第2話
下描きの終えたキャンパスの前に座り、筆を持つ。我が妻と娘の絵だ。
(どうも上手くいかない…。)
妻の赤いドレスの色だ。何を試しても良い色が出来ない。
「…。」
自分でも、恐ろしい考えが頭を過ぎった。
____マリーの血を、絵の具の代わりに使えば良いのでは?________
その行動を自分には止められなかった。
小さいガラス瓶とナイフを持ち、妻の死体が置かれている部屋へと向かった。
「入るぞマリー。」
返事が帰ってこないのはわかっているが、つい癖で言ってしまう。
扉に鍵を掛け、ベットに近づく。
額にそっとキスを下ろし、服を脱がせ目立たないようにナイフで肌を切った。紅い血が肌を伝う。それが美味しそうに見え、私は一雫だけ血を啜った。そして、瓶に血を入れ、止血をし、目立たないように服を着せた。手持ちの手鏡で顔を見て、何も変化が無いような表情を作り、部屋を出た。
________あぁ、完璧な色だ。流石は私の妻だ。____________
マリーのドレスの色は完璧だ。後は
アイリスだけだ。
とある画家の話。 隣の佐藤。 @saigyou
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