タイトル未定

茅葺和尚

プロローグ

今から3日前、学校からの帰り道。その日はこの時期にしては珍しく、雨は降っていなかった。信号か青になったことを確認した僕は横断歩道を歩み出す。4歩ほど進んだところでふと気づく。「この車、止まる気配がない。」右側から猛スピードで車が近づいてくる。否、近づいてくる、というよりもはやすぐ隣まで迫っていた。ボンッ、という鈍い音が僕の響く。僕は怖くなって目を閉じてしまった。刹那、体が軽くなったきがした。ああ、僕は今宙に浮いているのか、と気づくまでにそう時間はかからなかった。と、同時に肩にかけていたはずのスクールバッグがいつのまにかなくなっていることにも気づく。気になって目を開くと、幸い、バッグは眼前に落ちていた。と共に妙な違和感を覚えたところでバッグの上に着地。精神的には落ち着いていられる状況ではないのだが、まずは落ち着いて事態を確認してみる。出血のあとはない。ぶつかった背中は少し痛むが、友達にふざけて叩かれた程度の痛みであった。それと僕が覚えた違和感、あのスピードの車にぶつかったにしては滞空時間が短い。しかもほぼ無傷ときた。一体どんな因果が働いたのだろうか。車の方はすでに豆粒ほどの大きさになっている。目撃者も無し。結局この日は何事もなかったかのように帰ったのだが、この不思議な出来事が気になりすぎて夜はあまり眠れなかった。

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タイトル未定 茅葺和尚 @totan_yane_1919

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