない何かが見えた

そこにはアルファベットの【I】が書かれていた

凌空はそこに記されていた【I】を指でそっと触る、すると【I】は浮かび上がり

ひとつの言葉となる 【Inheritance】

これがどういう意味なのかはわからない すぐに携帯で意味を調べても

この文字の意味が解るだけで なぜここにこんな文字が記されたのか

これは誰が行ったのか そういった事はわかるはずもなかった。



「なにがどうなってんだ?! くそっ!今は気にしてもしょうがねぇ...とりあえず服を着ていれば下手に見られる事はないか」


凌空は考えるのあとにし、学校へ行く支度を済ませ 学校へと向かう。



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